美しい風景と歴史の街へ。神戸の《須磨》に出かけよう【素敵なレストラン付】

瀬戸内海と六甲山に挟まれた、神戸・須磨。砂浜からの眺めも高台から見下ろす景色も楽しめ、風景が美しいまちです。

海水浴場として有名な須磨。夏には海水浴客で賑わいます。明石海峡大橋を眺めながら、穏やかな瀬戸内の波に揺られれば、日頃の喧騒も忘れてしまいそう。

そんな須磨は源平の合戦・一の谷の戦いの戦場となったり、源氏物語で主人公・光源氏が京から退去してきた地であったり、と歴史的・文学的な意味合いを持つ地でもあります。

歴史があり風光明媚な須磨では、松尾芭蕉や与謝蕪村、正岡子規など様々な歌人や詩人が、須磨の風景や源平の合戦について数々の俳句や歌を残しています。
特に有名な与謝蕪村の俳句「春の海　終日（ひねもす）のたり　のたりかな」は須磨の浦で詠まれたものと言われています。

海と山の景色が美しく、歴史的・文化的魅力があるまち須磨をご紹介します。

当時皇太子だった今上天皇のご成婚記念に公園として整備された須磨離宮公園。元々は大正3年に皇室の別荘とされていたところ、戦争を機に神戸市に下賜されました。

広大な敷地の公園を入ってすぐのところには、水がモチーフの噴水庭園があります。高台にあるため、遠くには水平線を見ることができます。
周囲にはパラソルとテーブルが設置され、休日にはここで噴水を眺めながらくつろぐ人々の姿が。イベント時には夜間に噴水が七色にライトアップされます。

噴水公園にある「王侯貴族のバラ園」。様々な種類のバラが植えられ、春（5月中旬〜6月下旬）と秋（10月中旬〜11月下旬）に見ごろを向かえます。

こちらは「花の庭園」。季節の花々が色とりどりに咲き乱れます。公園の奥にあり、プライベートガーデンのようなゆったりした時間が流れています。

「月見台休憩所」
源氏物語の主人公・光源氏のモデルとされる在原行平が月見をしたとされている場所です。大阪湾が一望でき、天気がよければ和歌山の友ヶ島まで見ることができます。

須磨離宮公園の程近くにある、邸宅レストラン「ル・アン」。
大正8年、当時貿易商をしていた西尾類蔵の迎賓館として建てられました。
大正時代の面影を残す建物は、美しい庭園共に神戸市指定有形文化財になっています。

「池泉回遊式庭園」の日本庭園。池の周りを回りながら、木々や池の景色を楽しむことができます。
画像の右手は、当時茶室だった「真珠亭」。朱塗りの建物が庭園に華やかさを添えています。

コースの最後には、シェフからのサプライズでデザートプレートが。季節によって描かれるイラストが異なりますので、それも楽しみの一つ。

六甲山系の鉢伏山（はちぶせやま）と旗振山（はたふりやま）の山頂一帯にある「須磨山上遊園」。眺望が素晴らしく、神戸の街はもちろん、関西国際空港や小豆島まで見渡すことができます。

須磨山上遊園へはロープウェイで向かいます。須磨の海や六甲山の自然を眺めながらの空中散歩。

見晴らしが最もよい「回転展望台」へ行くには、さらに「カーレーター」という、車に乗る方式のエスカレーターを乗り継ぎます。このカーレーターは絶妙な乗り心地の悪さが、かえって魅力となっており、そのための調整がなされるほど。

回転展望台からは360℃のパノラマで景色を見渡すことができます。こちらは明石・淡路島方面の景色。穏やかな瀬戸内海と明石海峡大橋、六甲山の木々が目を癒しの時間をくれます。

この他、サイクルモノレールやミニカーランドなど小さなお子さんが楽しめる施設もあります。カーレーターはじめ、どの施設も昭和レトロな雰囲気なのも見所。

須磨浦山上遊園の最寄駅、須磨浦公園駅を南に下ってすぐにある「TOOTH TOOTH Sea Side Cafe（トゥース トゥース シー サイド カフェ）」。神戸で人気のパティスリー・TOOTH TOOTHのカフェです。

源平の合戦ゆかりのお寺「須磨寺（すまでら）」。境内へは龍華橋（りゅうげばし）を渡って向かいます。

「源平の庭」。寿永三年（1184）年の「一の谷の戦い」での、平敦盛と熊谷直実の一騎討ちが再現されています。
息子と同年代の敦盛の首を泣く泣く切ることとなった熊谷直実と、笛を愛するなど風流な一面がありながらも若くして戦いのうちに果てた敦盛のエピソードは、平家物語の中でも特に美しいもの一つとして知られています。

「敦盛公首洗いの池」。敦盛の首を検める前に、ここで敦盛の首を洗ったとされています。桃色以外にも薄い黄色や赤紫など色とりどりの蓮が咲く、美しい今の姿からはちょっと想像できませんね。

「敦盛公墓所（首塚）」。敦盛の首が祀られており、敦盛の菩提が弔われています。敦盛の胴体はまた別に「須磨浦公園」で祀られています。

「義経腰掛けの松」。一の谷の合戦後、敦盛の首と笛を確かめるため、源義経がここに腰掛けたとされています。

「宝物館」。敦盛が愛用した「青葉の笛」など源平ゆかりの品や資料が展示されています。

今年で60周年を迎える「須磨海浜水族園」。神戸の人達に長く愛されている水族館です。

1日4回行われる人気のイルカショー。賢くかわいいイルカ達の、ダイナミックなジャンプや愛らしいしぐさに歓声が起こります。有料でイルカにタッチできるイベントも行われていますよ。

イルカ以外にも、アザラシにタッチできたり、ペンギンやリクガメに餌やりができるイベントもあります（いずれも有料）。1歳以上から参加できるので、小さいお子さんには特にいい思い出になりそうですね。

かわいらしいラッコのお食事ライブも人気。おなかをテーブル代わりにしてイカや貝を上手に食べる様子を見ると、思わず笑みがこぼれてしまいます。

須磨海浜水族園から徒歩7分ほどのところにある「Pizzeria OTTO （ピッツェリア　オット）」。天井が高く、窓が大きいので店内は開放的な雰囲気。

イタリア直送の釜で焼かれるナポリ風のピザが人気。テイクアウトすることもできますよ。定番のマルゲリータの他、クアトロ フォルマッジ、カプリチョーザ、シチリアーナなどたくさんの種類のピザが楽しめます。

海や山が織り成す風景が美しい須磨。季節ごとに咲き誇る花々や、源平ゆかりの史跡、海の生き物達とのふれあいなど様々な魅力に溢れています。ぜひ夏休みのおでかけ先の候補にしてくださいね。