おしゃれ磨きに活用したい。ファッションが素敵な映画
- 寒さに負けない体を目指す!ゆらぎがちな冬のご自愛ケアキナリノ編集部
①キュートな衣装から「こなれ感」のあるコーデまで
お花のようなキュートな双子にくぎ付け『ロシュフォールの恋人たち』
どこを切り取ってもおしゃれで可愛らしい映画ですが、姉妹の恋の行方やすれ違いにハラハラする場面も。ジーン・ケリー、ジョージ・チャキリスのダンスも必見です。『シェルブールの雨傘』がお好きな方にもおすすめの映画です。
ラインの美しいコートと小物使いに注目『シャレード』
【あらすじ】
スイスのスキー場に友人と来ているレジーナ・ランパートは富豪の夫との離婚を決意していた。そのスキー場で偶然出会ったピーターと名乗る紳士と知り合い心惹かれるがパリへ戻るレジーナ。
家に帰ってみると家財道具がすべてなくなり、夫の急死を知らされる。3人の男たちから脅迫を受け、ピーターも事件に絡み、アップテンポにストーリ展開されていくロマンティック・サスペンス映画。
シンプルでラインの美しいコートに合わせる小物使いもおしゃれなのです。イエローのコートは大き目の黒いボタンに合わせて黒のレザー手袋。レオパード柄の帽子と赤いコートの組み合わせもキュート。ヘンリー・マンシーニの曲も素敵な映画です。
こなれ感がかっこいい『俺たちに明日はない』
【あらすじ】
アメリカン・ニューシネマの原点といわれている犯罪映画。舞台は1930年代のテキサス。気が強く、退屈な毎日にうんざりしていたウェイトレスのボニーと、刑務所帰りのクライドが出会い、盗んだ車で逃亡しながら強盗を繰り返していく。壮絶なラストは映画史に残る名シーンとしても有名。第40回アカデミー賞で助演女優賞と撮影賞を受賞。
映画を観ると人気になる理由がわかります。とにかくしゃれている。今でいうこなれ感というのでしょうか。Vネックのセーターにややタイト気味のスカート。そしてベレー帽。黒でまとめた衣装もかっこいいのです。フェイ・ダナウェイの美しさにもうっとりです。
②レトロファッションがお好きなあなたへ
華やかでレトロ可愛い衣装が満載『タイピスト!』
【あらすじ】
1950年代。フランスの田舎町で育ったローズは、故郷を飛び出し、憧れの秘書になるため保険会社に就職する。しかし、仕事は失敗ばかり。クビを言い渡した上司のルイだったが、ローズのタイプライターの早打ちに目を付け、タイプ早打ち選手権に出ないかと提案する。ルイに特訓されながら大会で優勝するため奮闘するローズだったが……。
衣装からも読み取れる主人公の気持ち『ブルックリン』
【あらすじ】
アイルランドの小さな田舎町に住むエイリシュ・レイシーは、食料品店で働きながら母と姉ローズと暮らしていた。ローズのすすめでニューヨークに住み始めたエイリッシュだったが、慣れない生活に落ち込んでばかり。
そんなエイリッシュを元気づけたのはイタリア系アメリカ人のトニーとの出会いだった。エイリッシュは明るさを取り戻し、新しい生活を受け入れ始めた矢先、故郷からの知らせでエイリッシュの生活は一転する。
ホームシックから立ち直り、恋人のトニーと出会う頃からグリーンを着なくなり、50年代のポップで上品さも感じられる衣装に変化していきます。ニューヨークの生活に慣れて洗練されていく姿も見どころの映画です。
60年代のレトロな北欧ファッションにときめく『ストックホルムでワルツを』
【あらすじ】
スウェーデンの田舎町に住んでいるモニカ。シングルマザーのモニカは両親に幼い娘の面倒を見てもらいながら、歌手として成功するためジャズクラブで歌い、電話交換手の仕事もしていた。
スウェーデン語でジャズを歌い始めたことが切っ掛けでスターへの道が開かれていくが、幾多の困難や挫折がモニカを襲う。それでも決して歌うことをあきらめず、やがてスウェーデンの国民的ジャズ歌手になるモニカ・ゼタールンドの半生を描いた映画。
さらに楽しめるのは60年代のレトロな北欧インテリアやファッション。北欧では当たり前にあるキッチンの家具でさえ可愛らしくて見入ってしまうほど。モニカの衣装やスカーフを頭に巻くスタイルもかっこいい。モニカの白い肌にすっきりと映える青いセーターが印象的です。北欧レトロファッションがお好きな方におすすめの映画です。
③すぐにでも取り入れられるコーデがたくさん!
おとな可愛いマニッシュな着こなし『ロンドン、人生はじめます』
【あらすじ】
ロンドンの高級マンションで暮らすエミリーは夫を亡くしてから様々な問題に頭を抱えていた。亡くなった夫の浮気が発覚、老朽化したマンションの修繕問題、貯えが減っていく不安。
そんなエミリーはあることから手作り小屋で17年も一人暮らしをしているドナルドと出会う。ドナルドの質素だけれど気ままで自由な生活と温かい人柄に惹かれるエミリー。いつしか二人は恋に落ちるがエミリーを悩ます問題がさらに持ち上がる。
ダイアン・キートン独自のマニッシュで上品な着こなしを観ていると、流行を深追いせず、着ていて心地がよいこと、自分に似合うものを知ることがいかに大切か気づかされます。
カラータイツに注目!『ルビー・スパークス』
【あらすじ】
若くして華々しく作家デビューし、天才とまでいわれていたカルヴィンはスランプに陥っていた。悶々としながら夢に出てきた理想の女の子、ルビー・スパークスと自分が恋人になる小説を書きながら暮らす日々。
そんなある日。小説の中のルビーが目の前に現れた。動揺するカルヴィンだったが、現実のルビーを愛し、一緒に暮らすようになる。幸せな生活を送っていたが、しだいに2人の関係がおかしな方向へと向かっていく。
ルビーの衣装で特に印象的なのはカラータイツの使い方。ちょっと戸惑ってしまうような色の合わせ方も、ルビー着るととてもチャーミング。無造作にまとめた髪にヴィンテージ風の着こなしもおしゃれです。
ファッションと音楽のベストマッチ『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』
【あらすじ】
拒食症で入院しているイヴはピアノに向かい心のうちを一人寂しく曲にしていた。そんなある日、病院を抜け出しライブを観に行き、アコースティック・ギターで歌うジェームズと知り合う。ジェームズと一緒に過ごすうちに寂しさが薄れていくイヴ。
ジェームズにキャシーを紹介され、3人は一緒に音楽を作ることで盛り上がっていく。スコットランドのグラスゴーを舞台に、個性的な3人の友情と音楽と恋のミュージカル映画。
60~70年代の古着を思わせるようなワンピースやボトムス、ベレー帽の使い方など、ポップでキュートなコーディネートが満載です。ジェームズが着ているフレッドペリーのポロシャツに懐かしさを覚える方もきっといるはず。ギターポップがお好きな方にもおすすめの映画です。
④ファッションを創りだしたデザイナーの伝記
流行にとらわれず新しいライフスタイルを『ファブリックの女王』
【あらすじ】
戦争で兄弟と工房を失ったアルミは、戦後、夫が買収したオイルプリントの会社で働き始める。綿のファブリックに独自のプリントを施すアイデアを思い付いたアルミは、1951年に「マリメッコ」を立ち上げる。
従業員と共に寝る間も惜しんで働くが経営はうまくいかない。ヘルシンキで開催したファッションショーは成功したが、仕事でもプライベートでも難題は続く。波乱万丈のアルミ・ラティアの人生を、劇中劇で表現した伝記映画。
劇中劇という設定でもあるため「アルミの自伝ドラマ」と「アルミ役を演じる女優のマリア」の2つの視点で物語が進行していくので、設定を理解するまで少々混乱するかもしれません。アルミ自身も相反する思いを混在させて生きた複雑な人だったので、本当のアルミ・ラティアはどういう人だったのだろうと謎が残ります。
しっかりと映画から伝わってくるのは、流行にとらわれずシンプルで新しいライフスタイルをマリメッコから作っていこうとしたアルミの強い信念です。マリメッコのファブリックを身にまとい踊るシーンがとても印象的です。
自分のスタイルを突き通す信念と情熱『ココ・アヴァン・シャネル』
【あらすじ】
フランスの田舎町の孤児院で育ったガブリエル。施設を出てからはナイトクラブの歌手やお針子として生計を立てていた。ナイトクラブで知り合った貴族のエティエンヌ・バルザンと暮らし始めるが、バルサンの取り巻く女たちの服装や退廃的で退屈な生活に息苦しさを感じるガブリエル。そんな頃、アーサー・カペルと出会い恋に落ちる。
伝説のデザイナーとして成功するまでの、若き日のガブリエル・シャネルの半生を描いた伝記映画。
デコレーションのようなドレスを嫌い、男物のシャツをリメイクするシーンや当時使われることのなかった生地をあえて注文するこだわりにシャネルの原点を感じます。
モードの帝王の光と影『イヴ・サンローラン』
【あらすじ】
若くしてディオールの主任デザイナーに就任したイヴ・サンローラン。1961年には自身のメゾンを立ち上げ、コレクションを成功させていく。「モードの帝王」とまで呼ばれたが、コレクションのプレッシャーが重くのしかかり、プライベートでは恋愛に悩み、繊細で感受性が鋭いイヴ・サンローランは苦悩の日々を送る。
公私を共にし、常にイヴ・サンローランを支え続けてきたピエール・ベルジェが追想する形でイヴ・サンローランの半生を描く。
21歳の若さでクリスチャン・ディオールの後継者としてデビューしたサンローラン。26歳で自身のブランドを立ち上げ「モードの帝王」とまで呼ばれましたが、成功の裏にはコレクションのプレッシャーや孤独感、アルコール依存など繊細過ぎる表現者の苦悩がありました。光の部分だけではなく、影の部分もしっかりと描かれている伝記映画です。
⑤ファッション界の舞台裏に迫るドキュメンタリー
オートクチュールのドレスができるまでのストレスフルな8週間『ディオールと私』
【あらすじ】
クリスチャン・ディオールの新デザイナーとして迎え入れられたラフ・シモンズ。オートクチュール・コレクションの経験が少ないうえに、8週間という短い期間で準備しなければいけいプレッシャーと戦うシモンズと、伝統あるメゾンを支えるスタッフたちの舞台裏を描いたドキュメンタリー。
創設者ディオールの映像や美しいドレスもたくさん出てくるのですが、シモンズがどうしても使いたいと強行突破する生地のでき具合や、ベテランお針子さんたちの献身的な仕事ぶりに、ハラハラ、ドキドキさせられます。クリスチャン・ディオールの伝統を守りながら、1枚のドレスができるまでどれほどの時間と情熱が注がれているのかがわかる映画です。
ルールがあってもやぶるだけよ。『アイリス・アプフェル! 94歳のニューヨーカー』
【あらすじ】
1950年代からインテリアデザイナーとして活躍し、夫と共同で立ち上げたテキスタイル会社を成功させ、世界中を飛び回っていたアイリス・アプフェル。
ニューヨークのファッションアイコンとして注目され始めてからの活躍ぶりや、自宅のインテリア、ファッション哲学などが楽しめる、アイリスの魅力全開のドキュメンタリー。
アイリスの自宅はシックな家具からおもちゃまで遊び心たっぷりのコレクションで埋め尽くされています。アクセサリーや洋服も個性豊かで色とりどり。ハイブランドから値切って買った洋服までずらりと並んでいます。「組み合わせ方をよく聞かれるけど、特にルールはないし、あってもやぶるだけよ」とアイリスの名言、ファッション哲学がいっぱいの元気が出る映画です。
トレンドを見極める感性と決断力『ファッションが教えてくれること』
【あらすじ】
米版『VOGUE』の編集長、アナ・ウィンターにスポットをあてたドキュメンタリー映画。秋の特大号を出版する5ヵ月前、準備に追われるスタッフはアナの採用不採用に振り回されつつも仕事をこなし、アナは瞬時に決断を下しながら雑誌は出来上がっていく。セレブが多数登場し、謎めいたアナのプライベートが垣間見える興味深い映画。
アナのトレンドを見極める感性と決断力があるからこそアメリカ版「ヴォーグ」は存続し続けているのかもしれません。もちろん超優秀なスタッフの力もあるのですが。何も怖いことがないように思えるアナですが、弱点を聞かれると「娘よ」と照れながら答えるシーンが印象的です。
【あらすじ】
フランスの港町、ロシュフォールに暮らす美しい双子の姉妹ソランジュとデルフィーヌ。彼女たちにはそれぞれ夢があり、運命の恋人に出会うことに期待していた。
お祭りを盛り上げる旅芸人が到着すると町中がにぎやかになり、あることが切っ掛けで姉妹は旅芸人と一緒に舞台に立つことになる。お祭りまでの3日間に起こる新しい恋の予感やすれ違いなどを華やかな歌と踊りで描くミュージカル映画。