癒されたい……そんな時はやっぱり猫が効く
見て読んで癒される「猫の本」おすすめ15選
①猫の魅力がダイレクトに伝わる「写真集」
猫と暮らす家族の幸せな日常を体感できる本
まるで世界を旅した気分。猫写真家が写す、猫と人の素敵な関係
■『スタンド・バイ・ニャー 岩合光昭写真集』岩合光昭(辰巳出版)
猫好きならば知らない人はいないのでは? と思うほど猫界隈では超有名な猫写真家、岩合さん。彼の猫の写真集は数多く出版されていますが、これは「猫と人の共生」をテーマにしたもの。猫と人が寄り添い、信頼しあいながら共に生きている姿。信頼する人の前で猫はのびのびと生き、愛しい猫の前で人は穏やかで幸せな時間を過ごす。世界34カ国の様々な美しい風景も素敵ですが、場所は違えど人と猫の関係はさほど変わらないのだなと、なんだか嬉しくなってしまう一冊です。
猫の天国があるならば、きっとこういうところ
■『9匹のねこが暮らす森のカフェの12ヶ月』ももとみらい(KADOKAWA)
北海道の森の中にあるカフェに住む9匹の猫たちと、森の生き物達との暮らしを紹介している写真集。広大な庭を駆けまわり、遊び疲れたらお家に帰ってひとやすみ。猫たちののびのびとした自由気ままな姿を楽しむことができる一冊。四季折々の自然の美しさ、手作りお菓子や素敵なインテリア、まるで海外の絵本のような風景に思わずため息が出ます。それぞれの猫の紹介文からも愛情が伝わってきて、大切にされているのだろうなと思わずにはいられません。北海道を訪れた際には是非立ち寄りたい場所です。
②子供と一緒に楽しめる「絵本」
子供と一緒に読みたい、心温まるねこの絵本
■『なまえのないねこ』竹下文子 著、町田尚子 絵(小峰書店)
数多くの賞を受賞した本書。名前を持っているまちのねこたちを羨むひとりぼっちのノラ猫が、自分の名前を探しているうちにほんとうに欲しかったものに気づく……。 読み終わった時によかったと心がじんわりして、いつもより人に優しくなれる気がしてくる、そんなお話です。ストーリーも秀逸ですが、絵がとても繊細で本当にこの猫が存在するのではと思ってしまうほどリアルな描写。子供と一緒に読んだなら、「あなたの名前はね……」と大切な名前の由来をきっと伝えてあげたくなるはず。
最後まで素直になれないオヤジに涙が止まらない
■『私はネコが嫌いだ。』よこただいすけ(つちや書店)
まるで昭和の頑固オヤジのような風貌の「私」の家に、娘がちいさな黒猫を連れ帰ってきた。ネコによって荒らされる日常に憤慨しながらも日々は過ぎ、いつか必ず訪れる別れ。その時「私」は……。読む前と読んだ後で言葉の意味が全く違うものになるという不思議を体験できる、大人のための絵本です。なお、私はこの絵本をつい立ち読みしてしまい、本屋さんで号泣しながらレジに並んだ経験があるのでくれぐれも真似しないよう気をつけてください……!!
人間のきょうだいにも通じる猫の健気な想い
■『ねえだっこして』竹下文子 著、田中清代 絵(金の星社)
今までは好きな時にだっこしてもらっていた猫。けれど、赤ちゃんが産まれてからはそこは赤ちゃんの場所になってしまい……。だっこして欲しいのになかなか伝えられずに強がる、猫の健気な姿に心を打たれます。最後の場面でつい微笑んでしまいますよ。猫を先に飼っていて同じ状況の方はもちろん、2人目の赤ちゃんが産まれた方へもおすすめ。上の子の気持ちもきっと猫と同じはず。ずっと大切に持っておきたい一冊です。
③クスッと笑える面白さ。あるある「漫画」
関西弁で話す猫にクスッと笑えて癒される
■『まめねこ あずきとだいず』ねこまき(さくら舎)
飼い主さんのもとへやってきた「あずき」と「だいず」の2匹のねこ。クセが強い家族となぜか関西弁の猫が紡ぐドタバタの日常に、ふふっと笑みがこぼれてしまいます。ゆるくありながら猫の動きを余すことなく表現しているイラストの可愛さったら!!猫を飼っている人ならばきっと一度はこの漫画の猫たちのセリフをアテレコしてみたくなるはず。
猫飼いあるある満載のほっこり4コマ漫画
■『拾い猫のモチャ』にごたろ(KADOKAWA)
その希少性から、幸運を招くと伝えられるオスの三毛猫。それがモチャ。家族と猫の、さりげなくも幸せな日常を描いた4コマ漫画。猫を飼ったことがある人ならば「あるある~」と首がもげるほど頷きながら、そしてクスクス笑いながらあっという間に読み終わってしまうはず。特にお父さんの猫愛が深すぎて読んでいて切なくなるほど。最後に出てくる白猫ミルクや、5巻から登場するノリ吉もそれぞれ見逃せません!
応援したくなる主人公の猫への不器用な愛
■『猫奥』山村東(講談社)
江戸時代、大奥。大の猫好きなのに怖い顔のせいで猫嫌いだとまわりに勘違いされた滝山が、猫の吉野ちゃんに振り回される歴史コメディ。歴史も猫も両方好きな人には垂涎ものの一冊です。とにかく主人公滝山の猫への悶々とした熱い想いと表情とのギャップに笑わされます。吉野ちゃんのでっぷりとしたモフモフ加減もたまりません。それぞれのストーリーが短いのでサクッとどんどん読めちゃいますよ。
④猫のリアルな描写が魅力的な「小説」
こんなにも猫に愛されているなんて知らなかった
■『あたしの一生: 猫のダルシーの物語』ディー・レディー 著、江國香織 訳(小学館)
猫と人間の出会いから別れまでを、猫の視点で描いた作品。 著名な小説家でもある江國香織が翻訳し、その繊細な日本語で紡がれた愛の物語です。猫を飼っている人ならば「ああ、こういう時うちの猫はこう考えているんだ、こう想ってくれているんだ…」と、希望や切なる願いも込めつつ、ダルシーに飼い猫を重ねながら読んでしまうこと間違いなし。読み終えた時にはますます猫の事が愛おしくてたまらなくなっている。そんな一冊です。
現実とファンタジーが混ざり合う不思議な世界
■『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』万城目学(KADOKAWA)
小学一年生のかのこちゃんの成長と、猫のマドレーヌ夫人の冒険の物語。子供たちの行動や猫同士で繰り広げられる会話が面白おかしく描かれていて、かつ著者の得意とするファンタジーもしっかりおさえつつ、ラストにはホロっと泣かされる。その場面が思い浮かぶような情景描写が素晴らしく、油断していると不思議な万城目ワールドへとどんどん引きずり込まれてしまいますよ。
あなたの家の猫ももしかして。恐るべし猫の企み
■『猫語の教科書』ポール・ギャリコ 著、灰島かり 訳(筑摩書房)
とある有能な猫によって書かれた猫のためのマニュアル。そこには、猫が快適な生活を送られるようにどうやって人間をしつけるのか、という衝撃的な内容が……。我が家の猫も実はこのマニュアルを読んでたりして、と思いを巡らせつつ猫の本心を垣間見れるとワクワクしながら読み進めると、実は人間がどのような生き物であるかを猫目線でまんまと思い知らされることとなる。この著者は他にも面白い猫の小説をいくつか書いているので、興味があれば是非読んでみることをおすすめします。
⑤著者の猫愛がビシビシ伝わってくる「エッセイ」
前向きな猫の姿に気付かされる大切なこと
■『猫は、うれしかったことしか覚えていない』石黒由紀子 著、ミロコマチコ 絵(幻冬舎)
猫は、楽しかったり美味しかったり嬉しかったり。そういった事は忘れないけれど、反対に苦しかったことは忘れてしまうという。そんな前向きに生きていく猫の姿にハッとさせられるようなエッセイ。ユーモアたっぷりに描かれたエピソードは、読んでいて飽きません。生まれ変わったら猫になりたい……改めてそう感じさせてくれる、猫好きにはたまらない一冊です。
さすがの表現力と観察眼に猫マニアですら感心する
■『今日も一日きみを見てた』角田光代(KADOKAWA)
直木賞作家が描く、猫のいる日常。こんなに著名な人でも猫に対してのそれは私と全く同じなんだなあと、ニヤリとするフォトエッセイ。そうそう、猫に出会う前と後では世界の見え方が変わるのよ、と。ひとつひとつのエピソードが短く、それでいてそれぞれきちんと起承転結でまとめられているので非常に読みやすい。そしてこの本を読んだが最後、あなたも猫を飼いたくなること間違いなしの危険な一冊です。
世にも珍しい猫歌集。猫のいる家で読む事をおすすめします
■『猫のいる家に帰りたい』仁尾智 著、小泉さよ 絵(辰巳出版)
猫の習性や笑える話、ほっこりするエピソード、著者の猫への優しくて深い愛。世界初の猫歌人と呼ばれる著者の短歌とエッセイ、猫イラストレーターの可愛らしいイラストで小気味良く綴られています。普段そこまで短歌になじみのない人でも、猫を介すことで身近に感じられ、ポンポンと楽しく読めるはず。そしてもしこの本を外で読んでいたのなら、本当にすぐにでも猫のいる家に帰りたくなるでしょう。いえ、確実にそうなります。
■『みんなの猫暮らし 家族と猫の、いとおしい日々。』SE編集部(翔泳社)
「猫との暮らし」をテーマに、10名の人気インスタグラマーさんの写真をまとめたフォトブック。10の家庭それぞれでの猫のいる生活風景、そして猫と家族の幸せなやりとりを眺めているうちに、いつのまにかほっこりと心が温まる。そんな温もりの感じられる一冊です。ゆったりとした時間の流れる猫との暮らし。その幸せを体感できますよ。