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vol.7 monogram ・ 東尚代さん -世界にひとつだけの「まちの写真屋さん」を目指して

東京・学芸大学にある「monogram(モノグラム)」は、写真と人との新しい関わり方を提案するちょっとユニークな写真店。写真のプリントサービスはもちろんのこと、機能的でお洒落なグッズの販売や、展覧会・ワークショップの開催など、私たちが考える一般的な写真店とは全く異なる活動を行っている。写真と人を新たなカタチでむすぶ「monogram」の、独自のスタイルに込められた思いを伺った。(2015年05月19日作成)

写真:神ノ川 智早 文:キナリノ編集部

みんなに“ちょうどいい”理想の写真屋さんを探し求めて

「うちのお店には、そんなに“こだわり”なんてないんですよ」

全国のフィルム写真愛好家から厚い支持を得ている写真店「monogram(モノグラム)」。その店長である東尚代さんの口をついて出たのは、意外にもそんな言葉だった。

「強いこだわりを持っていらっしゃる素敵な写真屋さんは、他にも沢山あります。だからこそ、うちは間口を広く、誰にでも気軽に来てもらえる存在になれたらいいなって、そう考えているんです」
お店があるのは東急東横線「学芸大学駅」から歩いて1分ほどの住宅街。

お店があるのは東急東横線「学芸大学駅」から歩いて1分ほどの住宅街。

一見して写真店だとは分からないほどの瀟洒な店構え。窓ガラスにさりげなく描かれた「monogram」の文字が目印。

一見して写真店だとは分からないほどの瀟洒な店構え。窓ガラスにさりげなく描かれた「monogram」の文字が目印。

もともとはwebの制作会社だったというmonogramが写真の世界に触れたのは、『ポラロイドライフ』というカメラ本の編集に携わったことがきっかけ。仕事を通して写真愛好家の方たちと交流する中で、彼らの生の声を聞く機会も増えていった。

「写真のデジタル化が進んだことで写真屋さんがどんどん減ってしまい、「プリントしたくてもできない」と困っている方が多くいらっしゃったんです。また、自分たち自身も写真への興味が深まるにつれ、求めているような写真店がみつからないという思いが強くなって…」

ユーザーや自分たちにとって、ちょうどいい“理想の写真屋さん”がない。そう感じたことが、お店をスタートするきっかけになったのだという。
店内に入るとまず目に飛び込んでくるのは、お洒落なカメラグッズの数々。その奥に写真ラボスペースが設けられている。

店内に入るとまず目に飛び込んでくるのは、お洒落なカメラグッズの数々。その奥に写真ラボスペースが設けられている。

一般的な写真店での現像といえば、カウンターにフィルムやデータを持っていき、仕上がった写真をただ受け取るというのが通常の流れ。そのプロセスの中で、店員と客との間に特別なコミュニケーションが交わされることはほとんどない。もちろん、それでも写真は綺麗にプリントされるが、そこに現れるのは、機械が自動的に写し出した画一的で個性のない美しさ。

「お客様との触れ合いを大事にしたい、よりお客様が求める写真を再現したい。そんな思いから、何よりもコミュニケーションに重きを置いたお店作りをしたいと考えたんです」
2Fには「ギャラリー」と「ライブラリー」を併設。プリントやグッズ販売以外にも、写真との新たな関わり方を提案してくれている。

2Fには「ギャラリー」と「ライブラリー」を併設。プリントやグッズ販売以外にも、写真との新たな関わり方を提案してくれている。

対話から生まれる“特別な一枚”をつくり上げるために

monogramが他の写真店と大きく違うのは、プリントする紙の質感や細かい色調整など、仕上がりの雰囲気を相談しながら決められるという点。一般的な写真店ではおろそかにされがちな“対話”を大事にすることで、一人ひとりが求める微妙なニュアンスを汲み取り、その人にとっての特別な一枚を一緒につくり上げていくことができる。
フィルムを見つめる真剣な眼差し。目には見えない、音・匂い・空気・時間…、そんな一人ひとりの大切な記憶を写真の上に写しだしていく。

フィルムを見つめる真剣な眼差し。目には見えない、音・匂い・空気・時間…、そんな一人ひとりの大切な記憶を写真の上に写しだしていく。

「“こういう雰囲気の写真が好き”という気持ちや、“こんな写真に仕上げたい”という希望を、皆さん持っていらっしゃると思うんです。お話を伺って、お客様が求めていらっしゃるイメージを具現化するお手伝いができれば嬉しいですね。お店のスタッフもみんな写真が好きで、自分自身で撮っている人間ばかり。だからこそ、要望にもっと応えたい、叶えたいという思いも強いんです」

常にユーザー視点に立ち、何よりも“お客様に喜んでもらいたい”と考えるmonogram。そんな真摯な姿勢が周囲の人たちにも伝わり、お店を訪れる客層も、時とともに変化していった。

写真ファンにも地域の人にも、全ての人に開かれたお店を目指して

こだわりのプリントを実現してくれるお店とあって、以前は全国の写真愛好家が訪れる、ちょっとマニアックなショップだった。もちろん、今でも愛好家からの厚い信頼は変わらない。しかし、お店ができて年月が経つにつれ、近隣の人々にもその存在が浸透し、徐々に地域に溶け込んでいったという。
スタッフ同士の仲がいいのもmonogramの特徴。取材中も明るい笑い声が絶えなかった。

スタッフ同士の仲がいいのもmonogramの特徴。取材中も明るい笑い声が絶えなかった。

「今では、近くに住むおじいちゃんやおばあちゃんが、ふらっと気軽にやってきてくれます。monogramの存在を知ったことで「何十年も眠ったままにしていたフィルムカメラを、もう一度使ってみたい」と、ご近所の方が相談に来てくださったりもするんですよ」

こんな風に、お店の存在が新たに写真を楽しむきっかけづくりになることもあるのだとか。
写真愛好家から支持されているお店と聞けば、どうしても敷居が高く感じられ、訪れる側もつい構えてしまいがち。しかしmonogramの一番の魅力は、“気負わずに写真を楽しんでもらいたい”という、写真に興味を持つ人すべてに開かれた優しく温かな姿勢にあるのではないだろうか。
訪れた人達が自由に書き込める「みんなのノート」は既に5冊目。monogramが多くの人に愛されていることがよく分かる。

訪れた人達が自由に書き込める「みんなのノート」は既に5冊目。monogramが多くの人に愛されていることがよく分かる。

一部の愛好家のためのお店としてだけではなく、地域の人々に愛される【まちの写真屋さん】として受け入れられるようになったのも、“お客様と共にありたい”という、まっすぐで温かな気持ちが伝わったからこそ。そしてそんな思いは、お店に置かれている商品作りの面にもしっかりと反映されている。

“楽しんでほしい”という気持ちから生み出されるカメラグッズ

monogramといえば、センスの良いカメラアイテムが揃うことでも有名なショップ。まるで雑貨店のようなお洒落な雰囲気の店内に並ぶ商品は、ほとんどがオリジナルのアイテム。
機能性に優れ、センスも良いカメラグッズが並ぶ店内。写真好きな人へのプレゼント選びで訪れる方も多いそう。

機能性に優れ、センスも良いカメラグッズが並ぶ店内。写真好きな人へのプレゼント選びで訪れる方も多いそう。

スタイリッシュで存在感抜群のフォトフレームは、写真を飾ることが楽しくなるような素敵なものばかり。

スタイリッシュで存在感抜群のフォトフレームは、写真を飾ることが楽しくなるような素敵なものばかり。

「実はお客様の声から生まれるアイテムも多くて、「こういう物が欲しい」と相談された内容が、そのまま商品化に繋がることも少なくないんです」

ここでも、お客様の思いに応えたいというユーザー第一主義の姿勢は変わらない。

「カメラグッズは使い勝手の良さも重要ですが、持っていて楽しくなる、一緒に連れてお出かけしたくなるような素敵なものであることも大切。やっぱりカメラは、外に持っていって使ってもらうことが第一歩なので、持ってお出かけしたくなるようなアイテム作りを常に意識しています」

写真を撮ること、プリントすること、飾ること、そこに必ず“楽しい”という気持ちを感じてもらいたい。そんなシンプルで純粋な気持ちが、商品作りにも込められているのだ。
リクエストによって生まれた「スリムカメラストラップ」。どんなコーディネートにも馴染むミニマルなルックスで男女問わず人気が高い。

リクエストによって生まれた「スリムカメラストラップ」。どんなコーディネートにも馴染むミニマルなルックスで男女問わず人気が高い。

中判カメラやスマートフォンでの写真に最適な「ましかく」の木製フォトフレーム。こちらも“みんなの声”から生まれたアイテムだそう。

中判カメラやスマートフォンでの写真に最適な「ましかく」の木製フォトフレーム。こちらも“みんなの声”から生まれたアイテムだそう。

みんなで写真を楽しむ場として

写真のプリントやグッズの販売以外にもmonogramが力を入れていることがある。それがイベントやワークショップの開催だ。その内容は幅広く、写真やカメラの知識を学ぶ真面目な講座から、暗室でお酒を飲みつつ手焼きプリントを体験する『暗室bar』、フィルムで撮った写真を大きくプリントして飾り、みんなでお喋りしようという合同写真展『FILMS by monogram』など、ユニークなものも多い。
2Fの「ギャラリー」では、写真や絵画等ジャンルを問わず様々なアート作品を展示している。時期によって展示内容が変わるため、訪れる際には開催予定を確認しよう。

2Fの「ギャラリー」では、写真や絵画等ジャンルを問わず様々なアート作品を展示している。時期によって展示内容が変わるため、訪れる際には開催予定を確認しよう。

「他のお店ではありえないような型破りな企画も多いんですけど。少しでも面白いと感じてもらえて、写真をもっと好きになるきっかけにしていただけたら嬉しいですね。フィルム写真を撮る方自体が少なくなってきているので、写真が好きな方同士の交流の場になればという思いもあるんです。皆さん、同じ趣味のお友達に出会えるのが楽しいと言ってくださるので」

写真のプリントや商品の販売だけでなく、人と人とが繋がるための機会も提供したい。そこからも、写真を通しての楽しみや喜びをお客様に感じてもらいたいという、このお店らしい思いが伝わってくる。
こちらはフォトブックが展示されている「ライブラリー」スペース。写真をプリントする間の待ち時間に訪れる方も多い。

こちらはフォトブックが展示されている「ライブラリー」スペース。写真をプリントする間の待ち時間に訪れる方も多い。

ライブラリーには、一般の方が持ち込んだフォトアルバムも展示されている。

ライブラリーには、一般の方が持ち込んだフォトアルバムも展示されている。

お客様に喜んでもらえる限り、応え続けていきたい

「お客様の写真のある生活をお手伝いできる事が、何よりの喜びなんです。写真を楽しんでもらえるのであれば、フィルムでもデジタルでも構わないですし、そういう意味では本当に“こだわり”がないんですよね。難しく考えずに、なんでも気軽に相談に来てくださいね」

そう屈託なく柔らかな笑顔で話す東さんの言葉には、なんの気負いやてらいもなく、少しでも多くの人に写真を楽しんでもらいたいという純粋な温かさが溢れていた。
左から2番目が店長の東尚代さん。こぼれるような笑顔からも、温かい人柄が伝わってくる。

左から2番目が店長の東尚代さん。こぼれるような笑顔からも、温かい人柄が伝わってくる。

オープン以来、一貫してユーザー目線でのお店作りを行ってきたmonogram。その姿勢はこれからも揺らぐことなく、写真を愛する人たち皆に寄り添った存在であり続けてくれることだろう。コアユーザーにもビギナーにも等しく、「写真を楽しみたい」と考える全ての人のため、そしてもちろん他ならぬあなたのためにも、monogramの扉はいつでも開かれているのだ。
monogram|モノグラムmonogram|モノグラム

monogram|モノグラム

「世界のどこにもない まちの写真屋さん」をテーマに、2008年1月東京・学芸大学にてオープン。 プリントサービスをはじめ、こだわりのあるカメラ雑貨、革小物の販売、写真展示や教室等のイベント企画を展開中。

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