「収納の基本」って何ですか?
「収納」とひとことで言っても、「見せる収納」や「子どもが片付けやすい収納」、さらには「モノ自体を整理する方法」など、いろいろあります。
今回は、おしゃれなインテリアや日々の暮らし方など、ご自身のライフスタイルを発信しているインテリアブロガーさんに、「収納の基本」とそれぞれの暮らしに合わせた「収納のコツ」について答えていただきます。
自分や家族に合った収納方法を探してみてくださいね。
『Ducks Home』mikiさん
『少ない物ですっきり暮らす』やまさん
『サチ…あれ♪~北欧インテリア~』サチさん
『Ducks Home』mikiさん
「お気に入りのアイテムをオープン棚に並べた『見せる収納』や、大好きな『かご』を使っています」
ひとつひとつ、“心から好き”と思えるものを吟味して集めてきたので、使っていない時でも、そこにあるだけで気分をグッと上げてくれるんです♪
この『見せる収納』は、当たり前ですが使用中は棚にポッカリと「隙間」が生まれます。
私の場合、この「隙間」が気になって早く埋めたい! という心理が働くので、必然的に“使ったらすぐに片付ける”、という行動につながります。インテリアを楽しみながらも、キレイを保てるのでおすすめですよ。
そのままだと散らかって見えるものも、かごにまとめるだけでスッキリとした印象に♪ ポンと置くだけで、インテリアに温かみが出るところもお気に入りです。
mikiさん:
POINT①「まずは、ベースの色を“3色までに抑える”ことを意識してみて」
黒、シルバー(白)、そして木やかごなど天然素材の色(ナチュラル)を中心にセレクトして。形や大きさが様々なキッチン雑貨も“色数を抑えること”で、スッキリとまとまりますよ。
例えば、細々としたものは、シェーカーボックスやブレッドボックスに収納してスッキリと。コーヒーセットやキッチンクロスも、かごやバスケットにまとめることで、全体のバランスがとりやすくなりますよ。
mikiさん:
「『かご』は収納に困った時の強い味方です! わが家の使い方をご紹介します」
ざるやカッティングボードを入れて
キッチンでは、ざるやカッティングボードをまとめて。
湿気が大敵な天然素材のアイテムも、通気性の良い『かご』なら安心して収納できます。こちらは「ワランワヤン」さんのかごバッグ。
「椀かご」には、根菜を入れても
木製の器や、大切な作家さんの器などを干す時に大活躍の『椀かご』は、水切りとしてだけでなく、食器の収納や根菜類の保存にも使えます。
夏は「市場かご」にドリンク類を入れて
夏になるとキッチンの入り口に『市場かご』を置いて、冷たい飲み物のストック入れに。
床に直に置いても雑多な印象にならないところが、かごの最大の魅力だと思います。
愛犬のお手入れグッズをまとめて
わが家の愛犬・ちくわのお手入れグッズも、「ワランワヤンのかごバッグ」にひとまとめにしてソファ横へ。
持ち手付きの『かごバッグ』なら、掃除の際も簡単に持ち運べて便利です♪
ごちゃつく「ルーター類」を入れて
そのままだと、ごちゃごちゃするルーターやコンセントなどのコード。『白樺のかご』に入れるだけで、ナチュラルなインテリアに馴染んでくれています。
※熱がこもらないようにご注意くださいね。
mikiさん:
「私のお気に入りの収納グッズは『シェーカーボックス』です」
憧れの井藤昌志さんのシェーカーボックスは妹からの誕生日プレゼント。細部まで丁寧な作りで、惚れ惚れする美しさです。
キッチンでは紫外線と乾燥が苦手な、漆器のお椀やジャムのストックを収納しています
リビングでは家具のメンテナンスオイルを収納。
小さいサイズのシェーカーボックスには、病院で処方されたお薬を入れることも。テーブルやキッチンなど目につきやすい場所へそのまま移動させて、飲み忘れを防いでいます。
北欧インテリアブログ『Ducks Home』主宰。著書は『Ducks Home~シンプル北欧スタイル暮らし~』(宝島社)
『少ない物ですっきり暮らす』やまさん
「テーマを明確にして、仕組みを作ること。それがミニマリストの収納術です」
【今、何が大切か?】というテーマ(目的)を持ち、それに合わせた『仕組み』を作る。
そして、その他の必要のない要素は削る。
それが、ミニマリストの収納術です。
生活の変化によって、テーマ(目的)も変わる
しかし、だんだんと子供達が大きくなり、“自分で管理できること”へとテーマが変わり、“どこに何があるのか”が分かる『見える化収納』へと変わっていきました。
生活の変化によって、テーマも変わります。
どうすれば達成できるか、トライし続けることが大切です。
やまさん:
「触らない・使わない・見ない・思い出さない。迷うものは一旦モノを保管箱に入れてみましょう」
でも、私自身もいきなりモノをポン!と捨てたりしません。一気に捨てたり、一度に整理する場合は、先に『テーマ(目的)』を決め、それに合わないものは手放すようにします。
どんどん増える「本」の判断方法
読みたい本を全部持とうとするとキリがないので、本棚に入れるのは『テーマ』の本のみに。
『今年はダイエットでマイナス5キロ!』という目標を立てたら、グルメ本は手放す。
そう考えると、分かりやすいですよね。
一旦、すべて箱に「一時保管」する方法も
箱から出さない・思い出さないモノは、今は【必要ないモノ】です。
頭でアレコレ考えるより、“箱から出すか・出さないか”で見極めましょう。
やまさん:
「私もそうです!だからこそ、『しまう(見えない)』ではなく、『分かる(見える)』状態にしましょう」
『見える化』収納のコツ
②扉を取る(扉を使ってもガラスなど、中身が見える透明・半透明のものに)
③モノが重ならない・隠れないように、『横一列・吊るす・立てる』の方法で収納する
『見える化収納』は、1回の動きで『取る・戻す』が完了するメリットも。
収納は、『すぐに取れること』にフォーカスされがちですが、散らからない部屋を作るには、『元に戻す』動きが重要なんです。
『ラクに戻す』収納のコツ
②収納用品は透明・半透明にして『中身が見える』ように
③『ラベリング』で戻す位置を明確にする
④『置くだけ』という動きだけで、元に戻せるようにする
クローゼットも『見える化』収納に
クローゼットでは、洋服は吊るして収納し、バッグやオフシーズンの服は無印良品の『ステンレスワイヤーバスケット』に入れて収納しています。以前は、バッグはバッグの中に入れて収納していましたが、中に何が入っているか分からないと、家族からのクレームが。
オフシーズンの衣類も同様。中が見えない衣類ケースの使用をやめ、中が見える収納に変えたことで、「あの服どこ?」「あのバッグ出して」と言われなくなりました。
『見える化』しても生活感を出さないコツ
『基本は3色』と色を限定する。それだけです。
リビングに置く文房具などは、シンプルな『白』をセレクト。時々、アクセントとして『黒』も加えます。白と黒の色の配分は気にしながら、家族が共有で使うモノを選んでいますが、個人所有のモノには口出しはしません。
見える範囲の文房具などの小物の色がまとまるだけで、かなり美的収納へ近づけますよ。
やまさん:
「無印良品の『ステンレスワイヤーバスケット』は、何にでも使えて重宝しています」
ダイニング・キッチン・寝室・脱衣所・子供部屋と、どこでも幅広く使える上、テイスト的にも男女関係なく使えるので、夫や息子、娘と家族全員の収納に使えるのも◎
ステンレス製なのでサビにくく、キッチンや洗面所などの水場でもOK。使う場所を選びません。耐久性も高く、この先何十年も使えそうなのもいいですね。
ミニマリストブログ『少ない物ですっきり暮らす』主宰。著書は『少ない物ですっきり暮らす』(ワニブックス)、『無印良品とはじめるミニマリスト生活』(KADOKAWA)、『服を捨てると幸せが見つかる』(SB Creative)、『シンプル思考ですっきり身軽に暮らす』(マイナビ)、7月28日には『ミニマリスト、親の家を片づける』(KADOKAWA)が出版されます。
『サチ…あれ♪~北欧インテリア~』サチさん
「私が収納で重視しているのは、『アクション数』と『色数』です」
私は面倒くさがりなので、動作の数が増えると「出しっぱなし」が増え、部屋が散らかる原因にも。
ワンアクションなら「時短家事」にも
また、子どものおもちゃ収納もアクション数を減らすことで、お片付けのハードルが少し下がりますよ。
色数を「2色」に絞って
子どものおもちゃなどをしまっている、キッズスペースの収納グッズは、ホワイトをベースにブルーをアクセントにして、「色数を2色」に絞っています。
カラフルなおもちゃは、中身が透けない『白いボックス』に収納して。
中身が見えないので“すっきり見える”効果はもちろん、お片付けや着替えの最中に“おもちゃに気を取られてしまうのを防止する”効果もあります。
サチさん:
「たくさんの種類があるおもちゃ類は、収納ボックスを『ジャンル別』に分けてみて」
わが家では子どもが3歳ごろから、『ジャンル別』に収納ボックスを分けて、『仕分け収納』を始めました。
使う時もしまう時もボックスごと
例えば、『レストランごっこ』のときに使うおもちゃと、『お買い物ごっこ』の時に使うおもちゃは、レジやお金など共通するものがあるので同じボックスに収納しています。
使うときはボックスごとおもちゃを持ち出し、片付けるときもボックスごと収納場所に戻すだけ。単純な仕組みなので子供にも分かりやすいようです。
サチさん:
「『ラベリング収納』は、“分かりやすさ”と“続けやすさ”を第一に考えて」
わが家では、おもちゃはラベルライターで「ひらがなのラベル」を作って貼っています。
写真を貼る方法もありますが、日々増減するおもちゃ。その度に、写真を撮り直して貼り換えるのは面倒なので、簡単な方法に落ち着きました。
文字ではなく、数字をつかっても
ブロックや積み木は、持ち運びしやすい取っ手付きのバケツに入れて。
バケツにはワンポイントの数字を貼って、自分流にアレンジ。フェルトを切って、両面テープで貼り付けるだけ。
子どもが小さい頃は、『2番にお片付けしてね』などと声掛けをしていました。
イラスト付きのラベルも便利です
子どもの服は、IKEAの収納ボックス『トロファスト』に、100円均一のキャンドゥで購入した、『イラスト付きのラベル』を貼って。
下着・トップス・ボトムスと仕分けて収納して、左から順に取っていけば着替えが完了するように動線を考えたので、ひとりでも簡単にお着替えができます。
サチさん:
「真っ白の『カラーボックス』と『収納ボックス』を組み合わせて使うと便利です」
真っ白のカラーボックスに、真っ白の収納ボックスを入れて。収納アイテムを白に統一することで、すっきり見えます。
専用のアイテムを追加してカスタマイズして
カラーボックスに、専用のレールと大・中・小の収納ボックスを組み合わせることで、便利な引き出しにも。様々な大きさのおもちゃをすっきりと収納できて便利です。
専用アイテムは、吉川国工業所の「JUST・IT」を使用しています。楽天などでも購入できますよ。
北欧インテリアブログ『サチ…あれ♪~北欧インテリア~』主宰。著書は『サチのすっきり暮らす北欧インテリア』(宝島社)また、モビール作家としても活躍。
自分に合った「収納」を見つけて
生活のスタイルが変われば、収納もそれぞれ。
“どんな暮らしがしたいのか”を一番に、自分や家族に合った収納方法を試してみてくださいね。
基本の3色に、わが家のテーマカラーでもある、大好きな「黄色」をちょこっと足して。
オープンタイプのキッチンなので、リビングのインテリアとのつながりも意識するようにしています。