出典: 京ことばではお茶のことを「ぶぶ」または「おぶぶ」といいます。そのため京都ではお茶漬けのことを「ぶぶ漬け」と呼んでいます。
出典: 京都で「ぶぶ漬けどうどす?」と言われたら「どうぞお帰り下さい」の意味である…というお話は有名ですが、実はそうではありません。京都はもともとおもてなし精神の高い土地柄。京都人として「何もありませんがどうぞゆっくりしておくれやす」という気持ちの現れとも言われています。そんな逸話が出るほど京都にはお茶漬け文化が根付いているのですね。
出典: 京都の食文化のひとつ、お漬物。良質で個性的な京野菜から生まれるお漬物は、その野菜本来の食味や色彩をそこなわずまさに「はんなり」といった味わい。少し酸味の効いたあっさりとした風味はご飯のおともというよりは献立の一品。お茶漬けにも欠かせない存在となっています。
白ごはんとお茶にお漬物や佃煮…本当にシンプルなお食事だけど、それだけに素材の良さはもちろん、本来の味わいを実感できるのではないでしょうか。そんなおいしいお茶漬けを食べることができる名店3軒をご紹介します。
自家製のぬか漬けでいただくお茶漬けでほっこり「丸太町十二段家」
出典: 大正時代、初代が営んでいた甘味処で祇園の旦那衆にふるまっていたお茶漬けから始まった、京都のお茶漬け専門店として有名なお店「丸太町十二段家(まるたまちじゅうにだんや)」。
とても人気があるため並ぶことも多いようですが、ぜひその雰囲気とともに楽しんで。
出典: 昔懐かしい民家の佇まい、丸いちゃぶ台、さりげなく配置された調度品はどれもが品が良く、日本っていいなぁとしみじみ。時間を忘れてしまいそう。
出典: 一番人気の「元祖お茶漬け・すずしろ」はおひつに入ったごはんに季節のお漬物、ふわふわのだし巻と赤だし付き。シンプルな献立が逆にとても贅沢に感じます。
出典: 酸味を効かせ塩分控えめに漬け込んだ季節感あふれるお漬物は、素材本来の味わいを感じさせてくれます。お野菜によって食感も全く違うので飽きることがありません
出典: 米は新潟コシヒカリでおかわり自由。お漬物とごはん、どちらの味も引きたたせる薄めのほうじ茶で。
和モダンな空間で絶品鯛茶漬けに舌鼓 「鯛匠HANANA」
出典: 京都屈指の観光地・嵐山のメインストリートにある「鯛匠HANANA(タイショウ ハナナ)」は、鯛茶漬けが人気のお店。シーズンオフの平日が狙い目です。
出典: 暖簾をくぐって石畳の道を奥へ。隠れ家への入口みたいでなんとなくテンションが上がります!
出典: 1Fのカウンター席はこんな感じ。目の前の紅葉が四季の移り変わりを楽しませてくれます。
出典: 鯛茶漬け御膳は鯛の薄造り、京野菜の炊合せ、鯛を使ったおかず一品、お漬物にデザートの甘味付き。ひとつひとつが上品に盛り付けられてちょっとした懐石風!一見少し物足りないかな?と思いきや意外とボリュームがありますよ。
出典: 鯛の薄造りは胡麻だれ仕立て。まずはそのままお刺身として、次にご飯にのせて漬け丼風に。ごはんはおかわり自由なので気にせず食べ進みましょう!
出典: 最後のお楽しみの鯛茶漬けは薄めの煎茶で。胡麻だれのコクと風味が程よく溶け合って大満足のお味。
お洒落なカフェで京名物おじゃこのお茶漬けを「カフェレストランやよい」
出典: 八坂神社のほど近く、ちりめん山椒で有名なやよい本店。京都のお土産としてももちろんおすすめですが、こちらの離れに併設したカフェが素敵なのです♪
出典: やよい本店の奥、うなぎの寝床の廊下を進むとそこは伝統的な数寄屋造りの建物とは一転、木のぬくもりを感じる北欧風のインテリアがお洒落なカフェスペース。
出典: ご自慢のおじゃこと数種類の佃煮をちょっとずつが嬉しいお茶漬け膳。他におばんざいと汁物、デザートも付いてます。もちろんご飯はおかわり自由です!
出典: 京都のちりめん山椒は煮詰めてしっとりしたタイプではなく、実山椒を効かせてパラパラに仕上げた大人の味。ちりめんじゃこの柔らかさもしっかり残っています。
ひとくちにお茶漬けといってもトッピング次第で全く違う味わいに。京茶漬けの定番はもちろんお漬物ですが、今回は京都らしさを感じさせつつ、ちょっと変わり種の逸品をご紹介します。ご自宅用はもちろん、おみやげにも喜ばれますよ。
やさしい味わいの湯葉と山椒の香りがたまらない!「三田久のゆばちりめん」
出典: 生ゆばとちりめんじゃこ、実山椒をあっさりと炊合せた上品なお味。もちろんそのままあつあつのご飯にのせても美味しい。
料亭がつくる、贅沢なお茶漬け「和久傳の穴子茶漬け」
出典: 穴子を風味豊かに煮詰めた穴子茶漬け。香ばしい風味がふわっと香ります。
出典: 京都独特のお漬物、すぐきで有名ななり田さんで販売されている「お茶漬けまめ」は、芳ばしい煎り豆に醤油をからませ、鰹と昆布の風味をつけたもの。混ぜご飯にしても美味しいのだそう。
出典: お茶漬けのトッピングと一緒に京都のお茶もいかが?ということで、言わずと知れた京の茶匠一保堂。全国各地でも買えるけど、時間に余裕があればぜひ本店にも行ってみてください。本店限定の茶缶もありますよ♪
出典: お馴染みのレトロなデザインの茶缶。ちなみに京都の料亭さんでもこちらのお茶を出されるところが多いんですよ。
出典: 明治から続く柳桜園茶舗。もともとは千家の御用達の抹茶専門店。お店の中で石臼で挽いている抹茶の香りに癒されます。
出典: おすすめは雁がねほうじ茶。苦みが少なく、甘味のある上品なお味が人気です。お茶のおいしさももちろんなのですが、鳥獣戯画の茶缶がこれまた素敵でしょ?
京都市役所前 / その他
- 住所
- 京都市中京区丁子屋町690
- 営業時間
- [月]
09:00 - 18:00
[火]
09:00 - 18:00
[水]
09:00 - 18:00
[木]
09:00 - 18:00
[金]
09:00 - 18:00
[土]
09:00 - 18:00
[日]
定休日
- 定休日
- 日曜日
- 平均予算
- ¥2,000~¥2,999
データ提供: お茶漬けに使うお茶は煎茶(緑茶)とほうじ茶、どちらが良い?
出典: 今回ご紹介したお茶漬けのお店でも、ほうじ茶をかけるところ、煎茶をかけるところがあるようです。おそらくそれぞれの具にあったお茶を選んでいるのでしょう。ただ、共通しているのはいずれも薄めのお茶を出していること。お茶の風味が食材の味を邪魔しないよう考えられているんですね。
出典: ほうじ茶は高温で焙煎しているため、渋み成分のカテキンやカフェインが少ないそう。朝やお昼は緑茶で、お夜食や脂っこい食事の後はほうじ茶を、のように使い分けても良いかもしれませんね。
京ことばではお茶のことを「ぶぶ」または「おぶぶ」といいます。そのため京都ではお茶漬けのことを「ぶぶ漬け」と呼んでいます。