紫陽花の季節になりました
梅雨の雨に濡れる紫陽花の美しさにはっと心を奪われます。こんもりと丸く咲く紫陽花は、一本でも存在感抜群のお花ですよね。
花色によっても受ける印象が大きく変わる紫陽花。土の成分によっても花色は変化し、同じ場所でも成分の吸収の仕方で微妙な色合いの違いが楽しめます。
紫陽花はひとつのお花で、さまざまな生け方ができるお花です。短く生けるもよし、花びらだけにしてみるのも素敵です。最初は長めの丈で生け、徐々に丈をカットしていくとより長い期間、楽しむことができますね。
紫陽花を長持ちさせるには
最初の準備が肝心です
紫陽花を長持ちさせるコツは、水揚げの仕方にあります。お花を摘んだら、まずは茎の先を斜めにカットします。茎が固めなので、花ばさみなどのしっかりとしたはさみで切ると安全にカットできます。
茎の先を斜めに切ったら、そこから中のワタの部分を取り除きます。はさみの先を使って、そっと取り除いてあげるようにしましょう。
茎の先の処理が終わったら、すぐにお水につけてしっかりとお水を吸収させてあげましょう。
こまめにお手入れを
花器のお水をこまめに替えるほか、霧吹きで軽くお花にも水をかけてあげましょう。梅雨時に咲くお花なので、花びらの上に溜まるお水も美しく映えます。
ボリュームがありすぎるようでしたら、すこし間引くのもいいですね。枯れてしまったお花もカットしてあげましょう。
フレッシュ紫陽花のいろいろな飾り方
すらりとした茎を美しく
トップにボリュームのある紫陽花は、ある程度重さのある花器がよく似合います。口がすぼんだガラスの花器なら、お花の広がり具合をコントロールできますね。
グリーンの紫陽花はとても高貴な印象です。実ものやグリーンと合わせてボリュームアップしてあげると、ブーケのように決まります。
シンプルなガラスの花器は、まっすぐな茎が見えてキュートです。ガラスの花器なら、ほかの花器とも合わせやすく、大きさの違うグリーンを並べておくとお洒落な雰囲気に見えます。
茎が見えないタイプの花器を使うと、お花の色味がぐっと引き立ちますね。やわらかな花びらがふんわりと集まっている様子がとてもよくわかります。
明るい色の花器には、軽やかな色合いの紫陽花がよく似合います。リサ・ラーソンの花器はドレッシーで、上品に仕上がりました。
ころんとしたかたちを生かす
こんもりと丸みを帯びたお花のかたちを生かして、ころんとした花器に。丸のラインが幾重にも見えて、可愛らしい雰囲気になりました。
グラデーションを感じるお花を生けると、すくないお花でもぱっと華やかに見えます。花びらにグリーンが混ざっているタイプの紫陽花は、一枚の水彩画のようにも見えて素敵ですね。
お花のボリュームと同じくらいの花器をチョイスすると、安定感のあるイメージに仕上がります。さりげなくボーダーの入ったケーラーのカラーガラス花器に生けると、落ち着きのある紫陽花になりました。
いくつかのお花を束にして一緒に生けるときは、お花の傾き具合を調整してあげると美しく見えます。大きな葉っぱでコントロールすると簡単です。
溢れるほどの紫陽花をたっぷりと飾って、涼し気な初夏の空気感をアレンジしました。淡い色味の紫陽花は光を通すと、やさしい雰囲気になりますね。
シンプルなお部屋の中にフレッシュな紫陽花を生けると、とたんに空間が瑞々しくなるから不思議です。
短くカットしたお花を飾る
お花をぎりぎりのところでカットし、短めに飾るのとまるで花冠のようでとてもキュートです。ちいさめの花器がよく似合います。
ホルムガードの脚付きのガラス花器は、とろみのある優しい雰囲気が穏やかな紫陽花のお花にぴったりです。ニュアンスのある色味の紫陽花が贅沢なひとときを感じさせてくれますね。
平皿に広げる
立ち上がりのある平たいプレートに、紫陽花をふんわりと広げてみると、こんもりとした丸い紫陽花とはがらりとイメージが変わります。短くカットしていって、最後にはこうした平皿に生けてみるのがいいかもしれません。
ドライフラワーにして長く楽しむ
紫陽花のドライフラワーは、褪せたような色味が特徴的で人気が高いドライフラワーです。
ドライフラワーをきれいに仕上げるコツは、ドライフラワー作りをする時期にあります。梅雨時は紫陽花がきれいな季節ですが、実はドライフラワー作りには向きません。ジメジメした梅雨時は、ドライフラワーになる前にカビが生えてしまうこともあります。梅雨が終わって、夏の日差しを感じられるようになってから、作業するとよいでしょう。
ドライフラワーの作り方
紫陽花のドライフラワーを作るときは、枯れる前のフレッシュな状態のお花で作るというのもきれいに仕上げるポイントです。しっかりとお水を吸わせて、花びらの部分を潤してから、作業に入るようにしましょう。
大きめの花瓶に挿したら、風通しの良いところに置いておくだけでもドライフラワーを作ることができます。もっとも簡単な作り方のひとつです。
枯れたお花や葉っぱを取り除いてから、紐やワイヤーで天井からつるしておくと、きれいに乾いていきます。
ドライフラワー用のハンガーがあると、間隔をあけて乾かしやすくなります。専用のものではなくても、100均で可愛いサークルハンガーを購入して、引っかけるためのクリップなどをつけて自作することもできます。
ドライフラワーの飾り方
紫陽花のドライフラワーは、ざっくりとした雰囲気が素敵なので、大きめのざるに広げておくのもいいですね。床に直置きしても様になります。
リースのかたちに仕上げるドライフラワーは、インテリア性も高くなり、壁やドアなどを一年中彩ってくれます。ちいさめのパーツに分けて、仕上げるとボリュームもコントロールしやすくなりますね。
紫陽花だけで作るリースは、アンティーク調の褪せたカラーがとても魅力的。コンパクトに作って、テーブルの上でキャンドルホルダーの周りに置くのも素敵です。
ほんの一枝だけを飾っておいても、スタイリッシュな雰囲気に。洗面所やトイレなどにもコンパクトに飾ることができますね。
フレッシュなときと同じように、大きめの花器に飾ってみると、秋の空気がふと近くに来たようにも感じます。
ガラス瓶にさりげなく挿して、お部屋のアクセントにも。ドライにしながら、飾りたいときにもおすすめのアイデアです。
ほかのグリーンをアレンジして、ボリュームのあるスワッグに。ドライの紫陽花を入れるとぎゅっとまとめたときにも、ボリュームが出ますね。
ドライになった花びらだけをたっぷり瓶に入れて飾ると、埃よけにもなって、長くきれいなドライフラワーの状態を楽しめます。
カラフルな紫陽花で季節を感じて
梅雨時から秋口まで楽しめる紫陽花。これから始まる紫陽花の季節に、心がときめきます。今年はたっぷりと紫陽花を楽しんで、季節のうつろいをおうちに招きいれてみませんか？
初夏の訪れとともにいろいろな種類の紫陽花が見られるようになります。フレッシュな切り花からアンティーク風の色合いを楽しめるドライフラワーまで同じお花の変化を味わえるのは、紫陽花ならではですよね。紫陽花の水揚げの仕方や、素敵な飾り方、ドライフラワーの楽しみ方までご紹介します。