"撮る"ことへの意識が変わるよ。フィルムカメラを使ってみない?

"撮る"ことへの意識が変わるよ。フィルムカメラを使ってみない?

デジタルカメラ全盛の時代でも、「フィルムカメラ」は根強い人気。保有者の多くは、フィルムカメラでは、写真に対する思いや撮影時のスタンスが変わると語っています。今記事では、フィルム写真の素晴らしい名作の数々を紹介しながら、撮影時における意識の違いが魅力溢れる作品を生むことについて考察します。 (2015年05月18日作成)

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デジタルカメラの性能も飛躍的に進化し、印刷物もデジタ処理されている現在、カメラといえば「デジタルカメラ」。

けれども、そんなデジタルカメラ全盛の時代であっても、「フィルムカメラ」、「フィルム写真」に魅せられている人は数多くいます。

出典: g2slp.tumblr.com

デジタルカメラの性能も飛躍的に進化し、印刷物もデジタ処理されている現在、カメラといえば「デジタルカメラ」。

けれども、そんなデジタルカメラ全盛の時代であっても、「フィルムカメラ」、「フィルム写真」に魅せられている人は数多くいます。

フィルムカメラを保有する多くの方々は、フィルム写真にはデジタルカメラで撮影された写真にはない魅力、独特の味わいがあるといいます。

その理由として、“撮影対する心構え”や“撮影対象への思い入れ”が、「デジタルカメラ」と「フィルムカメラ」では異なることをあげています。

出典: www.pinterest.com

その理由として、“撮影対する心構え”や“撮影対象への思い入れ”が、「デジタルカメラ」と「フィルムカメラ」では異なることをあげています。

【画像は、シドニーを拠点に活動する写真家・マルクス・アンデルセン(Markus・Andersen)の作品】

今記事では、フィルムカメラの基本を先述し、フィルム写真の素晴らしい作品の数々とともに、フィルムカメラでの撮影意識が魅力溢れる作品を生むことについて考察します。

出典: www.pinterest.com

今記事では、フィルムカメラの基本を先述し、フィルム写真の素晴らしい作品の数々とともに、フィルムカメラでの撮影意識が魅力溢れる作品を生むことについて考察します。

フィルムカメラの基本 ―デジタルカメラとの違い―

"撮る"ことへの意識が変わるよ。フィルムカメラを使ってみない?

出典: blog.goo.ne.jp

基本構造と記録媒体

カメラには様々な種類がありますが、レンズを通して画像を記録するという基本的原理はどれも同じ。フィルムカメラもデジタルカメラも基本的な構造に大きな違いはありません。大きく異なるのは“記録する媒体”です。

【画像は銀塩フィルムカメラの基本構造】

【デジタルカメラの基本構造】

フィルムカメラの記録媒体

"撮る"ことへの意識が変わるよ。フィルムカメラを使ってみない?

出典: yoyucky.ni-3.net

フィルムカメラの記録媒体は「フィルム」です。
感光剤が塗布されているフィルムは、光を当たると化学反応を起こし、この化学反応が“像”となって記録されます。記録されたフィルムは、光のない「暗室」で現像し、光の下で目にできる「(現像済みの)フィルム」となります。「フィルム写真」は、現像済みのフィルムを印画紙に焼き付け(プリント)たものです。
【画像は「YAHICA Classic mini」】

出典: tokyuwalker.com

【画像は「YAHICA Classic mini」】

デジタルカメラの記録媒体

一方デジタルカメラでは、カメラ内部に取り込んだ光を“イメージセンサー(撮像素子)”で受けてから電気信号に変換します。電気信号は増幅器にかけられた後に、画像処理エンジンにより画像に変換され、メモリーカード等の記録媒体(記録メディア)に記録します。
【コンパクトデジタルカメラの内部構造】

出典: kankoku-keizai.jp

【コンパクトデジタルカメラの内部構造】

デジタルカメラの大きなメリット

【デジカメで撮影した高画質の画像も、現在では簡単にスマートフォンやタブレット端末に転送可能。】

出典: kakaku.com

【デジカメで撮影した高画質の画像も、現在では簡単にスマートフォンやタブレット端末に転送可能。】

現在主流であるデジタルカメラ。デジタルカメラで撮影するメリットは様々にありますが、特に以下の3点はフィルムカメラにない大きな利点です。

1.デジタルカメラで撮影した画像は、撮ったその場で確認できる。
2.不要な画像は、簡単なボタン操作で瞬時に削除できる。
3.フィルムや現像代が不要で、費用がかからない。

デジカメのメリットは、デメリットに。

【画像内の撮影者は、先に紹介したMarkus Andersen氏】

出典: www.iso1200.com

【画像内の撮影者は、先に紹介したMarkus Andersen氏】

現在では、印刷業界のデジタル化に伴い、たとえフィルムカメラで撮影された写真であっても“デジタル化”されて雑誌やウェッブ等の媒体にのせられています。
デジカメの利点はそのままフィルムカメラの欠点であり、またフィルム写真であっても発表する媒体ではデジタル化されるのにもかかわらず、多くの人々が「フィルム写真」に魅せられ、フィルムカメラでの撮影を楽しんでいるのは一体何故なのでしょうか?

【画像は米国の写真家ヴィヴィアン・マイヤー(Vivian Maier)の作品「Self-Portrait, 1954」】

【生前全く無名のアマチュア写真家だったヴィヴィアン・マイヤー。残された写真群はどれも完璧なまでの構図。】

デジカメは安易にシャッターを切りがち…

デジタルカメラもフィルムカメラも使い、フィルム写真に魅力を感じる人々は、デジカメの利点は、対象(被写体)へのアプローチや洞察の足かせとなってしまうことを、その大きな理由としてあげています。

特に、不要な画像を瞬時に削除でき、フィルムや現像代が不要のデジカメは、撮り直しが出来るため緊張感に欠け、構図や対象への検討、撮影に臨むスタンスや撮影意識が曖昧なままに、安易にシャッターを切りがちであるとしています。

【マイヤーは生涯を独身で通し、約10万枚もの写真を遺しています。その写真は誰にも見せませんでした。詳細を知りたい方は、映画『Finding Vivian Maier(ヴィヴィアン・マイヤーを探して)』(2014年)を 。】

【マイヤーは、モノクロ写真だけではなく、カラー写真も残しています。構図や色彩、バランス等、魅力的要素が沢山ありますが、特に素晴らしいのは、鑑賞者が写真から物語を紡げること。】

フィルムカメラを使うメリット ―魅力ある写真を撮るために―

対象への観察が不十分であることや、何をテーマにしているのか、あるいは何を訴えたいのかが明確でない写真が魅力的に映らず、心に訴えてこないのは、多くの芸術作品が証明している通り、説明しなくても明らかです。
【画像は、ファッションモデルから写真家に転身し、ヴォーグやマリー・クレール等有名ファッション雑誌で活躍した写真家、サラ・ムーンの作品。切なくも美しい一つの物語を感じさせるような一枚。】

出典: ameblo.jp

【画像は、ファッションモデルから写真家に転身し、ヴォーグやマリー・クレール等有名ファッション雑誌で活躍した写真家、サラ・ムーンの作品。切なくも美しい一つの物語を感じさせるような一枚。】

もちろんデジタルカメラでも、上述したようなスタンスで撮影する人は、プロアマ問わず多く存在します。しかしその大方の人々は、フィルムカメラでの経験やスケッチやデッサン等美術教育経験等を通じて、そうした心構えやスタンスを養った人々です。
【画像は、サラ・ムーン(Sarah Moon)による自身のポートレイト「Sarah Moon by Sarah Moon」。被写体であるサラの豊かで濃密な人生すらも感じ得るような見事な作品。サラは、売れっ子モデルになる前、アートスクールで学んでいます。】

出典: www.pinterest.com

【画像は、サラ・ムーン(Sarah Moon)による自身のポートレイト「Sarah Moon by Sarah Moon」。被写体であるサラの豊かで濃密な人生すらも感じ得るような見事な作品。サラは、売れっ子モデルになる前、アートスクールで学んでいます。】

フィルムカメラが養う撮影意識

良い作品を創造しようとする撮影者は、“シャッター切る瞬間”まで、十分に被写体を観察し、作品のテーマを明確にします。そして、イメージを膨らませ、そのイメージやテーマに見合う、カメラやフィルム、構図や光の量等などを検討します。それは、デジタルカメラもフィルムカメラも変わりません。

【画像は、ファッションフォトグラフィ、ポートレイトで名を馳せた、米国の写真家アーヴィング・ペン(Irving Penn)の作品。】

【画像は1946年の「Vogue・に掲載されたIrving Pennの作品】

しかし、一度カメラ内部に光が入った瞬間、画像がフィルムに焼き付けられてしまうフィルムカメラは、やり直しがきかず、現像・プリントを経なければ、撮影画像を目にすることが出来ません。また、失敗したと思われる画像に対してもコストを支払う必要があります。

コストや時間がかかり、最後まで画像を確認できない「フィルムカメラ」使用時の方が、一枚一枚大切に撮ろうとする“意識”が働きやすく、またそうした姿勢が養われやすいのは、自明の理です。

【彼は、良い写真とは、鑑賞者に事実を伝え、心を動かし、何らかしらの影響を与える、一つの効果的な言葉であると述べています。】

一枚一枚に込める思い入れが働くからこそ、撮影という行為そのものに満足を感じ、撮影されたフィルム写真に物語が生まれるのです。多くの人々が、デジタルカメラ全盛であってもフィルムカメラを用いるのは、一枚一枚を大切に撮ろうとする“意識”が自ずと働くからこそ。そうした思いや心構えがフィルム写真を魅力的にさせるといっても過言とはならないでしょう。

おわりに

もし、デジタルカメラで撮影された画像に物足りなさを感じているならば、カメラやフィルムの性能等の技術的な検討よりも先に、"撮る"ことへの意識について今一度考えてみましょう。
【画像は、今話題のウクライナの写真家、オレグ・オプリスコ(Oleg Oprisco)の作品。オレグ・オプリスコは、たった50$で手に入れた、ロシアのダイアル式ヴィンテージカメラ「キエフ60」を用いて撮影しています。】

出典: www.boredpanda.com

【画像は、今話題のウクライナの写真家、オレグ・オプリスコ(Oleg Oprisco)の作品。オレグ・オプリスコは、たった50$で手に入れた、ロシアのダイアル式ヴィンテージカメラ「キエフ60」を用いて撮影しています。】

デジタルカメラとフィルムカメラでは、撮影に臨む意識が異なります。
デジタルカメラのモニターに、対象を観察する眼や物事を洞察する眼の役割を担わせるのではなく、自分自身の眼を用いて主体的に作品を創造しようとする意識を持ちましょう。


【オプリスコは、事前に決めたコンセプトに従って、モデルの服作り、ロケーション先の選定等の事前準備を全てを自身でこなし、それを理想としています。また作品の中心となる色を“頭の中で”決めてからシャッター切ると語っています。】

出典: www.boredpanda.com

【オプリスコは、事前に決めたコンセプトに従って、モデルの服作り、ロケーション先の選定等の事前準備を全てを自身でこなし、それを理想としています。また作品の中心となる色を“頭の中で”決めてからシャッター切ると語っています。】

コンパクトでも、一眼レフでも、借りたカメラでも、フィルムカメラを用いれば、きっとその意識が目覚め、養われるはずです。心の底から満足のいく一枚をどうぞ手にして下さい。

information

記事内で紹介したMarkus Andersen氏のドキュメント映像です。実際の撮影シーンと作品が重ねられて紹介されています。撮影者の視点や観察眼がよく分かる映像です。ぜひ参考にしてみましょう。

Film Photographer Profile - Markus Andersen

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