京都市左京区南部、今出川通と東大路通が交わる“百万遍”と、その周辺の“吉田”界隈は、国立大学“西の雄”「京都都大学」の本拠地。地元京都人はもちろんのこと、近畿圏では良く知られる学生の町です。
出典: 「百万遍」は耳にしたことがあっても、「吉田」界隈は、圏外の人々にとっては、馴染みの薄い地域です。
銀閣寺や下鴨神社、金戒光明寺や平安神宮と、東西南北に名だたる観光名所が在るためか、一般のガイドブックで紹介されることはあまりありません。言ってみれば、この界隈は、京都観光における空白地です。
出典: 【京都大学・本部構内。時計台記念館の前のクスノキの大木周囲は、学生も市民もくつろぐ憩いの場。】
けれども「吉田界隈」には、祇園や清水寺といった濃密な観光名所では味わえない、この地域ならではの魅力があります。
出典: 【「吉田山」へと続く、大正期に建てられた家屋が並ぶ路地。】
古き良き時代のレトロでモダンな建物や町家が混在したこの界隈は、ふだん着の京都、気取りのない京都といった風情で、外来者でも気ままに振る舞える、気さくな雰囲気があります。
出典: 名所も。ランチも。アクセスも。魅力溢れる“百万遍・吉田界隈”
“観光の空白地”といっても、仔細に眺めてみれば、歴史的建造物の宝庫である「京大・吉田キャンパス」はもちろんのこと、“手作り市”で有名な「百万遍・知恩寺」や、平安京の鎮守社である「吉田神社」といった由緒ある名所も在しています。
また、京大・吉田キャンパスの東側の「吉田山」とその周辺は、街中とは思えない程に、緑豊かで、森閑としています。「吉田山」に上れば、清涼な空気や木漏れ日を楽しみながら、市街を眼下にした素晴らしい眺望も満喫できます。
出典: 新旧の建物が混在するこの界隈には、クラシカルでモダンなカフェやレストラン、有名なパティスリーや、学生街ならではの食堂等など、当地ならでは飲食店も数多く点在しています。
出典: 百万遍・吉田界隈へ足を運べば、気さくな町の雰囲気を味わいながら、ランチやカフェ、買い物等など、自由気ままに、思い思いに、個性的な旅を楽しむことが出来ます。
出典: さらに“百万遍・吉田界隈”は、旅行者がとって、アクセス抜群のエリアです。
紅葉の名所である真如堂や金戒光明寺の境内は、吉田山の裾野と接し、平安神宮や銀閣寺、下鴨神社といった、洛東を代表する観光名所も徒歩圏内。京都市民の憩いの場「鴨川デルタ」も、すぐ近くです。
出典: 【「賀茂大橋(今出川通)」からの鴨川の眺め。中央の木立は下鴨神社「糺の森」。その手前、舳先のような突端部が「鴨川デルタ」。デルタから眺める京都の情景もお勧め。デルタへと続く“飛び石”は、映画やアニメの舞台にもなっています。】
京都の名だたる観光名所は、歴史と文化が、繊細に、濃密に、凝縮した場。
そこに身を置き、五感を通して都の文化を感じるのが、京都観光の最大の魅力です。
でも、名所や人気スポットばかりを周っていると、そうした場に重たさを感じたり、人混みや喧騒にうんざりすることも少なくありません。
【今出川通・銀閣寺周辺。百万遍交差点から銀閣寺までは徒歩で20分、自転車で7,8分程度】
百万遍・吉田界隈は、そうした場からちょっと逃れて一休み、ほっと一息つくのに、恰好のエリアです。
京大の歴史と共に築いた町の文化や雰囲気があり、由緒ある名所やスポットもあるので、気の向くままに軽やかに散策が出来ます。また、レンタサイクルを利用すれば、京都を代表する観光名所と合わせて、もっと自由に、思い思いの旅をすることが出来ます。
出典: 本記事では、京都大学吉田キャンパスと吉田山を中心に、名所やスポット、お勧めのカフェや食事処、菓子の名店等などを様々に紹介しながら、百万遍・吉田界隈を案内します。
◆本記事の目次◆(◇は、飲食店)
百万遍・吉田界隈へのアクセス
1.レトロでモダン!自由な風が吹き抜ける「京都大学」
1-1.「本部キャンパス」で、アカデミック散歩。
1-2.「北部キャンパス」で、緑を満喫。
1-3.見所満載!吉田キャンパス
1-4.大学構内でランチ&カフェ
◇ラトゥール・◇カンフォーラ・◇京都大学楽友会舘
2.ゆったりとした時の中で、ランチ&カフェ。
◇進々堂京大北門前店・◇Le cafe
3.“市”が楽しい「百万遍 知恩寺」
4.財布に優しく。ボリューム満点。京大生御用達の名店。
◇ハイライト・◇三高餅・◇ミリオン
5.ちょっと気になる。大学周辺の人気店。
◇中国料理 華祥・◇京の洋菓子工房リモール・◇ビィヤント
6.木漏れ日と静寂。吉田神社&吉田山
6-1.緑の中に佇む、平安京の鎮守社「吉田神社」。
6-2.眺望も。カフェも。「吉田山」で憩う一時。
◇“市中の山居”「茂庵」
7.「吉田山」の麓で。気ままにランチ&カフェ&スウィーツ
◇Patisserie TATSUHITO SATOI・◇くらり食房・◇Asian chample foods goya・◇グリーンカナリー
旅のおわりに。
出典: 【今出川通と京都大学。今出川通は、東は「銀閣寺」門前から、西は「等持院」近辺まで伸びる全長7kmの道です。】
◆アクセス
「百万遍交差点」(百万遍バス停)までは、京都駅前から市バスで35分、四条河原町から約25分です。京阪電鉄・叡山電鉄「出町柳駅」を利用するなら徒歩で7分です。(京都大学のアクセスを参考にしてみましょう。)
今記事では、京都大学と吉田山の二箇所を中心として案内しますが、京都に観光目的で訪れるのなら、せっかく日程や予算をやり繰りした旅行ですから、観光名所と合わせて、エリア内の気に入った場所へ足を運ぶのがお薦めです。
◆観光名所から吉田界隈へ所要時間
下鴨神社⇒百万遍交差点:徒歩25分弱
東山慈照寺(銀閣寺)⇒吉田山緑地:徒歩17分
平安神宮⇒京都大学本部:徒歩20分
1.レトロでモダン!自由な風が吹き抜ける「京都大学」
京都大学は、吉田、宇治、桂の3ヶ所に大きなキャンパスを有する国立大学。
大学本部が置かれているのは、ここ吉田キャンパスです。今出川通、東大路通りを中心にして、本部・吉田南・西部・医学部・薬学部・北部等の7つの構内があります。
【「時計台記念館」前。大木は、京大のロゴマークにもなっている“クスノキ”。】
有名大学は、往々にして歴史的建造物の宝庫ですが、京都大学も例に漏れず、構内には明治から昭和初期の建築されたレトロでモダンな建物が数多く残り、大学の施設として利用されています。
木造、RC造問わず、どれも古き良き時代の香り漂う建物です。その佇まいは、今もなお新鮮。建築に特に興味のない方でも、その雰囲気にきっと魅了されるはずです。
出典: 【本部構内「総合博物館」に隣接する、国の登録有形文化財に指定されている「文学部陳列館」】
◆京都大学構内は、誰でも自由に見学出来ます。
※但し、「総合博物館」や「百周年時計台記念館」、カフェやレストラン等、一部の公開施設を除き、建物の内部に立ち入ることは出来ません。
出典: 【本部構内・建物は、昭和8年建築の「法経済学部本部本館」】
百万遍交差点から南東方向に広がる「本部キャンパス」は、豊かな緑の中、モダンで美しい新旧の建物が多く配されています。見学可能な「総合博物館」や「時計台記念館」といった施設、一般の方々でも利用できるカフェや食堂も多くありますので、百万遍近辺へ足を運ぶのなら、本部構内をゆったりと散策してみましょう。
出典: 【本部構内・正門入って左手に建つ「旧石油化学教室本館」。ノーベル賞に輝いた湯川秀樹・朝永振一郎・福井謙一が、かつてここで研究したことから“ノーベル賞の館”と愛称されています。外壁のレンガの色が微妙に異なるように、1階部分が明治後期、2階部分は大正期にの建築。この「旧石油化学教室本館」は、京大キャンパスの中で現存する最古の建物です。】
出典: 本部構内正門の正面に建つのは、京都大学のシンボル「百周年時計台記念館(旧京都帝国大学本館)」です。
火災による焼失によって建て替えられたこの建物は、現代建築と見紛うような外観ですが、初代建築学科主任教授の武田五一の設計によって大正末期に建てられたものです。タイル張りの外壁や玄関ポーチには、繊細な意匠が施され、重厚かつ上品な趣きです。
出典: 「百周年時計台記念館」の内部も、外観同様に、シックでモダン、東洋を折衷した趣きです。照明器具のデザインや柱上部に施された装飾も秀逸です。
出典: 一般の方でも入館できる「時計台記念館」の1階には、京都大学の歴史を一望する展示室とフレンチレストラン「ラ・トゥール」(後述)が、地下1階には、「中央食堂」、「タリーズコーヒー」、「生協中央購買部」が入っています。
購買部では、京大ロゴマーク入りの文房具や土産菓子、京大の有名フード「総長カレー」のレトルトパックや「京大野帳」といった個性派揃いの京大オリジナルグッズ々が様々に並んでいます。ありきたりの京都土産に飽きたのなら、ぜひ覗いてみましょう。
【画像は、1階の資料展示室。】
出典: 国宝・重要文化財を含む、約260万もの文化財を所蔵する「総合博物館」では、自然史・文化史・技術史における、京大所蔵の貴重な資料の一部を常設展示しています。
出典: また企画展や特別展も折々に開催し、イベントも催しているので、興味のある方は要チェックの施設です。
出典: 中でも素晴らしいのが、子供でも楽しめる展示やイベントです。
ナウマンゾウや昆虫など標本が数多く常設されている他、毎週土曜日には、子供向けの無料のイヴェント「子ども博物館」も開催しています。子供連れで京都へ出掛けるのなら、ぜひ訪れて欲しいスポットです。
【画像は常設展示室「自然史」のゾーンに設置された顕微鏡。のぞいてみれば、自然の神秘、美しき世界を目にすることが出来るはず。】
出典: 今出川通から御蔭通にかけての北白川に広がるのは、京都大学農学部と理学部の「北部キャンパス」。京大の中でも、一際緑多いキャンパスです。構内には、農場やグラウンドが配され、歴史的建築物も多く残っています。
【画像は、大正13年(1924年)建造の京大北門。】
出典: 見所は、「湯川記念館」や登録有形文化財の「旧農学部付属演習林事務室」等。レトロモダンな建物を眺めながら、木立の中散策するだけで、気分も軽やかに。【画像は、昭和初期建築の「旧農学部付属演習林事務室」】
出典: 北部構内の付属農場の一角には「馬術部厩舎」があり、朝と夕に、部員に伴われた馬がキャンパス内を散歩しています。蹄の響きも、心癒される音。運が良ければ出逢えるかもしれません。
出典: 吉田キャンパス内には生協の食堂が4つありますが、一番人気を誇るは、ここ北部構内にある「北部食堂」です。
「秋刀魚の塩焼き」や「梅しそトンカツ」といった主菜類、「ほうれん草のひじき和え」や「れんこんきんぴら」といった“副菜”類、「手作り杏仁豆腐」等のデザート類が、それぞれ種類豊富に並ぶ他、丼もの類や麺類も充実しています。ご飯もS~LLサイズまであり、実に親切。十五穀入りご飯も用意されています。
中でも人気なのが“オーダーコーナー”。注文後に調理するので、出来たての美味しさが味わえます。一般の方でも利用可です。おかずの種類が豊富で、栄養価も高いので、一人暮らしの方にお勧めの食堂です。
◆※メニューは、日々変わりますので、このサイトでチェックしましょう。
京大吉田キャンパス内には、まだまだ歴史的な建物が多くあります。
“本部構内”の、明治後期建築の「工学部電気工学教室本館」、登録有形文化財指定の「尊攘堂」、京都最初の鉄筋コンクリート造の「工学部建築学教室本館」。東大路通から西側に広がる「西部構内」の、明治後期建築の木造洋館「旧解剖学教室講堂」や、赤煉瓦が印象的な「医学図書館第二書庫」、木造平屋建ての「京都大学医学部表門守衛所」等など、枚挙に暇がない程に沢山あります。
出典: 【京大・吉田南構内・総合人間学部正門・門衛所は、明治後期・登録有形文化財。正面に見えるのは、吉田南総合館。正門から総合館へと通じるプロムナードも、緑と建物が調和し、雰囲気の良い場所です。】
吉田キャンパスの魅力は、建築と緑に留まりません。
政治スローガン掲げた立て看板や、廃墟同然の「吉田寮」。部室のいたずら書きや、思い思い過ごす学生たちの姿なども、この空間でしか味わえない面白さがあります。
出典: また、京大では開かれた研究機関として、一般市民向けの公開講座や見学会も定期的に開催しています。旅をする中で、歴史ある京都大学でアカデミックな体験をするのも一興です。日程に都合がつく方、興味のある方は、旅の機会を利用して、ぜひ参加してみましょう。
京都大学の公式HPでは、散策マップ、公開講座等、一般の方向けの案内が様々に掲載されていますので、ぜひチェックしてみましょう。【画像は、京大構内。】
京大構内には、大学の雰囲気や歴史的な建物の空間を楽しみながら、ランチや珈琲をゆったりと味わえるレストランやカフェがあります。大学関係者でなくても利用できますので、ぜひ活用しましょう。
「ラトゥール (La Tour)」本部構内・時計台記念館1F
出典: 「ラトゥール」は、「時計台記念館」の1階にある、本格フレンチレストラン。天井高く広々とした内部は、重厚な建築同様に、ゆったりとして落ち着いた雰囲気です。
出典: ランチ、ディナー共にコース料理。味、サービス、雰囲気共に評判が良い店ですが、秀逸なのは価格設定。気軽に本格フランス料理が頂けます。【画像は、ランチコースAのメイン料理「メカジキのポアレ 茄子のクーリとタプナードと共に」。】
出典: 一番リーズナブルなランチコースでも、オードブルやパン、デザート、ドリンク付きです。京大の穴場レストランです。
出典: ランチやカフェを楽しみながら、学生気分も味わいたいのなら、本部正門傍らの「カンフォーラ」がお勧め。
出典: テラス席も設けられた店内は、大勢の学生を収容するため広々。お昼休みの混雑時を外せばゆったりと食事が頂けます。
出典: 学生がメインのカフェレストランなので、料理もドリンクも、全て学生価格。といっても、学生食堂とは異なり、器も設えも町中のカフェと変わらず洒落た雰囲気。デザートやドリンク類のメニューも豊富です。
【画像は、ミニサラダ・週替りパスタ・パン(ライス)付きの「パスタランチ」。】
出典: ランチなら、メインディッシュに、スープ・パン(又はライス)付いた日替わりランチやパスタランチがお勧め。
【画像はハンバーグがメインの「日替わりランチ」】
出典: 「カンフォーラ」で有名なのが、第24代総長プロデュースによる「総長カレー」。
京大の名物として知られるこのカレーは、シーフード、ビーフ、ステーキの3種類。ルーはそれぞれに工夫を凝らした本格派。ご飯は、五穀米と白米が選べます。京大見学の思い出にお勧めの一品です。
【画像は、「総長カレー」の「ステーキカレー」。さらっとしたルーは適度な酸味とスパイスが効いていて美味しいと評判です。】
出典: ファサードの屋根が印象的な「楽友会館」は、京大創立25周年を記念し、大正14年に建てられた教職員の学術交流の場。京大吉田南構内の一角にあります。
出典: 「楽友会館」内には、教職員が利用する会議室の他、一般の方でも利用できる「食堂」があります。内部の設えも、歴史を感じさせるクラシカルで落ち着いた雰囲気です。
出典: 食堂とは言っても、サービスも丁寧で、内容も充実と評判です。メニューは、ハンバーグやエビフライ、ビーフシチューやミートソースといった洋食を主としたラインナップ。【画像は、ビーフステーキ。】
出典: お得なセットメニューや日替わり定食もあり、価格も実にリーズナブルです。
【画像は「本日の日替わりランチ」。タルタルソース付きのエビフライとチキントマト煮の盛り合わせ。】
出典: 「オムライス」や「ナポリタン」も、レトロでクラシカル。昔ながらの洋食が味わえます。
◆カンフォーラや食堂、購買部の営業時間等が掲載されています。
出典: 大学の外にも、歴史的な建物に入る老舗喫茶店やレストランがあります。特に今出川通に面した「進々堂 京大北門前店」は、創業87年を誇る、古くから京大生とともにある名店。煉瓦造りの建物は、老舗ならではの趣きです。
出典: 「進々堂京大北門前」は、パン作りのために留学した初代が、パリのカルチェラタンに感動して開いたお店です。看板や床のタイル、レリーフ、壁に刻まれたワーズワースの詩等、創業当時そのままの内装は、実にモダンでクラシカル。
出典: 中でも、素晴らしいのが、飴色に輝く長テーブルと長椅子。
人間国宝の木工作家・黒田辰秋氏によって作られたものですが、「進々堂京大北門前店」を、最も彩り、最も特徴づけるものかもしれません。全席相席でも、テーブルは広くゆったりと過ごせます。
【画像は、ミルク入りの「カフェ」と「マーマレードトースト」】
出典: メニューは、珈琲の他、トーストやサンドイッチ等のパン類、カレーライス等。
構内のカフェやレストランも捨てがたいものがありますが、この店も吉田界隈では外せない名店です。
【画像は、自家製カレーに、パン・ミニサラダ・コーヒーor紅茶がセットになった人気の「自家製 カレーパンセット」。】
元田中 / カフェ
- 住所
- 京都市左京区北白川追分町88
- 営業時間
- [月]
10:00 - 18:00(L.O. 17:30)
[火]
定休日
[水]
10:00 - 18:00(L.O. 17:30)
[木]
10:00 - 18:00(L.O. 17:30)
[金]
10:00 - 18:00(L.O. 17:30)
[土]
10:00 - 18:00(L.O. 17:30)
[日]
10:00 - 18:00(L.O. 17:30)
- 定休日
- 火曜日
- 平均予算
- ~¥999
データ提供: Le cafe(ル・カフェ)(「アンスティチュ・フランセ関西」内)
出典: 京大西部構の南、東大路通沿いに面したこの建物は、1927年に設立された「アンスティチュ・フランセ関西(旧 関西日仏学館)」。講演やセミナー、コンサート等を通して、日仏間の文化的・知的交流の場として親しまれている仏政府公式の文化センターです。
白壁とファサードが美しいこの洋館は、20世紀を代表する“コンクリートの父”と称されたオーギュスト・ペレの弟子レイモンド・メストラレと大阪の建築家・木子七朗の共同設計によって、昭和11(1936)年に建てられたものです。国の登録有形文化財に指定されています。
出典: 館内の1Fには、フランスのエスプリをそのまま映したようなカフェがあります。モダンでシックな店内は、落ち着いた雰囲気。天候の良い日には、テラス席が設けられ、ゆったりと食事やカフェを楽しめます。メニューは、4種類の中から選ぶサラダランチ(バケット付き)やチーズ等のアラカルト料理、ワインや珈琲等。
出典: 「アンスティチュ・フランセ関西」では、毎週末に中庭で“マルシェ”を開催。
オーガニック野菜やチーズ等の食材、オーガニックコットンやハンドメイドアクセサリー等など、様々な品々が所狭しと並びます。、マルシェでは、焼き立てのクレープや淹れたての有機栽培珈琲も販売しています。
◆施設やカフェ、イベントやフランス語の無料体験レッスンの案内が掲載されています。
出典: 京大本部の北側、百万遍交差点の角に位置するのは、“手作り市”で知られる「百万遍智恩寺(ひゃくまんべんちおんじ)」。知恩寺は、「知恩院」と共に浄土宗における由緒ある古寺。浄土宗七大本山の一つに数えられている名刹です。
【画像は、百日紅が眼に鮮やかな、夏の「智恩寺」】
出典: 「知恩寺」は、浄土宗の開基した法然の弟子、源智(げんち)が、法然亡き後に、加茂の神宮寺(慈覚大師の草創)に法然の御影堂を建立したのが始まりです。寺名は、法然の“恩を知る”寺として源智によって名付けられました。
また“百万遍”とは、元弘元(1331)年に疫病が流行った際、当時住職だった空圓(くうえん)が七日間百万回の念仏を唱えところ、疫病が治まったことから、その功績を称え、後醍醐天皇から与えられた称号です。【画像は、2013年4月撮影の手作り市。】
毎月15日に開催される「手作り市」は、400もの店が軒を連ね、多くの人で賑わいますが、知恩寺で催される「秋の古本まつり-古本供養と青空古本市-」も有名。京都の秋の風物詩として人気の高いイヴェントです。
また、毎月第4日曜日には、“野菜と食と健康の青空市場“なむしぇ”も開催されています。イヴェントの開催日・時間については、百万遍知恩寺の公式HPに掲載されています。
4.財布に優しく。ボリューム満点。京大生御用達の名店。
百万遍周辺には、学生の財布の中身とお腹に合わせた、ボリューム満点の美味しいお店が数々あります。学生気分に戻って食事をするのも、旅の楽しい思い出になります。以下で紹介するのは、古くから京大生のお腹を満足させてきた人気店です。
出典: 「ハイライト食堂」は、市内に5店舗を有する、京都の大学生御用達の人気店です。「百万遍店」は、今出川通沿い、京大本部の対面に店を構えています。
【画像は、ホタテ・エビ・白身魚のフライ・カニクリームコロッケを盛り合わせた「シーフードミックスフライ定食」】
出典: どの店も、近隣の大学生で賑わいますが、「ハイライト」の魅力は、何と言っても、安さとボリュームです。中でも、絶大なる人気を誇るのが「ジャンボチキンカツ定食」。見た通りのボリュームで、値段も学食並。といっても、作り置きのものとは異なり、揚げたての衣は、カリカリっとして、サックサク。自家製ソースもマイルドで絶妙!と人気です。
揚げ物だけでなく、豚キムチ鍋やギョーザ鍋等の鍋物、カレーや丼もの、一品料理もあり、メニューは実に豊富です。ご飯の盛りも実にパワフルです。大食いさんにうってつけのお店です。
元田中 / 食堂
- 住所
- 京都市左京区田中門前町94
- 営業時間
- [月]
11:00 - 23:20
[火]
11:00 - 23:20
[水]
11:00 - 23:20
[木]
11:00 - 23:20
[金]
11:00 - 23:20
[土]
11:00 - 22:20
[日]
定休日
[祝日]
定休日
- 定休日
- 日曜日、祝日
- 平均予算
- ~¥999 /~¥999
データ提供: 出典: 百万遍交差点近く「三高餅」は、古くから京大生や地元の人々に愛される、昔ながらの食堂です。
出典: メニューは、京都定番の「しっぽくうどん」や「きつねそば」といった麺類や、「木の葉丼」や「他人丼」といった丼もの、定食など。人気は、出汁の風味が抜群で優しい味わいと評判の麺類。
【画像は、そば又はうどんが付く「本日のサービスセット」の「他人丼」。(関東で「他人丼」と言えば、豚肉ですが、京都では牛肉です。】
出典: 特に人気絶大なのは、「三高餅」の名物「肉カレー中華」です。カレーのスパイシーな香りが抜群で、トロミが効いたスープが細い中華麺によく絡んで美味しい!と評判の一品です。
出町柳 / 食堂
- 住所
- 京都市左京区田中関田町1
- 営業時間
- [月]
11:00 - 19:00
[火]
定休日
[水]
11:00 - 19:00
[木]
11:00 - 19:00
[金]
11:00 - 19:00
[土]
11:00 - 19:00
[日]
11:00 - 19:00
- 定休日
- 火曜日
- 平均予算
- ~¥999
データ提供: 出典:www.flickr.com(@Yu-Ching Chu) 百万遍交差点からほど近くの「ミリオン」も、京大生で賑わう人気店。リーズナブルな値段で、本格的な洋食や定食が頂けます。店の名物は、看板に掲げられている通り、手作りのハンバーグ。ジューシーで柔らかな食感のハンバーグは、繊細な味付け。デミグラスソースも秀逸と評判です。
出町柳 / ハンバーグ
- 住所
- 京都市左京区田中門前町22
- 営業時間
- 定休日
- 平均予算
- ¥1,000~¥1,999 /~¥999
データ提供: 百万遍交差点からは、少し離れていますが、以下に紹介するのは、この界隈で良く知られる3店舗。京大生に限らず、遠方からもわざわざ訪れる客がいるほどの人気店です。
出典: 「華祥」は、地元で有名な中国料理店。ランチ時は行列必至の大人気店です。わざわざ出掛けて食べる価値ありと評判です。
「百万遍交差点」から東大路通を7分ほど直進した「田中里ノ前交差点」の傍に店があります。(「元田中駅」を利用すれば、駅から歩いて2分の距離。)
出典: この店の人気の理由は、繊細でとびきりの美味しい中華料理を、大衆価格で頂けること。
華祥のシェフは、東京の有名中華料理店「華都飯店」で料理長まで勤め上げ、京都府から“現代の名工”として表彰を受けたほどの人物です。
【画像は、店の名物「卵白あんかけ炒飯」。パラリと炒め上げられた炒飯と卵白あんが絶妙なバランスと評判の逸品です。】
出典: 繊細に仕込まれたスープをじっくり味わうのなら「鶏ネギ中華そば」や「塩バターラーメン」がお勧め。麺類は、唐揚げや炒飯、ご飯をセットに出来ます。学生の懐にも優しい庶民価格で、満腹満足の食事が頂けます。
【画像は、美しいまでの透明なスープの「塩バターラーメン」。】
出典: 定番ランチメニュー「あんかけ焼きそば」と「麻婆丼」(どちらもザーサイ、唐揚げ、ごはん付)も、「華祥」の看板料理で大人気です。
【画像は「あんかけ焼きそば」。具材は大きく、野菜はシャッキシャキ。麺もしっかり焦げ目がついて、美味しい!と人気。】
出典: 「京の洋菓子工房 リモール」も、「田中里ノ前交差点」近く。閑静な住宅街の中にある町家を改装した、地元で良く知られる人気の洋菓子店です。
出典: 風情ある町家を改装した店内には、洋生菓子や焼き菓子が並び、座敷とカウンター席では、美味しいケーキと共にカフェが楽しめます。
出典: 伝統的な市井の町家の雰囲気もこの店の魅力。淡々とした日々の中にしっかりと根の張った、都の文化の奥深さを感じながら、一時を過ごすのも、京都観光の醍醐味です。
出典: 店主が作るのは、伝統を踏襲しながらも、独自の感性に忠実に作られた洋菓子。シンプルがらも、繊細で奥深い味わいと評判。洋菓子の魅力を再確認させる逸品です。
【画像は、サクッとした食感と濃厚で柔らかなクリームのハーモニーが素晴らしい「シャンティ・キャラメル」】
出典: 「ビィヤント」は、百万遍交差点から歩いて12,3分ほど。先に紹介した2店舗とは逆方向の聖護院に店舗があります。この店は、京大OBも遠方からわざわざ足を運ぶ程愛される、京大生御用達のカレー専門店です。
出典: 「ビィヤント」の人気は、何と言っても、揚げたてのザクザクっとした、トンカツがのった「カツカレー」です。
一般のカツカレーは、ルーが決まっていますが、「ビィヤント」では、好みのルーをチョイスするシステム。カレールーは、ビーフ(甘口・中辛・辛口)、チキン(甘口)、シーフード(甘口)、ベジタブル (甘口)の6種。
【画像は、カツカレー(ビーフカレー辛口)】
出典: 「ビィヤント」のカレーは、サラサラとしてスパイシー。油分や塩分で誤魔化さない本格カレー。甘口でもしっかり香り高く、一般より辛口です。店主の手際の良さも、3種の薬味も、ターメリックライスも高評価。
【画像は、筍や油揚げや豆類が入った具沢山の「ベジタブルカレー」。薬味は、嵯峨ふぶき・紅しょうが・福神漬け。】
出典: この店のカレーは、他店とは異なるオリジナルテースト。一度食べたらヤミツキというリピーターも多く、“世界一美味しい!”と絶賛する人もいる程人気です。カレー好きなら、一度は試して欲しい一軒です。
【画像は、しっかりと香り高く、スパイシーな「チャイ」。】
神宮丸太町 / カレー
- 住所
- 京都市左京区東大路通丸太町上ル東側聖護院西町12
- 営業時間
- [月]
11:00 - 16:00(L.O. 15:30)
17:30 - 21:00(L.O. 20:30)
[火]
11:00 - 16:00(L.O. 15:30)
17:30 - 21:00(L.O. 20:30)
[水]
11:00 - 16:00(L.O. 15:30)
17:30 - 21:00(L.O. 20:30)
[木]
11:00 - 16:00(L.O. 15:30)
17:30 - 21:00(L.O. 20:30)
[金]
11:00 - 16:00(L.O. 15:30)
17:30 - 21:00(L.O. 20:30)
[土]
定休日
[日]
11:00 - 16:00(L.O. 15:45)
[祝日]
11:00 - 16:00(L.O. 15:45)
- 定休日
- 土曜日
- 平均予算
- ¥1,000~¥1,999 /¥1,000~¥1,999
データ提供:
京都大学本部構の東側に位置する「吉田山」は、古くから京都では“神楽岡”の名で親しまれている孤立丘です。
南北に長い小高い丘には、吉田神道の宗家である「吉田神社」の境内が広がり、本宮を初めとして、神楽岡社や大元宮、竹中稲荷神社等など、数多くの摂社や末社が、緑深い中に散在しています。
出典: 【「吉田山」の人気カフェ「茂庵」からの眺め。山頂からは、山並みと共に京都市街が見渡せます。】
「吉田山」の山中は、桜や紅葉の頃、節分祭(後述)の時には賑わいをみせますが、総じて人影は少なく、街中とは思えない程に森閑としています。吉田神社の本宮や摂社、山頂広場を、清々しい空気を吸い込みながら周り歩けば、ちょっとしたハイキングが楽しめます。
出典: 6-1.緑の中に佇む、平安京の鎮守社「吉田神社」。
「吉田神社」の大鳥居(一ノ鳥居)は、京都大学本部・正門を出て左手(東側)すぐ。東一条通の突き当りに、朱色が鮮やかな鳥居が建っています。【画像は、「吉田神社」の一ノ鳥居。】
出典: 「吉田神社」は、貞観元(859)年に、中納言・藤原山陰が、都の鬼門にあたる吉田山を選び、奈良の春日神を勧請して”平安京の守護”として創建された神社です。【画像は、「吉田神社」二ノ鳥居。】
出典: 創建したのは、中納言・藤原山蔭。春日大社の四神を勧請し、平安京の鬼門除けの鎮守社と守護神としたのが始まりです。
【画像は、本宮「三ノ鳥居」。右手が本宮の拝殿。】
出典:www.flickr.com(@senngokujidai4434) その後、神職の吉田兼倶(かねとも)が唱導した、唯一神道の“吉田神道”の本境地となり、神道界における権威を高め、現在に至ります。平素は静寂な社域ですが、室町期から続く「節分祭」には、境内が人で埋め尽くされる程に参拝者が訪れます。
【画像は、吉田神社本宮内の「神鹿」の坐像。春日大社から勧請した吉田神社では、「鹿」が“神の使い”として扱われています。この像は、昭和32年の吉田神社御鎮座千百年の記念事業の一つとして設置されたものです。】
出典:www.flickr.com(@senngokujidai4434) 「吉田山」は、古来“神楽岡(かぐらおか:神々が集う岡)とも呼ばれているように、霊験あらたかな聖地。山容は秀麗で、東山三十六峰の一つにも数えられています。
吉田山の西麓から中腹にかけて「吉田神社」の社域が広がり、本社の他、数多くの摂社や末社の社殿が、深緑の中に散在しています。【画像は、吉田神社の摂社の一つ、料理飲食の神様を祀る「山陰神社」へと続く参道。】
出典: 神域として永く保全されてきたため、緑多い山中は、清々しく、爽やか。神社境内も、神気が満ちて厳かな雰囲気です。
【画像左は、「吉田神社」の摂社の一つ、菓子の神様「菓祖神社(かそじんじゃ)」へと続く参道。】
出典: 朱塗り鮮やかな「吉田神社」本宮・本殿には、春日大社から勧請した、御祭神の四神を、横一列に棟を配して祀っています。
御祭神は、厄除けと開運の神様「健御賀豆知命(たけみかづちのみこと)」と、「伊波比主命(いはいぬしのみこと)」・学問の神様「天之子八根命(あめのこやねのみこと)」と、女性の徳を授ける神様「比売神(ひめがみ)」の四神。
【画像は、拝殿から撮影した「吉田神社」本殿。】
出典: 境内の南側に位置する「斎場所大元宮(さいじょうしょだいげんぐう)」は、吉田神社の末社ですが、古くからこの大元宮を中心に「節分詣」や「厄除詣」等の特殊神事が行われ、吉田神道における中核を担ってきた御宮です。
【画像は、「斎場所大元宮」。斎場所とは、祭礼行事のための清浄なる場所という意味です。】
出典: 茅葺きの八角形の本殿「大元宮」には、天神地祇八百万神を祀り、大元宮を取り囲むように、伊勢のニ宮をはじめとした、全国の延喜式内社三一三二座を奉祀しています。珍しい形の大元宮は、吉田神道の原理を表したものです。
毎年執行される「節分祭」は、室町時代から行われてる神事。大元宮を中心として節分の前後3日間にわたって行われます。節分祭の時には、800もの露店が境内に並び、多くの参拝者で境内が賑わいます。
【画像は「大元宮」。正月三が日と、節分祭、毎月1日には、大元宮の本殿、東西所神社が、特別に参拝できます。)】
吉田神社の境内は広く、また摂社・末社が多いので、各社の位置や由緒、御神徳の詳細については、公式HPで確認しましょう。
出典: 吉田神社斎場所大元宮」の南方に位置する「宗忠神社(むねただじんじゃ)」は、岡山を本拠地とする“黒住教”の教祖・黒住宗忠、天照大神を祀る神社です。創建は、文久2(1862)年。二条家や九條家から厚い崇敬を受け、幕末の孝明天皇の時に、朝廷の勅願所ともなった由緒ある神社です。
出典: ここは、春から夏にかけて当地を訪れるのなら、足を伸ばして欲しいスポットの一つです。
特に素晴らしいのが、参道です。春の頃の参道は、桜のトンネルとなり、晩春には躑躅が咲き乱れます。参道入口には、岡山の特産、備前焼の狛犬が参拝者を出迎えます。
境内の桜枝垂れ桜も有名で、夏の頃は緑鮮やかで涼やかです。眼病平癒のご利益があるので、眼に不安のある方もぜひ足を運んでみましょう。【画像は、入母屋造りの拝殿。拝殿から、黒住教の教祖・黒住宗忠を祀る「本殿」と、天照大御神を祀る「神明宮」を参拝できます。】
出典: 古くは“神楽岡”と呼ばれ、霊験あらたかな山として、また吉田神道の本拠地として隆盛を極めた「吉田山」。
標高105mの小高い丘ですが、京都盆地に浮かぶようにあるため、頂上からの眺めは抜群です。京都市街地が一望できるのはもちろんのこと、“大文字の送り火”で有名な「大文字山(如意ヶ嶽)」や「愛宕山」」等などを京都市街を囲む山並みを眺めることが出来ます。
出典: 神域としての「吉田山」は、中世には公家の別荘地や遊猟地として、近世には庶民も憩う名所として有名になり、明治期になると、吉田神社の社域が狭まって、東側斜面に高級住宅が連なり、西麓に旧制第三高等学校(現京大)が設置されました。
【画像は、山頂の南側に立つ、京大の前身「旧制第3高等学校校歌」の冒頭が刻まれた石碑。】
出典: 大正期には、運輸業で財を成した谷川茂次郎によって北東部の広域が買い取られ、山頂周辺に広大な「茂庵庭苑」が築かれ、東には高級借家街(谷川住宅)が連なりました。【画像は、在りし日の「茂庵庭苑」の面影を残した、人気カフェ「茂庵」。】
出典: 時を経た現在の「吉田山」は、今もなお緑深く、市民の憩いの場、都会のオアシスです。「吉田山」は、京都市が緑地保全地区に指定し、優れた自然環境を維持しています。
【画像は、谷川氏によって開かれた「茂庵庭苑」の茶室。当初八席あった茶室の内、「清閑亭」と「田舎席」の二席が現在も残り、茶室として活用されています。「茂庵」では、茶室公開を兼ねて気軽に茶に親しむ「月釜」を催しています。詳細は公式HPで確認のこと。】
出典: 「茂庵(MO-AN)」は、吉田界隈で良く知られる隠れ家カフェ。観光と合わせて立ち寄るというよりも、「茂庵」目指して訪れる人も多い人気店です。
故・谷川茂次郎の雅号からネーミングされた「茂庵」。
カフェとして使われているのは、かつて食堂棟として使われていた建物です。木造2階建てのこの建物は、平成16年に京都市の登録有形文化財に登録されています。
出典: 玄関と待合の1階から上がると、2階のカフェスペースに。大きな窓が印象的な店内は、明るく広々。家具や設えも品良くまとめられ、落ち着いた雰囲気です。
出典: 店内は、カウンター席とテーブル席ですが、眺望抜群で人気なのは、京都市街や船岡山が見渡せる西向きのカウンター席。
出典: メニューは、オリジナルのランチやスウィーツ、珈琲や紅茶、ジュースや抹茶、ビール等のドリンク類。
【画像は、珈琲。もと茶苑だった「茂庵」は、器や小物もセンス抜群。カフェであっても、現代の茶室“市中の山居”です。】
出典: ランチは、数量限定の「月替りランチ」と定番メニューの「ピタパンサンド」の二種。
【画像は、ピクルス・スープが付いた「ビタパンサンド」】
出典: スイーツは、月替りのケーキや氷菓子等。スウィーツは、味も、盛り付けも、セッティングも、センス抜群!
【画像は、「バニラアイスのエスプレッソがけ」。“抹茶かけ”もあります。】
出典: 「茂庵」(吉田山山頂)へのアクセスは、4コース(神楽岡・北参道・真如堂・吉田神社)。いずれも徒歩15分程度です。一番分かりやすいのは、神楽岡コースです。「茂庵」は、途中の山道も味わいの内。“茶”を楽しむには、世俗の塵を落としてから。緑を楽しみながら、しっかり歩いて参りましょう。(「茂庵」へのアクセスは、公式HP に画像入りで掲載されています。)
7.「吉田山」の麓で。気ままにランチ&カフェ&スウィーツ
京都大学本部より東側(銀閣寺方向)の今出川通沿いには、地元で人気のカフェやレストランが数々あります。吉田山登頂に疲れたら、ぜひ立ち寄ってエネルギーチャージしましょう。
Patisserie TATSUHITO SATOI(パティスリー タツヒト サトイ)
出典: 「パティスリー タツヒト サトイ」は、京大本部、今出川通を挟んで斜向い。
横浜の名店「スイーツガーデン ユウジアジキ」でスーシェフを務めていた店主が独立し、2016年にオープンしたケーキとパンのお店です。オープンしたばかりでも、遠方から訪ねる客も多い程に人気を博しています。
すっきりとした店内には、今出川通に面したカウンター席があり、とびきり美味しいパンやケーキを、香り高い珈琲とともに頂けます。
出典: 店内には、種類豊富なパンや焼き菓子がずらりと並び、ショートケーキには、見目麗しいケーキがバラエティ豊かに並んでいます。
出典: 店一番のお勧めは、「達人ロール」。特製石窯で焼き上げたスポンジは、肌理細やかでしっとり。巻き込まれた生クリームとカスタードクリームは、食感滑らかで、風味豊か。店主の腕の良さ、完成度の高さがしっかりと伝わる逸品です。
出典: 百万遍交差点から今出川通を東に直進して10分程にある「くらり食房」は、手頃な値段で、とびきり美味しいランチや晩御飯が頂けると評判の店。古い民家を改装した店内は、カフェスタイルで、ゆったりとまったりとした雰囲気。
メニューは、ハンバーグや鶏の唐揚げ、カレーなどの洋食がメイン。ランチや晩御飯のセットメニューは、野菜をたっぷりのサラダや副菜がしっかりついて、栄養のバランス良く、美味しいと評判です。【画像は、ランチの「ミンチカツ」。】
元田中 / 洋食・欧風料理(その他)
- 住所
- 京都市左京区浄土寺西田町115番地
- 営業時間
- 18:00~24:00(L.O)
- 定休日
- 木曜日
- 平均予算
- ¥1,000~¥1,999 /~¥999
データ提供: Asian chample foods goya (アジアン チャンプルー フード ゴヤ)
出典: 「Asian chample foods goya」は、京都府内では珍しい沖縄料理・アジア料理のレストラン。京大生や地元の方々はもちろん、府内にファンも多い人気店です。
店舗は、1階2階に座席のある一軒家。先に紹介した「くらり食房」と同じ今出川通沿いの並び、東側数軒先に店舗があります。店内は、ゆったりとくつろげる、アジアンテイストのカフェスタイル。
出典: フードメニューは、沖縄直送の食材と地野菜を使った「ゆし豆腐」や「ゴーヤーチャンプルー」、「沖縄そば」といった定番沖縄料理各種の他、「トムヤムクン」や「トルティーヤ」といった、季節の食材やスパイスを効かせた、オリジナルテイストのアジア料理です。
野菜も香辛料もふんだんに使った料理は、見た目も味も麗しく、ボリュームも満点。財布にも優しく言うことなし。「海ぶどう丼セット」や「琉球ポークカレー」等などのランチなら、さらにお得に味わえます。
【画像は、6種の日替わり惣菜のプレート(味噌汁付き)の「日替りのチャンプルーランチ」。】
出典: 「goya」では、手作りのデザートも見逃せません。
「泡盛レーズンアイス」や「月桃チーズケーキ」、季節のデザート等のオリジナルスウィーツが、常時数種用意されています。
また、沖縄のさんぴん茶やゴーヤ茶、オーガニックコーヒーやフルーツジュース等などのソフトドリンク、ビールや泡盛、カクテルも種類豊富。一品料理、おつまみも多種多様に揃っているので、昼夜問わずに楽しめます。
出典: 「グリーンカナリー」は、白川通今出川交差点からほど近く。神楽岡通り沿いのマンションの1階にある、紅茶が美味しい喫茶店です。店内は、上品で落ち着いた雰囲気。今出川通から一本入るため店内は、いたって静か。ゆったりと一時を過ごせます。
出典: 厳選された茶葉を用いた紅茶は、香り豊かと評判です。
サンドイッチや自家製のケーキ、ドリンクとセットになった「パスタランチ」もあるので、吉田山散策の休憩時やランチタイムに便利。静かに過ごした方にお勧めのお店です。
【画像は、ポットで供される「アッサムティー」と「ディンブラ」。】
元田中 / 喫茶店
- 住所
- 京都市左京区浄土寺西田町88-1
- 営業時間
- 10時から19時
- 定休日
- 水曜日
- 平均予算
- ~¥999
データ提供:
鳥の囀り。木立を渡る風の音。
道の辺の地蔵。キャンパスのイタズラ書き。
テーブルのソース瓶。年季の入った暖簾。
町家が続く路地。居眠りする猫。
出典: 疲れた身体に心地良く響くのは、そんな何気ない景色や自然の音。
ここは、ちょっとした“おとぎの国”。一味ちがう京都が味わえる町です。
日常や観光に疲れたら、ぜひ「百万遍・吉田」界隈へ。
“観光”という視点を変えてみれば、京都旅はもっと楽しくなるはずです。
【京都大学のシンボル「時計台記念館」】