長い間英語から離れていても大丈夫
TOEIC対策の教材には初心者さん向けのものが多くあり、わかりやすい解説が載っています。出題される問題の中にも、単語・文法を少しおさらいするだけでスコアアップを狙えるパートもあれば、リスニングセクションで役立つ「先読み」テクニックなど、TOEIC対策ならではの攻略方法も存在します。
TOEICの出題傾向やテクニックを押さえて、自分に合った教材を使えば着実にスコアを伸ばせますよ。
TOEICってどんなテスト?
TOEICとは?
日本では、採用時にTOEICスコアを重視する企業が増えています。例えば新卒採用時に「TOEICスコアを参考にする」と答えた企業は49.1%。およそ半数の企業が、応募者のTOEICスコアに注目しているのです。昇進や転職時も役立つため、就活・転職活動の一環として受験する人が多いテストです。
TOEICの特徴
テスト構成
■リスニングセクション 約45分間・100問
Part 1 写真描写問題:写真を見て答える
Part 2 応答問題:質問などを聞いてふさわしい解答を選ぶ
Part 3 会話問題:会話を聞いて答える
Part 4 説明文問題:アナウンスなどを聞いて答える
■リーディングセクション 75分間・100問
Part 5 短文穴埋め問題:短文の空白に正しい選択肢を当てはめる
Part 6 長文穴埋め問題:長文の空白に正しい選択肢を当てはめる
Part 7 読解問題:記事や広告、Eメールなどの文書を読んで答える
前半がリスニング、後半がリーディング問題という構成。リスニングセクションは、写真を見て答える写真描写問題から始まり、やや長文のアナウンスなどを聞き取る説明文問題まで幅広く出題されます。
リーディングセクションでは、Part 5と6が単語・文法問題。最後のPart 7では、日常生活や仕事でよく目にする英文から出題され、読解力を問われます。
テスト日程
初心者さんがまずやっておくべきことは?
1、今の英語レベルチェック
TOEICの平均スコアである約590点(2015年7月実施回)を目安にしたり、勉強を始める前に公式問題集を使って実力試しをすると、今のスコアレベルがわかるのでおすすめです。
2、目標スコアの設定
600点以上取れたら、履歴書に書いてアピールできます。さらに英語を使用する部署を希望する場合は、700点程度あると良いでしょう。
3、テスト日程とスケジュールを決める
具体的な日程を決めたら、単語・文法、リスニング、読解それぞれにどれくらいの期間取り組むかを明確に。それをさらに1週間→1日と小さく切り分けて、何をどれだけ勉強するかざっくり決めてしまいましょう。目標を具体的かつなるべく小さい単位で設定すると、達成感を得られて継続しやすくなります。
TOEIC対策のヒント
TOEICの出題傾向をつかむ
これは、英検など他の英語試験とは違ったTOEICならではの特徴です。そのためTOEIC対策には、ビジネス英語を押さえたTOEIC専用の教材が効果的。
さらにTOEIC向けの学習を続けるうちに、実際にビジネスシーンで使える単語やフレーズを覚えられます。スコアがキャリアアップに役に立つだけでなく、社会人が学習して損はない内容になっているのです。
スコアを取りやすいパートは?
さらにPart 5の文法問題では、品詞や接続詞、前置詞や動詞など出題傾向も比較的はっきりとしています。頻出単語を学習し、出題されやすい文法を押さえるだけでスコアアップを狙えるパートです。
まずは単語・文法学習から
TOEICでは、ビジネスシーン向けの単語が頻出。今までビジネス英語に触れてこなかった人には、ビジネス英単語の学習が必要です。
さらにPart 5と6では、穴埋め問題として単語・文法知識が問われます。単語・文法はスコアに直結する要素なので、何よりもまずはじめに押さえておきたい知識です。
リスニング問題で役立つ「先読み」テクニック
・Part 3 会話問題:会話を聞いて答える
・Part 4 説明文問題:アナウンスなどを聞いて答える
先読みとは、ディレクション(問題の説明アナウンス)が放送されている間に、次の問題文を読んで内容をざっと把握しておくこと。設問を読んでおくことで、「これから流れる問題文のどこに注意して聞き取ればいいか」がわかります。
例えば、"What"や"Why"などのWh疑問文が来ていたら、「何が」や「なぜ」の部分に注意すればいいことが読み取れますね。「問題文が長くて大事な部分を忘れてしまう」というもったいないミスを防げます。
TOEICは時間配分とスピードが命
Part 7では、Eメールや新聞記事、広告などの比較的長い文章を読んで答える必要があります。読み解いて解答するのに時間がかかるため、ハイスコアレベルの受験者でも全て解き終わらないことも。
ただ長文とはいえ、じっくり読めば解ける問題が多いのです。そのため、リーディングセクション前半のPart 5と6をできる限り早く終わらせることがカギになります。TOEICの参考書には目安の解答時間が記載されていることが多いので、その時間内に解けるよう意識して取り組んでみてください。
スキマ時間を活用しよう
初心者さん向けおすすめ教材
まずはこの1冊でTOEIC単語を押さえよう『TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ』
TEX加藤 著 / 朝日新聞出版
文法のおさらいにも◎『TOEIC L&Rテスト 英文法 ゼロからスコアが稼げるドリル』
高橋 恭子 著、TEX 加藤 監修 / アルク
文法に苦手意識を持っている人におすすめなのがこちらの問題集。「TOEIC英文法が苦手な人ほどスコアを稼げるようになるドリル」というキャッチコピーがつけられています。
本書では、TOEIC頻出の文法項目と時短テクニックを解説。300点台から脱したい人や、文法知識をおさらいしたい人にぴったりです。著者による音声解説を聞くと、より知識が深まります。
リスニング対策はまずここから『TOEIC L&R TEST 初心者特急 パート1・2』
神崎 正哉、Daniel Warriner 著/ 朝日新聞出版
「まず500〜600点を目指したい」という人におすすめのリスニング対策本。比較的難易度の低いPart 1〜2のリスニング問題を解きながら、少しずつTOEICテストに慣れていきましょう。初心者さん向けのわかりやすい解説で、挫折せずに終わらせることができるはず。同じシリーズで、他パート向けの参考書もそろっています。
実力試しや学習の総仕上げに『公式TOEIC Listening & Reading 問題集 7』
国際ビジネスコミュニケーション協会
TOEIC対策には、やはり公式問題集が一番。本番のテストと同じプロセスで作られていて、本番さながらのテストを受けられます。テスト2回分、計400問を収録。
スコアチェックにも役立つので、勉強を始める前の実力試しや学習の総仕上げにぴったりの問題集です。繰り返し解いて弱点をつぶしていけば、着実にステップアップできるでしょう。
学習を積み重ねて、スコアアップを目指そう
むしろ初心者さんほど「伸びしろ」が大きく、少し勉強するだけでスコアを伸ばしやすいのです。ハードルが高いと感じたら、スコアを取りやすいパートから始めてみて。
今の英語レベルと目標スコア、スケジュールを決めたらあとはやるだけ!毎日の学習を少しずつ積み重ねているうちに、英語力は確実に身につきますよ。
TOEIC初心者さんにまず手に取ってほしいのがこちらの単語本。TOEIC頻出の単語がぎゅっと1冊に詰まっています。英語から離れていた人なら、この1冊を使い倒すだけでスコアアップできるはず。TOEIC対策王道のベストセラー本です。