美瑛といえば、一面に広がるお花畑、広大な丘陵地帯を思い描く方も多いかもしれませんが、美瑛町は「温泉地」という別の顔を持っています。2000メートル級の山々が連なる十勝岳連の主峰、十勝岳麓には、温泉が豊富に湧き出しており、温泉地として賑わっています。

白金温泉からほど近い十勝岳展望台からは、標高2077メートルの十勝岳を間近に臨むことができます。噴煙を上げる十勝岳や他の2000メートル級の山々からは、大自然の美しさと同時に畏怖さえも伝わってきます。

白金温泉から2.5キロメートル離れた場所には、湖面がコバルトブルーに輝く青い池があります。青い池は、もともとは十勝岳が噴火したときの火山泥流を防ぐための堰堤として作られた人造池です。しかしながら、コバルトブルーに輝く水面と、立ち枯れとなった白樺やカラマツの木が織りなす幻想的な雰囲気を持つ青い池は、人工物と思えないほど美しく、神秘ささえも感じます。

夜になると青い池は日中とは全く異なる姿となります。漆黒の闇夜に、ライトアップによって照らされた立ち枯れの木が白く浮かび上がり、波一つない池の水面が鏡のように立ち枯れの木を映し出しています。その姿は、立ち枯れの樹々がまるで宙に浮いているかのようにも見えます。

青い池は、美瑛が一面の銀世界となる真冬でも、美しい姿を見せてくれます。降りしきる雪の中、青白く輝く凍りついた湖面に立ち枯れの木が並んでいる様子は幻想的で、寒さを忘れていつまでも眺め続けていたくなります。

白金温泉郷をとうとうと流れる美瑛川に架かるブルーリバー橋からは、白ひげの滝の全景を眺めることができます。渓谷の隙間から湧水のように幾筋にも流れ落ちる滝水は、白く輝く絹糸のような美しさです。

森の中にひっそりと佇む窯元ギャラリー皆空窯。ここは、ドラマの撮影で使われたマグカップが売られています。ギャラリー内には、マグカップをはじめ、土の温かみを感じ取ることができる陶器がずらりと並んでいます。使えば使うほど味わいが増してゆく陶器のマグカップは、お土産にぴったりです。

美瑛産のニンジンと小麦粉で作られたニンジンのパウンドケーキ。美味しい上に、日持ちがするのでお土産にぴったりです。

美瑛選果のレストラン、アスペルジュでは、美瑛産の20種類の野菜を使ったフランス料理のコースを食べることができます。

コースのメイン料理となる、牛フィレ肉のステーキも、もちろん地元北海道牛が使われています。

なだらかな丘陵地帯に広がる「四季彩の丘」は7ヘクタールの敷地面積を誇る広大なお花畑です。初夏から晩秋にかけて、ラベンダー、ヒマワリ、コスモスといった約30種類にも及ぶ花々が大地を覆い尽くします。

東京ドーム3個分もの大きさを誇るお花畑に、色とりどりの花が咲き誇る様子は、まるで大地に虹色の絨毯を敷き詰めたかのようです。

美瑛屈指の景勝地、新栄の丘は夕景が美しいことでも知られています。沈みゆく太陽、夕陽を浴びて赤く染まった空、黒いシルエットとなった樹々や十勝岳連峰が融和した景色は、刻一刻と表情を変えてゆき、瞬きをすることさえ惜しくなるほどの美しさです。

澄み渡った空気が広がる新栄の丘では、夜になると満天の星空となります。手が届くのではないかと錯覚するくらい明るく輝く星明かりの下で眺める夜空は、プラネタリウムのようです。