「フィルム写真」って何?
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フィルム写真とは文字通りフィルムで撮った写真のこと。スマートフォンやSDカードを入れるような一眼レフではなく、ロール状になったぺらぺらのフィルムに像が焼き付いて写真になります。焼きつく、という感覚もよく分からないと思います。
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小学生の頃に理科の実験で虫めがねに光を集めて紙を焦がしたことありませんか?フィルム写真はそれと同じ要領で光をレンズで集めてフィルムにその濃淡を焼き付けています。その仕組みは奥が深いので詳しくはまたの機会に。
用意するものは2つだけ
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フィルム写真が何か少し分かったところで、次はフィルムとフィルムカメラについてお話ししようと思います。この二つさえ揃えれば、もう撮り始められます。
1.フィルム
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フィルム写真は、フィルムで半分以上が決まるといっても過言ではありません。
初めての方にまず試して欲しいのは35mmのカラーネガフィルム。フィルムの値段はまちまちで、それぞれ個性があります。初めは有名メーカー2社の大まかな雰囲気で選ぶと良いと思います。(同じメーカーの中でも質感はかなり違うこと、また撮影条件によっても写真が変わってきます。)
FUJIFILM
青、赤が強いのが特徴で、透明感があります。
Kodak
黄、緑が強いのが特徴で、レトロな暖かみのある写真になります。
2.フィルムカメラ
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世の中には数えきれないくらいたくさんのカメラがあります。私自身何台もカメラを持っていますが、それぞれ個性があってどれも魅力的で きりがないので、はじめての方にはこれ!というカメラだけを挙げたいと思います。
最初の一台にはオートフォーカスのコンパクトカメラ!
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まず見た目がかわいい!そしてコンパクトで気軽に持ち歩けるから撮りたいときにすぐ撮れる!
ここでは初めての人向けに、難しい操作のないものだけを5つピックアップします。
ここでは初めての人向けに、難しい操作のないものだけを5つピックアップします。
#1 OLYMPUS PEN EE シリーズ
PENシリーズはハーフサイズで撮れます。EESではなく、オートフォーカスのEEがおすすめ!
ハーフサイズについては後ほどQ&Aコーナーでご説明します。
ハーフサイズについては後ほどQ&Aコーナーでご説明します。
#2 Canon Autoboy シリーズ
#3 CONTAX T2
#4 FUJIFILM NATURA CLASSICA
#5 Nikon 35Ti/28Ti
フィルム一眼レフカメラとフィルムカメラが可愛いイラスト付きで紹介されています。
道具が揃ったら、さぁ、撮り始めよう!
その前に、まずフィルムをカメラに入れましょう。コンパクトカメラの充填はフィルムカメラの中でも一番簡単です。カメラによって入れ方がそれぞれ違うので「(カメラ名) フィルム 入れ方」で調べてみてください。(ここからは、コンパクトカメラをベースに紹介していきます。)
ここまで出来たら、あとはファインダーを覗いてシャッターを切るだけ。
この拍子抜けするような単純さもコンパクトカメラならでは。
この拍子抜けするような単純さもコンパクトカメラならでは。
何をどう撮るか。
ポートレートや風景、カフェもペットも、日常から旅まで。被写体は何でも良いと思います。
どう撮るか、それも自由です。
時間をかけて撮ったその一枚には、たくさんの思い出がついてきます。フィルム写真の良さは、撮った光景を再び目にするまでのタイムラグにあると思います。現像から帰ってきた写真を見たとき、普段とは違う感動が必ずあるはずです。
どう撮るか、それも自由です。
時間をかけて撮ったその一枚には、たくさんの思い出がついてきます。フィルム写真の良さは、撮った光景を再び目にするまでのタイムラグにあると思います。現像から帰ってきた写真を見たとき、普段とは違う感動が必ずあるはずです。
それでも、なんだかなぁと思うかもしれません。5年近く撮っていてもまだまだ納得いく写真ばかりではないですが、ひとつ、アドバイスできることがあるとしたら、「好きな写真」を見つけて たくさん見ることです。そうしているうちに、撮りたい雰囲気に自然となっていきます。この写真も見返してみたら、好きなフォトグラファーの方の光の雰囲気と似ている気がします。
撮り終わったら
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撮り終わったら、フィルムを取り出して「現像」に出しましょう。ここで注意。撮りきらないうちに、カメラの蓋を開けてしまうとせっかく撮った写真が今後一生見られなくなってしまいます。必ず一本全部撮り終わってから蓋を開けてください。
現像って?
フィルムの最初の一枚は必ずこんな風に部分的に「感光」した状態になります。これは正常な状態なので大丈夫。失敗例もQ&Aで紹介するのでそちらもぜひ。
先ほど言ったように、フィルムは光に当たったところは「感光」して像が写らなくなってしまいます。それを薬品で処理して実際に目にすることができる状態にすることを現像と言います。
「現像」と「プリント」は混同してしまいがちですが、実は全く別の作業、工程なのです。
実際にやってみると分かりますが、現像したネガ自体に色がついているようには見えません。それを、特殊な光に当てて色の情報を読みだして(場合によっては調整して)紙に転写することをプリントといいます。
実際にやってみると分かりますが、現像したネガ自体に色がついているようには見えません。それを、特殊な光に当てて色の情報を読みだして(場合によっては調整して)紙に転写することをプリントといいます。
どこでできるの?
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まずは近くの写真屋さんで現像してもらえるか聞いてみてください。家電量販店の中や駅にあることもあります。いわゆる「写真」の形になって自分の手元に返ってくるまで、どれだけ早くても少なくとも1時間はかかります。特別な処理をするために時間が必要だからです。
写真屋さんが近くにない。そんな時は、郵送プリントサービスを利用しましょう。「郵送プリント」で検索すると、現像してくれるお店が出てきます。携帯でも見たいときはデータ化もお忘れなく。
データ化してもらったら
基本的にはCDなどの記録媒体で返ってくると思います。私の場合ですが、そのCDをPCに取り込んで、PCから直接SNSにあげています。
はじめての方へQ&A
Q.フィルムカメラはネットオークションで買って大丈夫?
A.はじめてならやめておいた方がいい。
これでは、さすがにどういう思いで撮ったのか、あるいは何が映っていたのか、撮った本人にも分かりません。
ネットオークションでは実店舗とは比べ物にならないほど破格の値段で売っています。ですが、それは主にカメラを自分で直せるような玄人向けです。実際、そのように部品の取替えにしか使えないものもあります。写真を見て その商品の状態が判断できるようになるまでは、なるべく自分で足を運んで買って欲しいです。
もし仮に、オークションで格安で買ったとしましょう。初めてのフィルム写真、時間をかけてじっくり撮りますよね。でも、気づいていないだけでカメラは壊れていたら?それに気づかずに最後まで撮って、蓋を開けてみたら何も写ってませんでした、ではあまりに悲しすぎます。
だから、はじめてのフィルムカメラはお店の人の手から直接買ってほしいのです。
もし仮に、オークションで格安で買ったとしましょう。初めてのフィルム写真、時間をかけてじっくり撮りますよね。でも、気づいていないだけでカメラは壊れていたら?それに気づかずに最後まで撮って、蓋を開けてみたら何も写ってませんでした、ではあまりに悲しすぎます。
だから、はじめてのフィルムカメラはお店の人の手から直接買ってほしいのです。
Q.フィルムの後ろに書いてある数字って何?
A.ISO感度。もしくはフィルムのサイズ。
感度がずれていると性能のいいカメラでもカバーしきれず見たままに写りません。
ISO感度とは、光を感知する能力の値のことで、数字が大きいほど暗いところでも撮りやすくなります。400が最も一般的で、それより下(100や200)は晴天の日など明るいところでの撮影に向いていて、それより上(800や1600)は夕暮れなど暗めなシチュエーションでも撮れます。
フィルムのサイズは主に2種類で、135フィルムか120フィルムと呼ばれます。説明が長くなってしまうので簡潔に言うと、135または35と書いてあるフィルム(今回紹介したのはこれ)を選んでください!
Q.撮った写真はどうやって見るの?
A.残念ながら一本撮り終わるまで見られません。
フィルムで撮った写真は光に当たると消えてしまうフィルムという媒体に記録されているので、特殊な処理(=現像やプリント)をしない限りその写真は見ることはできません。
Q.ハーフカメラって?
A.通常の半分で一枚とカウントするカメラのこと。
...って言われても意味が分かりませんよね。
最初にフィルムはロール状になっているとお伝えしましたが、通常その長い一巻きに対して横向きの像が写って一枚となります。ハーフサイズというのは、その一枚の半分くらいに(=ハーフサイズ)に縦向きの像を写してそれを一枚として写真にできるのです。
つまり、他のカメラで撮るより多く取れるということです。フィルムには◯枚撮りという表記が必ずされていますが、フィルム入れ方にもよりますが、ハーフカメラではその倍近い枚数を撮ることができます。
注意したいのは通常の一枚分に2コマ入っているという性質上、現像するお店によっては真ん中に黒い仕切りの入った2枚1セットで一枚の写真として返ってきます。(Canon PEN EE シリーズの一枚目参照)
ハーフカメラで撮った場合はその旨を必ず前もってお店の人に伝えて、相談してみてください。別々にしてくれるところもありますが、枚数が多くなる分プリント料金も高くなります。
最初にフィルムはロール状になっているとお伝えしましたが、通常その長い一巻きに対して横向きの像が写って一枚となります。ハーフサイズというのは、その一枚の半分くらいに(=ハーフサイズ)に縦向きの像を写してそれを一枚として写真にできるのです。
つまり、他のカメラで撮るより多く取れるということです。フィルムには◯枚撮りという表記が必ずされていますが、フィルム入れ方にもよりますが、ハーフカメラではその倍近い枚数を撮ることができます。
注意したいのは通常の一枚分に2コマ入っているという性質上、現像するお店によっては真ん中に黒い仕切りの入った2枚1セットで一枚の写真として返ってきます。(Canon PEN EE シリーズの一枚目参照)
ハーフカメラで撮った場合はその旨を必ず前もってお店の人に伝えて、相談してみてください。別々にしてくれるところもありますが、枚数が多くなる分プリント料金も高くなります。
余談ですが、組写真という撮り方をご存知ですか?二枚以上で1つのストーリーを構成する撮り方のことで、ハーフカメラは特にそれがやりやすいので、この機会に挑戦してみるのもいいかもしれません。
Q.ズームはどうやるの?
A.ズームはできないものが多いです。
ズームはズーム機能が付いているカメラでしかできません。先ほどご紹介したコンパクトカメラのほとんどはズーム機能がありません。寄りたいときは自分の足で近づくしかないのです。普段はない、そのひと手間が思い出をより一層濃いものにするはずです。
最後に
今回は「初めての方向け」に、かなり的を絞って書かせていただきました。奥深いフィルムの全てを説明できてはいません。
注意しなければいけないことは、実はまだまだ山ほどあります。しかし、その注意がなるべく少なくて済むようなカメラ、フィルム、その扱い方、現像方法をお伝えしました。でも、実際には、それを全て知っていても上手くいかないことはあるんですよね。
注意しなければいけないことは、実はまだまだ山ほどあります。しかし、その注意がなるべく少なくて済むようなカメラ、フィルム、その扱い方、現像方法をお伝えしました。でも、実際には、それを全て知っていても上手くいかないことはあるんですよね。
わたしはフィルムの良さはいつまでも不確かなところにあると思っています。
現像するまでちゃんと写っているか不安で、それで帰ってきた写真の美しさに感動して、あるいは失敗してしまった写真でさえも、その時の情景をとても鮮やかに思い出させてくれます。また、それと同時に、同じ光景は二度と見られないんだということを強く感じます。
まずは、とにかく一本、撮ってみてください。その底なしの魅力に、気がついたら次のフィルムを探し始めているはず。
この記事がフィルムデビューのきっかけになれば嬉しいです。
現像するまでちゃんと写っているか不安で、それで帰ってきた写真の美しさに感動して、あるいは失敗してしまった写真でさえも、その時の情景をとても鮮やかに思い出させてくれます。また、それと同時に、同じ光景は二度と見られないんだということを強く感じます。
まずは、とにかく一本、撮ってみてください。その底なしの魅力に、気がついたら次のフィルムを探し始めているはず。
この記事がフィルムデビューのきっかけになれば嬉しいです。
透き通るような質感。