心を落ち着ける美しい風景と静かな時間
海や湖の煌めきが恋しい日に
僕の見つめる先に(2014年)
劇中では、レオが訪れるプールや海の場面ごとに揺れ動く気持ちの変化に注目したいところ。きらきらと輝く水面は初恋の気持ちと重なって、より美しく描かれています。
海街diary(2015年)
鎌倉の海辺近くに住む3人の姉妹は、父親のお葬式をきっかけに、腹違いの妹と一緒に暮らすことに。再婚した母親のこと、義母との関係、恋愛...それぞれに悩みはありながらも、時には亡くなった父の思い出話をしながら何気なく海に立ち寄って――。
4人は自分の心の傷としっかり向き合いながら、日々を大切に穏やかに過ごします。姉妹で暮らすことで次第に本来の自分を取り戻していく末っ子・すずの成長と変化にも注目です。
海の見える街で暮らすことの豊かさを存分に味わえる作品です。舞台は鎌倉ですが観光地などは出ておらず、現地での季節の移り変わりを楽しむ人々の暮らしを覗くことができます。美しく煌く波に、「海と暮らすことがどれだけ心を大丈夫にしてくれるだろうか…」と、思わず憧れを抱いてしまうはず*
ホノカアボーイ(2009年)
彼女との旅行をきっかけに、その半年後、ハワイ島の北部ホノカア村で暮らすことになった主人公レオ。そんなある日、村で一番の変わり者と言われるビーというお婆さんに出会います。「毎日ここで夕飯を食べていきなさい」というビーの一言から、彼女の家に通うようになるレオ。そんなゆるやかな日常は、互いの心を癒して優しい気持ちにさせるのでした。
ビーと穏やかに過ごしたりマライアという現地の女の子に恋をしたり...ホノカア村での日々は、レオをどこまでも成長させていきます。
透き通る海と空、彩鮮やかなご飯、ビビットな色の花や草木など、暖かく穏やかなハワイの魅力を存分に感じられる映画です。ゆったりと流れる時間が心を癒してくれる本作は、忙しい日々を送る私たちへのギフトのよう。明日へのパワーをチャージしたいときに、ぜひ選んでみてくださいね。
幻想的な世界観にどっぷり浸りたい日に
ビッグフィッシュ(2003年)
主人公ウィルの父は、自分の人生の回想を面白おかしく話すのがとても得意な老人。未来を予知できる魔女に出会ったり、時には巨人とともに冒険に出かけ戦争へ行き、ひとつの町を買いあげたり...程よいファンタジー要素を含んだ彼の話は聞く人を笑顔にさせましたが、息子だけは何度も聞かされる嘘のような話にうんざり。
そんな父の死期が迫り、「最後なら本当の話を聞けるのではないか」と願うウィルは、疎遠になっていた父のもとへと向かいます。彼は本当の父を見つけることが出来るのでしょうか?
ドリーミーでブラックな発想が唯一無二の世界観を生み出すティム・バートン監督の作品。息子ウィルの気持ちになって見進めていくことで、父親を通して監督の愛をしっかり受け取ることができますよ。最後は心がじんわり温まるハートフルな結末が待っています*
ミッドナイト・イン・パリ(2011年)
主人公は、恋人と一緒にパリへ旅行に来た映画脚本家のギル。彼はある日の真夜中に街をうろついていると、1920年代のパリの世界へと迷い込んでしまいます。しかしその世界で出会ったのは、ヘミングウェイやフィッツジェラルド、ピカソなどの歴史的な芸術家たち。
私生活でぼんやりとした疑問や不安を抱えていたギルでしたが、彼らの生き方や思想から多くの学びを得て、自分らしい生き方を模索していきます。
ウッディ・アレン監督・脚本によって描かれる奇想天外なラブコメディ&ファンタジーです。今も昔も美しいパリの古い街並みとそれを引き立てる音楽は、心を踊らせること間違いなし。ぜひうっとりと世界観に浸りながら観賞してみてください。
壮大な自然に触れたい日に
落下の王国(2006年)
本作で描かれる物語は、大怪我をして彼女を奪われ人生に絶望したスタントマンが考えた空想のおとぎ話。彼は自殺に使用するモルヒネを手に入れるために、好奇心旺盛な少女を操ろうとして自作の話を聞かせるのです。
語り出しは6人の勇者の冒険の物語でしたが、少女との関係性の変化からそれは次第に2人の物語りになり、悲しい結末は希望が差す明るい未来へと変化していきます。
20ヵ国でロケーションされ、CGを使わずに仕上げられた超大作です。ストーリーはもとい、息を飲むほどの映像美には終始目が離せません。チェコのプラハやイタリアのコロッセオなど有名な世界遺産が多く登場するため、自分好みのパートやエリアを探しながら見進めるのもおすすめです。
天空の草原のナンサ(2005年)
モンゴルの遊牧民一家の暮らしを描いたドキュメンタリー風の「天空の草原のナンサ」。大自然で暮らすことの美しさだけではなく、日本にいると決して感じることのできない厳しさや使命なども垣間見ることができます。
己の文化の大切さや家族の絆と日々真摯に向き合って生きる彼らの姿に、自然と心が温まり穏やかな気持ちになれるはず。
本作で登場するのは俳優ではなく、本当にモンゴルで遊牧生活をしている家族。そのため自然と遊ぶ様子、動物との触れ合い方がとてもリアルに描かれています。私たちの暮らしとは大きく違うものの、生き物を尊ぶ精神や文化に対する気持ちなど、共通する学びはたくさん感じられますよ。
本作の主人公レオナルドは、生まれながらに目が見えない盲目の青年。少し過保護な両親と親友のジョヴァンナに囲まれて、毎日変わりない日常を過ごしています。しかしそんな彼の小さな世界は、転校生のガブリエルとの出会いで大きく変化していくのでした。
クラッシック以外の音楽を知ったり初めて映画館に行ったり…レオが過ごすはじめての青春は、時に切なさを漂わせながらかけがえのない煌めきを纏っていきます。