それを叶えてくれるのは、丹念なものづくりがあってこそ生まれた珠玉の作品。
日常にスッと溶け込み「あぁ、明日も明後日も着けたい」という気持ちにさせてくれる。
現代を生きる女性は時間に追われがち、だからこそtamaki niimeの作品がそっと寄り添ってくれる安心感ったらない。
歴史ある播州織(ばんしゅうおり)を柔軟に扱い、「今」のカタチへ。
伝統と独自のセンスそして未来への想いが落とし込まれた、日本が誇るべき唯一無二の世界観がここにはある。
播州織作家 玉木 新雌(たまき・にいめ)の誕生
衣類と化粧品販売を家業とするご両親の元、仕入れ先に付いて行き自分のものを選ぶことがとても楽しみでした。
幼少期からすでに洋服が好きで、将来は服を作る仕事がしたいという夢を持つようになります。
「大学で学術的なことを学んだので、さらにコアな製作技術を身に付けるために専門学校へ進学しました。学内のファッションショーに作品を出品するような機会もありました」
専門学校では、パターンやブランディングという実践的なスキルアップを重ね、その頃から自分のブランドを展開したいという想いをあたためていたそうです。
今のスタイルを確立するまで
その頃に現代のデザインにおいて必須ともいえるCAD(キャド)を習得するなどし、2年が経過した2004年に退職。
そうして、tamaki niimeの立ち上げとなるのです。
「地元の福井県勝山市も織物業は盛んですが、化学繊維を導入していることなどから自分の作りたいものはかけ離れていると感じ断念しました」
故郷へ帰ることはなく、自分のものづくりに最適な場所を探し求めて辿り着いたのが兵庫県西脇市。
その土地に根付く播州織(ばんしゅうおり)に惚れ込み、玉木さんが一番好きな素材であるコットンを使用した織物であることは、決めてのひとつでもありましたが、なにより糸を先染めするという手法に将来性を見出したのです。
染めた縦糸と横糸が織り上げていくことによる重なりは多彩であり、時には予期せぬ風合いを生み出す。
そのことが、後に玉木 新雌さんの代表作となるショールの誕生にも繋がるのです。
実際に「織る」という工程は西脇の職人に依頼をして完成させていたといいます。
「そんな中、西脇市から播州織産業の復興のため同市に直営店を出さないかというお話しをいただき出店することになりました」
早々に直営店で自身が手掛ける商品を販売員を立たせて販売するも、苦戦を強いられました。
「そこで、実際の動向を生で見てみたいと思い、私自身が現場に滞在して3か月間お店に立ってみたんです。売れ行きもですが、この体験がより良いものづくりが出来るという気付きをくれました」
作業自体の時短もそうですが、なにより生地の織りはじめから立ち会えるので細やかにお願いが出来ることで、もっとおもしろいもの作りが可能だと確信しました。
そうして西角さんにお願いしていた織るという重要な行程も、自ら機械の前に立つように。
老齢化がすすむ業界で、昔から現場で奮闘する人を頼ることをやめて技術を教わり糸を染める工程も全てこなすように努めました。
当初は、プライドを持ってその品質を守り続けている地域だからこそ関わっていく難しさもあったのだとか。
奮闘するうちに玉木さんの想いと丁寧な姿勢が通じ、廃業したから機械を譲ってくれるようになるなど理解者も増え、玉木さんにとって西脇は第二の故郷と呼べる場所になりました。
tamaki niimeの織物
どんな時も、リラックスした気持ちで取り組むのが玉木流。
先にも触れたショールは、あまりにもやわらかい生地が完成したためシャツに縫製することが困難でした。
そこで、ひらめいたのがどんな使い方も出来る巻物として提案するということ。
そう、あのフワフワで肌が喜ぶ質感のショールは自然な流れで誕生した賜物なのです。
通常は均一に染めるところをそうすることで、生地の見え方、表情が豊かになります。
糸が仕上がり、織機で生地になったものを洗って、天日干し、最終仕上げ、販売までを自社のShop & Labで丁寧に行います。
今では、コットンの栽培もしているというのだから喝采を送りたくなります。
現在のメイドインジャパンが減りつつある状況に、明るい希望として自社で採れた種を農家さんにお裾分けして収穫されたコットンを買い取るというシステムも作ったのです。
それもまさにご縁の連続。
海外在住者が、日本でを購入したtamaki niimeを持ち帰り身に着けたところ噂になるなど、そのデザイン性と品質の高さが海を越えて評価されているという吉報が相次ぎました。
また、ショールにはじまり衣類全般から子供服まで揃うようになったのは、日本に根付く贈り物文化も理由もあるそう。
「せっかくなら納得出来るものを贈りたいし、姪っ子に可愛い洋服を着てもらいたい!」
「自分もスタッフも身に着けたいと思える作品で全身をコーディネートしたい!」
という憧れを持ってコツコツと歩んできたことが実りを得たのです。
tamaki niime推薦アイテムたち
くつなか
4C maru t HALF SLEEVES
4C maru t HALF SLEEVESの「4」は、4色という意味合い。
丸みを帯びた肩のラインが、やわらかいシルエットを作ってくれる。
肌触りの良さはいわずもがな、これからの暑い季節のお供にも◎
目を引く赤もtamaki niimeらしい色の取り合わせで。
パンツでもスカートでも好相性、どこへだって一緒に行きたくなる。
fuwa-T LONG
ふわっと上手に風を取りこみ、軽やかな着心地はストレスフリー。
さりげないライン模様がポイント。
スポッと身に着けやすく、小さくまとめて旅のお供にも最適。
パンツやレギンスとのレイヤードスタイルを楽しめる一着。
やわらかな生地は自由度が高いので、袖をクルクルと丸めるなど自分なりのアレンジで着こなしてみて!
まきまき
好きなように巻いて履けるスカートは、身体のラインを美しく演出してくれる。
調整可能な腰のリボンは、デザイン的にもポイントに。
明るいピンク色のボトムは、女性らしさを満開にしてくれる。
足元遊びもし易い、しっかりとした丈感。
夏は素足にサンダルの合わせは涼しげで、尚よし!
tamaki niime denim シリーズ
「デニムは、窮屈で好きじゃなかった」という玉木さんがデニムを製作したらこうなりました。
こんなにも開放感のあるデニムは、かつて存在しただろうかというほどにソフトタッチ。
ボリューミーでかわいいシルエットは、毎日履きたくなるワークパンツ間違いなし!
フロントは、ポケットを逆さまに装着したというデザインも独特。
夏はシンプルにカットソーとのコーディネートが、おすすめ。
ブルマ
膝下丈のデニムパンツ。
コロンとしたフォルムが愛らしく、お尻周りもゆるりとカバーしてくれるので見せたくなる後ろ姿に。
tamaki niimeのある暮らしを体感してみて
玉木さんは、常に新しい発想で喜びを運んでくれる存在。
例えば、訪れる人が西脇の自然の中でゆっくりと過ごせるようにと2年前に移転した直営店には、食事やお茶をしながら寛げるスペースを設けたり、代表作のショールは「暦シリーズ」というものを発案し、毎月どんな色合いでリリースされるのかというワクワクをくれています。
「新雌」というアーティスト名の通り、女性が活躍する新しい時代と共に進化し続ける頼もしい存在で、その作品を通して彼女の生き方や信念に励まされている人が多くいることも事実。
「さぁ、これを着けて今日もがんばろう!」
そんな気持ちにさせてくれるtamaki niime、ぜひその世界をあなたの目でも覗いてみて下さい。
「なんで靴の中で履くのに靴下と呼ぶのだろう?」
という素朴な疑問から誕生した、その名も「くつなか」。
自社で染めた糸を使用したもので、ひとつずつニュアンスが異なる一点もの。
カラーバリエーションも豊富なので、コレクションにして気分によって履き分けるのもあり!