光そのものを本尊とする青蓮院では、門前の楠木が壮麗にライトアップされます。路地行灯に灯された長屋門へと続く石段は、闇夜と光が織りなす幻想的な世界が広がる境内への誘導口です。

青蓮院境内には、室町時代に活躍した絵師、相阿弥が製作した池泉回遊式庭園があります。しんと静かな夜の庭園が、七色に輝くライトを浴び、静寂と光が融和した幻想的な空間へと変貌します。

浄土宗の開祖者、法然上人によって創建された知恩院の三門は、国宝に指定されており、圧倒的な存在感を放っています。東山花灯路でライトアップされた知恩院三問は、堂々たる佇まいで荘厳な姿を見せてくれます。

三門へと続く石段を、路地行灯がやさしく照らします。路地行灯をよく見てみましょう。ひとつひとつ異なる絵柄が描かれており、どれも和の風情を醸し出す素晴らしい作品であることが分かります。

国の名称に指定されている円山公園は、お花見のシンボル・祇園枝垂桜と美しい池泉回遊式の庭園があります。日中は大勢の観光客で賑わう公園内も夜が更けると静寂に包まれ、やさしい灯りが、幽玄閑寂とした雰囲気を作り出しています。

ねねの道とは、円山公園と高台寺を結ぶ細い路地でで、いつも大勢の観光客で賑わっています。ずらりと並ぶ路地行灯が、路地の両横に軒を連ねる古い町屋の魅力を引き立てています。

ねねの道周辺では、東山花灯路では、花灯路の風物詩、「狐の嫁入り」行列が現れます。暗い夜道を力車に引かれて過ぎ去ってゆく狐の花嫁が、いったい何処へ行くのか気になりませんか。

いつも大勢の参拝客で賑わう高台寺境内は、東山花灯路の時期になると、普段とは異なる風情を見せてくれます。波一つない臥龍池の水面は、ライトアップされた樹々を鏡のように映し出し、臥龍池周辺は、この世のものとは思えないほど荘厳で静謐な空間が広がります。

白砂や石で山や水を表す枯山水の庭は日中とはガラリと趣を変えます。色とりどりの光を白砂が反射し、境内には美しいモダンアートが現れます。

高台寺境内にある竹林も必見です。天を覆う背の高い青竹の葉がライトを浴びて輝き、漆黒の闇夜に浮かび上がる様は幻想的で、この世のものとは思えないほどの美しさです。

天下を統一した豊臣秀吉の正室、ねねが半生を過ごした園徳院境内も東山花灯路の時期は、普段と異なる風情を見せてくれます。

枯山水の庭と、庭を取り囲む樹々が七色のライトを浴び、まるで絵葉書のような景色を作りだしています。

東山花灯路では、京都いけばな協会が提供する壮大な生け花が随所に並びます。日本が誇る伝統文化、生け花の美しさに魅了されてみませんか。