著名人の知られざるストーリー
実話を基にした著名人の映画
ココ・アヴァン・シャネル(2009年公開)
女子の憧れの的、シャネル。その創設者であるココは、実は壮絶な生い立ちを抱えていたんですね。ココは、男勝りを絵に描いたような女性でした。コルセットを着用するのが普通の時代にそれを嫌い、地味なドレスを好み男性の服を自らカスタマイズ。馬にも自ら跨り走らせました。女性らしさの中に、女性の強さが溢れるシャネルというブランドは、彼女そのものなのかもしれません。
イヴ・サンローラン(2014年公開)
ファッション界の若き天才児、イヴが、「モードの帝王」として称えられるまでの物語。ちょっと神経質で体の弱いイヴは、デザインの天才。若干21歳でクリスチャン・ディオールの後継者に指名され、注目が集まる中コレクションを成功させます。彼の才能に惚れ込み、彼とパートナーとして歩むこととなるピエール・ベルジュと出会い、ディオールを出て自らのブランド、イヴ・サンローランを立ち上げることとなるのです。
大人なハイブランドとしてファンの多いイヴ・サンローランは、若き天才児が起こしたブランドなんです。早くからデザイナーの才覚を見せていたイヴは、若干21歳でクリスチャン・ディオールの後継者に指名されます。本作にはデザインやフィッティングチェックなどのシーンが多く登場。その華々しい世界とは裏腹に、表現者、ゼロから生み出すクリエイターとしての苦悩が描かれます。サンローランの服やバッグが、少し色を変えて見えてきますよ。
マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙(2012年公開)
イギリス初の女性首相として世界中の人が知る、マーガレット・サッチャー。彼女も年をとり、最愛の夫に先立たれます。それなのに夫の姿が見え、声が聞こえる、認知症の症状。政治の世界にいた時間やそこに至る人生を思い返し、そこにある愛や幸福を見つめ直す姿が描かれます。
サッチャー首相は、鉄の女と呼ばれることからも分かる通り保守的かつ強硬的な政治をした人。今もイギリスでは支持派と非支持派に二分され議論されることがあります。首相の在任期間は21年間にも及び、時代を動かし世界中に影響を与えたことは否定できません。そんな彼女が晩年認知症にあったことを、知らない人も多いのでは?彼女は決して、鉄の女などではなかったのです。
ソーシャル・ネットワーク(2011年公開)
ハーバード大学に通うマーク・ザッカーバーグはある日彼女にフラれ、怒りに任せて彼女の悪口をネットに書き込こんでしまいます。勢いで大学中の女性の写真を使って誰がきれいか投票する格付けサイトを開始。そのシステムに驚嘆した大学の先輩がマークに依頼したのが、コミュニティツールの開発でした。そこでマークが思いついたのが――。
今や世界の登録者数が6億を超えるフェイスブック。19歳の少年、マーク・ザッカーバーグがその仕組みを構築し発展される反面、友情や信頼を失っていく姿がそこにはありました。脚色があるものの、失恋からスタートしたという逸話は実話だそう。映画ではかなりの風変わりな人間に描かれていますが、その奥にある心に触れてください。
Ray / レイ (2004年公開)
盲目の青年、レイは、ピアノの仕事を探すためにフロリダからシアトルへ。素晴らしい演奏を披露し早速トリオを組むことになり、ツアーへと出る忙しい日々が始まります。バンドを転々としツアーに出て稼ぐ中、レイはドラッグに手を出してしまいます。名実ともにスターになってからもドラッグを止められず――。
ソウル、R&Bの父として知られ、黒人解放にも寄与したレイ・チャールズは、生まれつき盲目だったわけではありません。トラウマやハンデを持つ時、どこか逃げる場所を欲するのは自然だったのでしょう。ジャンキーになり困難な治療を乗り越えますが、例えばどこかで彼が死んでいたら決して美談にはできなかった、そんな衝撃なレイの生涯に見入ってしまう名作です。
英国王のスピーチ
イギリス王ジョージ5世の次男として生まれたアルバート皇太子は、スピーチが苦手。なぜなら吃音症に苦しんでいたから。皇室の執務を行うにあたり吃音症を克服するため、皇太子が訪ねたのが言語療法士のライオネル。そんな中、亡き父の後を継ぎ王位についていた兄・エドワード8世が、愛する人と結婚するために王位を放棄することを宣言します。
王位に即位しジョージ6世になったアルバートは、現在のエリザベス女王陛下のお父さんです。ジョージ6世はライオネルの療法により吃音症を克服し、ほとんどつかえることなくスピーチできるようになりました。国中、いや世界中にも届くスピーチをするなんて、ただでさえ想像を絶するプレッシャーですよね。ジョージ6世を支えた友・ライオネルとの交流は、生涯続いたそう。佳境のロングスピーチは自然と涙が溢れる圧巻のスピーチです。
ビューティフル・マインド(2002年公開)
大学で化学を学ぶジョン・ナッシュは天才的な頭脳を持ちながら友達がいません。そんなジョンのルームメイトであり唯一の友がチャールズ。卒業後は社会情勢のアナリストに就きますが、軍から機密ミッションを与えられます。しかしジョンが見ている世界は実は――。
数学者であり、ゲーム理論の天才としても知られたジョン・ナッシュが侵されていた病は、統合失調症でした。病気と闘い研究を続けた彼は、後にノーベル経済学賞を受賞します。病が明るみに出てからは彼の頭と心の中の混乱が伝わり、時に苦しい物語。それをも凌駕する愛に感動の嵐が待っています。
シャネルの創設者であるココは、孤児院育ち。田舎のナイトクラブで姉と歌う日々だけど、いつか飛び立つ日を夢見ています。その傍ら、仕立て屋でスカートの裾を縫う日々。そんな彼女に目を止めたのが実業家のバルサンでした。姉もバルサンも街を去り一人になった時、彼女はトランクを抱えてバルサンの元へと向かい――。