「ちがう」ってとても素敵なこと!
みんなが、一ぴきの おおきなさかなみたいに およげるようになったとき、
スイミーは いった。「ぼくが、めに なろう。」
絵本を通じて作者のレオ・レオー二が私たちに伝えたかったこととは何だったのでしょう…
この夏、困難に立ちむかう勇気と、ほかの誰とも違う「私らしさ」を探しに出かけてみませんか?
幻の『スイミー』の原画が東京・新宿にやってきた!
実は、実際に絵本に採用された本当の原画は、どこを探しても見つからず現在も行方不明のまま。今回来日した5点は、1967年に「金のりんご賞」を受賞後(ブラティスラヴァ世界絵本原画展にて)にそのままスロバキア国立美術館に収蔵されたものと考えられますが、絵本原画展に出品するために新しく描いたのか、美術館に所蔵するにあたって再制作したのか…今となっては知るすべはありませんが…現存するスイミーの原画は世界にたった5点のみ。まさに幻の原画たちをまずはゆっくり見て欲しいです!
スイミーの原画コーナー ©著者撮影
会場では、それぞれのコーナーごとにレオーニの絵本を自由に読めます♪
レオ・レオーニ
LEO LIONNI(1910-1999)
1910年、オランダ生まれ。イタリアに暮らしていましたが、1939年、第二次世界大戦中にユダヤ系であるレオーニはアメリカに亡命。イラストレーター、グラフィック・デザイナーとして活躍していた1959年、孫のために制作した『あおくんときいろちゃん』で絵本作家としてデビュー。1999年にイタリアで亡くなるまでに、40冊近くの絵本が発表され、日本でもその多くが翻訳出版されています。
- 寒さに負けない体を目指す!ゆらぎがちな冬のご自愛ケアキナリノ編集部
他にも見どころ満載!レオー二の魅力を探しに会場ウォッチング♪
まずは入り口へ!
フォトスポット©著者撮影
絵本のなかで大活躍する詩人ねずみ、フレデリックと一緒に写真が取れるフォトスポットをはじめ、親子で楽しめるコーナーも沢山ありますよ。
Ⅰ:レオとアート
絵本「フレデリック -ちょっとかわったねずみのはなし」
「フレデリック」原画 1967年 水彩、パステル、コラージュ 紙 51×63.6cm
Frederick ©1967, renewed 1995 by Leo Lionni / Pantheon Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family
絵本「マシューのゆめ -えかきになったねずみのはなし」
「マシューのゆめ」原画 1991年 鉛筆、水彩、コラージュ、紙 51×63.6cm
Matthew’ s Dream ⓒ1991 by Leo Lionni / Knopf Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family
「マシューのゆめ」原画 1991年 鉛筆、水彩、コラージュ、紙 51×63.6cm
Matthew’ s Dream ⓒ1991 by Leo Lionni / Knopf Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family
実はこれにはほほえましいエピソードが!ある時、レオーニがイタリアのアトリエに向かう途中で地ねずみと出くわし、じーっと足元を見つめられたのだそう。このことをきっかけに多用するようになりました。
絵画「黒いテーブル」シリーズ
「黒いテーブル」シリーズ:《遊びの時間》1992年頃 油彩、キャンバス 148×88.3cm
Ⅱ:自分探し
絵本「コーネリアス -たってあるいたわにのはなし」
「コーネリアス」原画 1983年 水彩、パステル、コラージュ、紙 51×63.6cm
Cornelius ©1983 by Leo Lionni / Pantheon Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family
絵本「アレクサンダとぜんまいねずみ -ともだちをみつけたねずみのはなし」
「アレクサンダとぜんまいねずみ」原画 1969年 コラージュ、紙 51×63.6cm
Alexander and the Wind-up Mouse ©1969, renewed 1997 by Leo Lionni / Pantheon Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family
Ⅲ :平和を求めて
絵本「あいうえおのき -ちからをあわせたもじたちのはなし」
「あいうえおのき」原画 1968年 水彩、紙 51×63.6cm
The Alphabet Tree ©1968, renewed 1996 by Leo Lionni / Pantheon Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family
絵本「あおくんときいろちゃん」
あおくんときいろちゃん レオ・レオーニ (著), 藤田 圭雄 (訳) ⓒ至光社
今回の展覧会では原画の展示はありませんが、絵本をぜひお手にとって見てみて欲しいです。
大のなかよしの<あおくん>と<きいろちゃん>は、遊んでいるうちに<みどり>に変わってしまい…
お互いが交わることでその色味を変化させ、別の世界を作り上げながら、自分色も見失わない。これって私たちの人と人とのつながりにおいても大切なことだし、多種多様な民族が共存し合うこの世界では特に尊重したいことですよね。
Ⅳ :リアル?フィクション?
絵本「せかいいちおおきなうち -りこうになったかたつむりのはなし」
「せかいいちおおきなうち」原画 1968年 色鉛筆、鉛筆、コラージュ、紙 51×63.6cm
The Biggest House in the world ⓒ1968 by Leo Lionni,renewed 1996 / Pantheon
小さな頃、レオー二はテラリウムの中でかたつむりなどの動植物を育てていたそう。そんな幼少期の記憶がこの作品にも鮮やかに息づいています。
絵本「はまべにはいしがいっぱい」
「はまべにはいしがいっぱい」ドイツ語版最終ページ 1961年 鉛筆、紙 70×50cm
On My Beach There Are Many Pebbles ⓒ1961 by Leo Lionni,renewed 1989 / Ivan Obolensky
ⓒ著者撮影
絵本の世界観を映像や造作物で体感できる、ユニークなスペースも。耳と目をすませてみてください。
絵画・彫刻 -「平行植物」シリーズ
ⓒ著者撮影
「平行植物」シリーズ:《向月葵》 1971年 油彩、キャンバス
150×200cm
Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family
絵画「想像肖像」シリーズ
ⓒ著者撮影
実在する人・しない人を描いた「想像肖像」シリーズの油絵。リアルとフィクションが入り混じっていて、「ほんとの真実はどこにあるの?」と問いかけられているような気分になりました。
みんな大好き!レオ・レオー二グッズ大集合
ⓒ著者撮影
1Fにはレオーニグッズの特設ショップも!
ⓒ著者撮影
「みんなのレオ・レオー二展」の開催概要はこちらから♪
レオー二が伝えたかった答えがきっとそこにはあるはずです。
ⓒ著者撮影
Thank You for reading !!
2019年7月13日(土) ~9月29日(日)
※月曜定休(ただし7月15日、8月12日、9月16日、23日は開館)
■開館時間
10:00~18:00まで(入館は17:30まで)
■会場
東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館(〒160-8338 東京都新宿区西新宿1-26-1 損保ジャパン日本興亜本社ビル42階)
<アクセス>
新宿西口より徒歩約5分
■観覧料( )内は20名以上の団体料金および前売料金
観覧料(前売券)
一般1,300(1,100)円
大学生900(700)円 ※学生証をご提示ください
高校生以下:無料 ※学生証、生徒手帳をご提示ください
※身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳を提示のご本人とその付添人1名は無料。被爆者健康手帳を提示の方はご本人のみ無料。
【巡回展】
2019年12月7日~2020年1月19日/鹿児島・長島美術館
2020年2月28日~5月10日/沖縄・沖縄県立博物館・美術館
「スイミー」原画 1963年 水彩、モノタイプ 54.5×72.5cm スロバキア国立美術館
Swimmy ©1963 by Leo Lionni, renewed 1991/Pantheon On Loan By The Slovak National Gallery