鎌倉の新しいランドマーク【MUJI com】【Café&Meal MUJI】
2020年4月に鎌倉駅前に誕生したホテルメトロポリタン鎌倉。1Fには「無印良品」の店舗として鎌倉初出店となる【MUJI com】【Café&Meal MUJI】がオープンしました。
鎌倉駅東口から徒歩2分ほど、鶴岡八幡宮と由比ヶ浜海岸を結ぶ大通り沿いという絶好のロケーション。鎌倉の新しい注目スポットとして多くの人が訪れています。
鎌倉駅東口から徒歩2分ほど、鶴岡八幡宮と由比ヶ浜海岸を結ぶ大通り沿いという絶好のロケーション。鎌倉の新しい注目スポットとして多くの人が訪れています。
出典:www.muji.com
店内は、木材の温かみとモダンさが調和した居心地の良い雰囲気です。
厳選された無印良品の日用品が並ぶ【MUJI com】と、地域で採れる食材をふんだんに使い、注文を受けてから一品一品調理する【Café&Meal MUJI】。物販とレストランが同じフロアでつながり並んでいるのも、鎌倉店の特徴の一つ。
厳選された無印良品の日用品が並ぶ【MUJI com】と、地域で採れる食材をふんだんに使い、注文を受けてから一品一品調理する【Café&Meal MUJI】。物販とレストランが同じフロアでつながり並んでいるのも、鎌倉店の特徴の一つ。
今回は【MUJI com】店長の永尾亮さん(右)と【Café&Meal MUJI】店長の松木健太郎さん(左)に、鎌倉店の特徴や見どころを伺ってきました。
地域の暮らしに寄り添う店作り
鎌倉店のお店作りはオープン前から念入りに計画されてきました。「まちと作る、MUJIcom」をテーマにした事前イベントを鎌倉で開催。
「困っていることや期待することなど、地域へのヒアリングを行い、一緒に考えて店舗に反映しました」
と、【MUJI com】の永尾さん。
「困っていることや期待することなど、地域へのヒアリングを行い、一緒に考えて店舗に反映しました」
と、【MUJI com】の永尾さん。
事前ヒアリングでは、食品へのリクエストが多かったのだとか。住民の声を受けて、通常【MUJI com】では取り扱わない冷凍食品もこの通り。唐揚げ、餃子などのおかずから副菜、うどんやスイーツまで豊富に揃っています。
家庭での備蓄に便利なレトルト食品の品揃えにも力を入れたそうです。食品部門の人気者のカレーは、約41種類という圧巻のラインナップ。簡単に作れる上に無添加、味わいもバラエティに富んでいるのでファンが多いのも納得ですね。
【MUJI com】鎌倉店では隣接する【Café&Meal MUJI】とも連携し、扱う食品のアレンジレシピも発信しています。【Café&Meal MUJI】のシェフをはじめ、料理人として経験を積んできた店長の松木さんなど、食のプロによるアレンジはぜひ試してみたくなるものばかり。取材時は「いちごジャムサンドクラッカー」を使ったレシピを公開中でした。
アレンジレシピなどは、【MUJI com】鎌倉店の公式ブログや、無印良品の無料アプリ「MUJI passport」で鎌倉店をフォローすると見ることができますよ。
アレンジレシピなどは、【MUJI com】鎌倉店の公式ブログや、無印良品の無料アプリ「MUJI passport」で鎌倉店をフォローすると見ることができますよ。
「使い道の余地を残す、ということが無印良品の商品開発の前提なんです。お店から発信することもあれば、お客様から教えてもらうことも」
と永尾さん。
地域のニーズに合わせた品揃えに加え、使う人それぞれの暮らしや好みに合わせて楽しめる“余地”を大切にお店を営んでいることが伝わってきます。
と永尾さん。
地域のニーズに合わせた品揃えに加え、使う人それぞれの暮らしや好みに合わせて楽しめる“余地”を大切にお店を営んでいることが伝わってきます。
【MUJI com】【Café&Meal MUJI】ホテルメトロポリタン鎌倉ならではの取り組み
鎌倉という観光地、かつホテルの1Fという独特のロケーションは、お店の個性にもなっています。鎌倉店のコンセプトは、地元住民が集う場でありつつ、旅行者も迎えられる“地域のリビング”。
住民と旅行者が行き交いする空間だからこそ、両者がつながる接点として活用できるのではないか、と考えた永尾さん。店内入り口にオープンスペースを設けたのも、ゆくゆくは地元の生産者などが出店する「つながる市」というマーケットを開きたいからだそう。
オープンスペースのボード「KAMAKURA to GO」に描かれているのは、鎌倉のおすすめ店のマップ。その下にはショップカードも並べられ、地域のお店と旅行者を結びつけるきっかけになっています。
オープンスペースのボード「KAMAKURA to GO」に描かれているのは、鎌倉のおすすめ店のマップ。その下にはショップカードも並べられ、地域のお店と旅行者を結びつけるきっかけになっています。
出典:www.muji.com
鎌倉にちなんだ本が集められた書籍コーナーの「KAMAKURA SHARE BOOK」もユニークなアイディアです。使わなくなったガイドブックを寄付してもらい、貸し出すことでリサイクル。意外にも、地元の人もよく手にとっているそう。ガイドブックには次に使う人へのメッセージが書き込まれ、旅人目線と住民目線が交差した、多層的な情報が蓄積されていきます。
地域にフォーカスした取り組みは【Café&Meal MUJI】でも反映されています。
「地元の業者さんたちと商品開発を進め、地産の食材をメインにメニューを考えました。鎌倉ハムや鎌倉ビールなど、この土地で愛されてきた食文化も伝えていきたいと思っています」
と、店長の松木さん。
「地元の業者さんたちと商品開発を進め、地産の食材をメインにメニューを考えました。鎌倉ハムや鎌倉ビールなど、この土地で愛されてきた食文化も伝えていきたいと思っています」
と、店長の松木さん。
出典:www.muji.com
画像はグランドメニューの「ポークジンジャー」、生姜と柑橘のさっぱりした味わいが人気の一品です。鎌倉の海藻を飼料に育てた、ミネラルとタンパク質が豊富な豚肉を使っているそう。選べるメインディッシュとサラダバーのセットから、気軽に楽しめるスイーツまで魅力的なメニューが揃います。
また、鎌倉店ではフードロスに対しても積極的に取り組んでいます。フードロスは、オープン前の地域へのヒアリングでも話題になった問題でした。
お店でできることはないか、と考え生まれたアイディアが「たべきるプレート」。サラダバーの野菜など、消費期限に関わらず当日どうしても破棄しなくてはならない食材が出た場合、数量限定で盛り合わせのプレートを作っています(画像は「たべきるプレート」の一例)。
お店でできることはないか、と考え生まれたアイディアが「たべきるプレート」。サラダバーの野菜など、消費期限に関わらず当日どうしても破棄しなくてはならない食材が出た場合、数量限定で盛り合わせのプレートを作っています(画像は「たべきるプレート」の一例)。
出典:www.muji.com
「これは無印良品の店舗の中でも初の挑戦なんです。お客様の理解のもと、食材を無駄にすることなく活用できています」
と、松木さんも笑みがこぼれます。廃棄する生ゴミは必要最低限で済んでいるそうです。
と、松木さんも笑みがこぼれます。廃棄する生ゴミは必要最低限で済んでいるそうです。
人と人との接点に思いを注ぐ
鎌倉店の革新的な試みは他にもありました。【Café&Meal MUJI】ではキッチンとホールの担当を分けていないそう。スタッフが両方の業務に携わることで、料理とサービスどちらの知識も高まる効果が。
【MUJI com】でも、“無印良品で一番会話をする店”と呼べるほど、お客様とのコミニケーションを丁寧にとるようにしているそう。どちらも、生産者の思いや商品の背景などをきちんと伝えられる店でありたい、という考えから生まれたもの。
【MUJI com】でも、“無印良品で一番会話をする店”と呼べるほど、お客様とのコミニケーションを丁寧にとるようにしているそう。どちらも、生産者の思いや商品の背景などをきちんと伝えられる店でありたい、という考えから生まれたもの。
最後に永尾さんと松木さんは
「ものを買わなくても来ることができる場所にしたい。人が目的で来てもらえて、会話や共感が生まれていく。それがリアルストアならではの価値なのかもしれません」
と教えてくれました。
「毎日訪れてくれるお客様もいて、地域に根付きはじめた感覚があります。この店のこれからが楽しみ」
と、店長同士で語り合う時間も尽きないのだとか。
オープン前から培ってきた、地域との繋がりで様々なご縁も生まれたそう。これからは店舗で待っているだけではなく、近郊の市場や直売所にも自ら出店してみたい、と考えているそうです。
「ものを買わなくても来ることができる場所にしたい。人が目的で来てもらえて、会話や共感が生まれていく。それがリアルストアならではの価値なのかもしれません」
と教えてくれました。
「毎日訪れてくれるお客様もいて、地域に根付きはじめた感覚があります。この店のこれからが楽しみ」
と、店長同士で語り合う時間も尽きないのだとか。
オープン前から培ってきた、地域との繋がりで様々なご縁も生まれたそう。これからは店舗で待っているだけではなく、近郊の市場や直売所にも自ら出店してみたい、と考えているそうです。
人と人との接点を積極的に見つめ、鎌倉店の独自性を研ぎ澄ませていく試みはこれからも続いていきます。【MUJI com】【Café&Meal MUJI】鎌倉店、鎌倉で訪れたいお店の一つとして目が離せなくなりそうです。
取材・撮影のご協力をありがとうございました
(インタビュー・撮影/二木薫)
(インタビュー・撮影/二木薫)