「読んだつもり」はもうやめよう!
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そもそもなぜ本を読んだはずなのに、その内容を上手く言葉にできなかったり、忘れてしまったりするのでしょうか。それは、内容が知識としては一切定着していないからかもしれません。定着させるためには、本の選び方や読むための環境づくり、読みながら意識するポイントなどに気を付ける「読書術」を身に付けることが大切です。ただ文章を読むのではなく、知識として咀嚼し、蓄えるためのコツをご紹介します。
「好き」と「難しさ」がポイント!本の選び方
1.出会いを大切にしつつ、その本が「好き」か見極めよう
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飽きているのに最後まで読み続けようとしたり、なんとなく惰性でページをめくり続けたりしていませんか?読んだ内容がすぐに頭から抜けてしまうのは、そもそもあなたがその本自体に興味を持っていないからかもしれません。「面白い」であったり、「もっと続きを読みたい」といった感情を抱ける「好き」なものは、自然と頭に入ってくるはずです。
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とはいえ、本当に好きな本というのは、なかなか見つからないもの。心を動かす物語がたくさん見つかる人もいれば、読書に興味がなかったのにたった1冊に人生を変えられる人もいます。だからこそ、本との出会いは大切。面白くなかったら、また次を手に取っても大丈夫。そのうち興味を持てる何かが見つかるはずです。
2.芋づる式に好きな本を掘り当てていこう
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本当に興味を持てる本が見つかったら、次はその参考文献や、同じジャンル・分野・著者のものを探してみてください。立て続けに読むことで興味が持続し、それまで読んだ内容もより理解を深めることができる場合があります。その中で、さらに好きになれる1冊に出会えるかもしれません。
3.自分にとって最適な難しさは、意見が言えるかどうか
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身になる読書をするためには、その内容を理解できるか、難しさはどうかというポイントも大切です。しかし本当に理解できるかどうかは、実際に読んでみなければ見極められないもの。そこで判断する一つの基準として、最初の数ページを読んでみて、その内容を理解して共感したり、意見が言えたりするかどうかを考えてみてください。もし合わない、難しすぎると感じるようなら、途中で読むのを辞めても大丈夫。次のより簡単な本を探してみましょう。
STEP1:読書のための環境づくりをしよう
だらだら読書はNG!
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本の内容への理解を深めるのは、何よりも自分が集中することです。しかし、人間が集中できる時間には限りがあると言います。時間を決めずにだらだら読書をすると、途中で集中が切れてしまうことになり、深い理解にもつながりません。ですので読書の際には、15分や30分などある程度時間を決めてから始めてみてください。
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この読み方は、スキマ時間を活かすのにも最適です。朝出勤するまでの時間、勤務先へ行くまでの時間、昼休憩の時間、夜寝る前の数十分間……など、ちょっとしたスキマを活用する意識を持って取り組んでみましょう。
集中する時間は邪魔されないよう注意
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途中で呼び出されたり用事があったりして切り上げざるを得なくなると、せっかくの読書時間が台無しになってしまいます。本当に身になる読書を追求する方は、何があってもその時間は読書に専念できる、という環境を作ってから取り掛かりましょう。質の高い集中を保ち、あなたが本来持っている理解力を引き出すことができます。
読書習慣という集中力のスイッチを作っておこう
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スキマ時間を活かして読書をする場合は、うまく心の状態を切り替えて読書に臨まなければ、集中にはつながりません。そこで、活用できる時間を読書時間として習慣化してみましょう。この時間になったら、この場所に来たら読書をする、ということを無意識にできるようになると、自然と集中しやすくなるはずです。
STEP2 :読み方を工夫してみよう
読む目的を明確にしよう
純粋に楽しむなら、素直な心の動きを大切に
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小説などにおいて、臨場感あるストーリー展開や、登場人物の心情の変化などを楽しみたい場合は、自分の心に素直に読み進めてみてください。だからといってただ読むのではなく、自分の心の変化を敏感に察知することが大切。この登場人物がこんな行動をした時に悲しくなった。この伏線は、こんな展開に繋がっていたのかと驚いた……。その感情を忘れないために、途中で感想を書き留めておくのもおすすめです。
言葉や文章を味わうなら、拾い読みもおすすめ
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文学作品の場合、物語の展開よりも、文章の表現や言葉選びの美しさに重きが置かれていることがあります。純粋にそれを楽しむなら、適当なページを開いて、適当な段落から読み始める「拾い読み」を試してみてください。文学作品は文章が難しく、なかなか読み進められないという場合もありますが、この方法なら無理なく作品の魅力に触れることができます。
大筋をつかみたい時は、変則的な読み方に挑戦
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実用書やビジネス書の場合は、著者が主張したいことと、その根拠を抑えることが大切です。そのため極論を言ってしまえば、だらだらと1冊まるごと読む必要はありません。素早く読む「速読」や、要点だけを見つけて読む方法のほうが、より分かりやすいこともあります。前書きなどを読んで、どんな読み方が最適か自分で探ってみてくださいね。
仕事や趣味などに役立てたい時には、少し難しい内容も◎
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難しすぎない内容は本への理解を助けてくれます。しかし仕事や趣味などのために新しい知識を得たい時には、少し難しい内容にチャレンジしてみるのもOK。何度か読み返さなければ咀嚼できない難しさのおかげで、逆に内容が頭に入ってくれ、必要な情報も得やすくなります。
同じジャンルや著者の本を併読してみよう
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小説でも実用書でも、同じ著者やジャンルの本を併読することが、深い理解を助けてくれることがあります。例えば実用書なら、同じジャンルのものを読むことで、同じテーマでも違った側面が見られたり、補足情報が見つかったりと新しい発見があるはず。小説なら、同じ著者の物語を読むことで、その著者が抱いている疑問や意図、思いなどが浮かび上がってくるかもしれません。
読みながら本に書き込みをしてみよう
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本好きの方にとって抵抗感のある、直接の書き込み。読みながら感じたことをメモしたり、重要だと思ったことにラインを引いたりすることは、確実に理解を助けてくれます。読後、ほかの媒体に書き留めているという方もいらっしゃるかもしれませんが、読書中に感じたことは、できるだけその時にアウトプットするのが◎。読みながら別の行動をすることで、記憶にも残りやすくなります。書き込み用の本を買って、ぜひ一度試してみてください。
STEP3:読後を大切にしよう
本当の理解のためには、アウトプットが必要不可欠
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SNS、日記、手帳、誰かとの会話……。読んだ本の内容は、どんな媒体でもいいので形に残すことが本当の理解につながります。特におすすめしたいのが、SNSや誰かとの会話。自分の頭を通して内容を伝えることで理解が深まるだけでなく、誰かからの反応が得られるので読書体験が楽しいものになり、より記憶に残りやすくなります。
アウトプットでは「要約」と「伝えたいポイント」を明確に
「要約」で大まかな内容を把握し直そう
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どんな媒体を使う場合でも、誰かに何かを伝える時には分かりやすさが大切です。自分が理解しているかを確認するためにも、読んだ内容を簡単に要約してみましょう。理解が浅かったところ、よく分かっていなかったところが明確になり、相手にも伝わりやすくなります。
感じたこと、考えたことを「伝えたいポイント」に
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何より大切なのは、要約した内容に対してあなたがどう感じたか。疑問を持ったことでも、心がゆさぶられたことでも、相手に伝わるように言葉にしてみてください。あなたの心の動きに深くつながっている部分をアウトプットすることで、自分の気持ちが明確になり、「本の内容を忘れてしまった…」といったことも起こりにくくなります。
2回、3回と読み重ねるのもおすすめ
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アウトプットまでに時間がかかりすぎる、もしくはうまく言葉にまとめることができないという時は、無理にアウトプットする必要はありません。代わりに、同じ本を2回、3回と繰り返し読み込んでみてください。同じ言葉でも、読み重ねるごとにその意味が分かるようになり、著者の意図も気付けるようになるかもしれません。
ポイントをつかんで、もっと読書を楽しもう!
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本への理解を深めるのに役立ってくれる、「読書術」。今回ご紹介した方法にはそれほど難しいものはないので、ぜひ明日からいつもの読書に取り入れてみてください。これまでも楽しかった読書がさらに楽しくなり、ゆくゆくは学んだことが人生のどこかで役に立ってくれるかもしれません。