身を守るには知ることが大切
子供と一緒に考える「防災の本」15選
①子供にやさしく伝える絵本
イラストとしかけでやさしく解説
避難訓練の大切さを伝える
『はなちゃんの はやあるき はやあるき』宇部京子 著、菅野博子 絵(岩崎書店)
東北地方太平洋沖地震で、岩手県野田村保育所は津波から園児も職員も全員が逃れました。著者である宇部京子さんはその実話をもとに絵本を作りました。奇跡の脱出ができた理由は、保育所で毎月の避難訓練をしていたから。園児たちの真剣な姿が想像できます。避難の大切さを子供にもしっかり伝わる一冊です。
自分の身は自分で守る
『じしん・つなみどうするの?やさしくわかるぼうさい・ぼうはんのえほん』WILLこども知育研究所 著、国崎江 監修、せべまさゆき 絵(金の星社)
突然やってくる地震。後から津波や火山の噴火が起こることもあります。建物はどうなるのか?車はどうなる?大人が一緒に居ない時に起こったら、自分たちはどうしたらいいか?備え方から避難の仕方まで自分自身で身を守る方法をイラストでわかりやすく解説しています。
②地震が起きたらどうなるの?
細かい描写がリアルに伝わる
『地震がおきたら』畑中弘子 著、かなざわまゆこ 絵、谷敏行 原案(ビーエル出版)
小学三年生のけんちゃんと小学一年生のゆうちゃん兄弟が学校で避難訓練をしたことからはじまる話。お母さんは自らの経験から地震の体験を二人に伝えていきます。細かい描写がリアルに心に響きます。身を守るだけではなく、みなで力を合わせることの大切さも教えてくれる絵本。
小中学生が津波から避難した実話
『はしれ、上へ!つなみてんでんこ』指田和 著、伊藤秀男 絵(ポプラ社)
「津波てんでんこ」という言葉は、津波から各自で身を守れということです。この本は釜石の小中学生が坂道を2キロに渡り避難した実話。その時の逃げる様子や小学生の必死に助かろうとする気持ちがリアルに伝わります。わが家は読み聞かせ途中から親子で涙が止まらなくなっていました。子供達は怖いと言いながらも真剣に最後まで聞き、地震が起きたらどんなことをすべきか話し合いました。
過去の歴史から知る
『地図で見る日本の地震』山川徹 著、寒川旭 監修(偕成社)
みなさんは自分の住んでいる地域にきた地震のことを知っていますか?この本では過去の歴史からどのような場所で人々はどう行動したかが解説されています。また、日本列島にあるプレートの影響についての説明もあり、どうして起きるのかを知ることができます。
③いざという時どうしたらいい?
緊急地震速報が出たらどうする?
『みんなの防災えほん』山村武彦 監修、YUU 絵(PHP研究所)
緊急地震速報が出た時、地震が起きた時、どのように行動したらよいかを解説。家に居る時なのか、外に居る時なのか具体的に説明しています。油断できない台風や大雨、竜巻についてもわかりますよ。いつ起きるかわからない災害にどう備えたら良いのか考えさせられます。
人気キャラクターで防災意識を高める
『クレヨンしんちゃんの防災コミック地震だ!その時オラがひとりだったら』永田宏和 監修(双葉社)
クレヨンしんちゃんのコミックで防災をわかりやすく説明。地震が起きたらどうするのか?どうやって逃げるのか?子供自身が考えるようになります。きっかけ作りにおすすめの一冊。
クイズ形式で楽しく学ぶ
『親子でかんがえよう!防災クイズずかん』桶田ゆかり 監修
子供達が楽しめるクイズ形式で地震を学ぶ。絵探しや迷路は、実際に起こることを想像することができますよ。文字数もちょうど良くかわいいイラストもgood!自分を守る方法を自然と身につけることができます。
④知っておきたい子連れ防災
家族が無理なくできる防災術
『全災害対応!子連れ防災BOOK 1223人の被災ママパパと作りました』ママプラグ 著(祥伝社)
東日本大震災で被災した家族の声を取材し、命を守ることの大切さを防災講座や本で伝えているママプラグ。この本では、災害の備えというとどうしてもかまえてしまいがちですが、家族全員が無理なくできるという考えを伝えてくれます。「あのときこうだった」という体験談や災害の後のこと、入れておきたいアプリなどたくさんの子連れ防災術を学べます。
体験者のキモチを知る
『親子のための地震イツモノートキモチの防災マニュアル』地震イツモプロジェクト 著、寄藤文平 絵(ポプラ社)
突然起こる地震だからこそいつも備えておきたい!大人気の『地震イツモノート』の子供版です。何もできない地震の瞬間に何を感じ、何を考えたのか体験者のキモチを知ることができます。備えや対策も参考になり、防災が私たちの生活の一部であることを再認識させられる一冊。
初心者にもわかりやすい
『被災ママに学ぶちいさな防災のアイディア40』アベナオミ 著、絵(学研プラス)
東日本大震災を経験したママである著者が、マンガやイラストでどのようなことが起きるのかを解説。地震当日のこと、時間を追った翌日のことがリアルに伝わります。最初に考えてみるべきことやあのときあってよかったものなどママ目線で初心者にもわかりやすい内容。常に手元に置いておきたい本です。
⑤命の大切さを考える
会えなくなった人へ思いを伝える
『かぜのでんわ』いもとようこ 著、絵(金の星社)
岩手県大槌町のガーデンデザイナー佐々木格さんが、自宅の庭に置いたのは「風の電話ボックス」。それはひとりきりになって、電話をかけるように会えなくなった人へ思いを伝える空間です。実際の電話線はつながっていません。それをもとに生まれたのがこの本です。大切な人への気持ちがいっぱい詰まっています。実話であるからこそ心に響く一冊。
失われた小さな命の物語
『ぼくは海になった 東日本大震災で消えた小さな命の物語』うさ 著、絵(くもん出版)
東日本大震災では多くの動物たちの命も失われました。この本は、津波により海に流されたダックスフントのチョビが、生きている飼い主を見つけて寄りそう話。大切な人やペットを失ったとしたらどんな悲しみが待っているのか考えさせられます。命の重さに気づく本。
子供を必死に守った保育士さんの思い
『笑顔が守った命 津波から150人の子どもを救った保育士たちの実話』あいはらひろゆき 著、ちゅうがんじたかむ 絵(サニーサイド)
大津波に襲われた仙台市中野栄あしぐろ保育所で実際に起きた話です。震災直後、寒くて暗い恐怖の中、笑顔を絶やさず園児のサポートにまわった保育士さん。150人全員が無傷で助かりました。地震が起きた時は「大人が守ってくれるよ」と伝えれば、子供が安心できるはずです。
『ぐらぐらゆれたらだんごむし』国崎信江 著、Meg 絵(東京書店)
さまざまな場面で地震が起きた時、どうしたら良いのかをかわいいイラストでやさしく伝えてくれます。だんごむしのポーズをしたり、逃げる場所を教えてくれたり子供の目線に寄り添った内容がわかりやすい。しかけもあって楽しめるので小さなお子様の読み聞かせにもおすすめです。