異国情緒溢れる街【神戸・北野】でクラシカルな異人館巡りをしよう

幕末の1868年（慶応3年）に開港した神戸。2017年の今年は開港150年を迎えます。その開港当時の面影を感じさせてくれるのが、神戸・北野の異人館街。その価値を評価されない時代にかなり多くの建物が取り壊されてしまったものの、今なお18館の異人館が公開されています。

北野の街は、異人館が公開されているだけでなく、街自体がクラシカルな西欧の空気を醸し出しています。
こちらはスターバックスの北野の店舗。1907年（明治40年)に建てられたものが利用されています。いつものコーヒーショップも見違えた姿で登場するのが神戸・北野なんですね。

神戸・北野の異人館と言えば、外せないのがこの「風見鶏の館」。屋根の上に風見鶏が付いていることからネーミングされました。
神戸のランドマークの一つで、神戸のお土産などにもモチーフが採用されることもしばしば。

風見鶏の館は、ドイツの貿易商・ゴッドフリート・トーマス氏により明治42年（1910年）に自宅として建てられました。こちらはリビング。珍しい天井部分のアーチにご注目。この天井下のスペースでは、椅子に座って記念撮影を行う観光客の方も多く見られます。

細部の装飾まで美しいボンボン時計。こういったアンティークな品々を館内では見ることができます。

外壁がきれいな「萌黄色」（春の若葉のような黄緑色）をしている「萌黄の館」。アメリカ総領事のハンター・シャープ氏の自宅として、明治36年（1903年）に建てられました。

食堂と居間を兼用した部屋。細部まで贅沢な装飾が施されていますので、注目して見てみましょう。

美しいタイルが敷き詰められた暖炉。模型の船も豪華な雰囲気を醸し出しています。

階段にもアラベスク風の模様が施されていますので、ただの通路としてではなく、時間が許す限り鑑賞してくださいね。

浴室からは風見鶏の館が見えます。萌黄の館は2階からの見晴らしが良いことでも人気。

日当たりのよいサンルーム。窓からは、神戸の街を一望できます。ガラス枠の幾何学模様は特徴的で、萌黄の館の象徴にもなっています。

こちらは、阪神大震災のときに落下してきた煙突。震災当時の被害状況を伝えるものとして、今も裏庭にそのまま展示されています。

国の有形登録文化財である「うろこの館」。外壁の天然石のスレートが魚のうろこに似ていることからネーミングされました。

庭にあるイノシシのブロンズ像「ポルチェリーノの猪」。異人館のある北野は、近くの六甲山に住む野生のイノシシが現れることもしばしば。この像の鼻をなでると幸運が訪れるとの噂もありますので、ぜひなでてみて下さい。

異国人向けの借家として建築されたうろこの館。神戸で最初に公開された異人館でもあります。クラシカルで豪華な家具や装飾品を目で楽しむことができます。

館内には西欧の王室が愛用した品々も展示されています。こちらは、1750年頃にデンマークの王子がアマリエンボー宮殿で使用していたソリ。クルミの木が使用されています。

異人館がある北野の街は高台にあるので、窓の外には神戸の景色が見下ろせます。

英国チューダー様式で建築されている「山手八番館」。しかし、イギリスのものだけでなく、日本を初め世界各国の彫刻が展示されているのが特徴です。
入り口にもさっそく日本の美術をモチーフとした銅像が。右は天燈鬼像、左が龍燈鬼像で、これは奈良・興福寺の国宝館に現物が展示されています。

入り口には細かく描き込まれたステンドグラスが。全部で4枚あります。

「サトゥルヌスの椅子」。ローマ神話の豊穣を司る神の名が付けられており、この椅子に座ると願いごとが叶うのだとか。この椅子に座るために、山手八番館の外には長い行列ができていることもあるほどの人気を博しています。

和洋折衷なこの異人館、館内には仏像も展示されています。こちらは奈良の東大寺・南大門でおなじみの仁王像。

こちらはアフリカの美術品。クラシカルな異人館の中で、世界中の文化に触れることができます。

バスルーム。シャネルのものを初め、見たことがないような大きな香水のビンがたくさん並べられています。

日差しが心地よく差し込むバルコニー。ここではランチやお茶を楽しむこともできます。

1871年（明治4年）にフランスの貿易商・グラシニア氏の自宅として建てられたグラシニア邸。現在はフレンチレストランとして、2016年にはミシュラン1つ星を獲得しています。

店内はモダンで、すっきりと上品な雰囲気。上飾り付きでドレープが美しいカーテンがさりげなく華やかさを添えています。

地元のものを中心に、旬の食材を取り寄せて作り上げたフレンチはまさに逸品。優雅な異人館の中で極上の一皿を堪能してください。

店内は明治期のレトロ感がある上に、東洋と西洋が融合した不思議な空間になっています。当時のハイカラな空気を感じてみましょう。

内装も北野らしくヨーロピアンでレトロ。今では一般公開されていますが、かつては会員制のお店でした。

特別な空間で頂くお茶は格別。他では味わえないひとときをお楽しみください。

カフェやショップも「ここが日本？」とちょっと分からなくなってしまうようなお店がたくさんあります。ぶらっと立ち寄るのも楽しいですよ。

クリスマスの時期には異人館の外部にサンタが出現！イタリア館の項目で少しご紹介したとおり、内部もクリスマス仕様の装飾やテーブルコーディネートが施されますので、クリスマス時期に訪れるのもおすすめ。
異国情緒溢れる北野の街をぜひ楽しんでください。