霞が関、有楽町、銀座といった都心部に隣接する日比谷公園は、ビジネス街のオアシスともいえる存在で約16ヘクタールの広大な敷地を誇る都立公園です。日比谷公園では、毎年3月末から4月上旬にかけて公園内に植樹されている桜が開花します。

桜の木では、甘い蜜を吸いにやってきたメジロなどの野鳥の姿をみかけることができます。

皇居のお堀沿いに伸びる約700メートルの遊歩道、千鳥ヶ淵緑道は、東京都23区内でも有数の桜の名所として知られています。お堀の両岸には約260本の桜が植樹されており、遊覧ボートで桜鑑賞を楽しむことができます。

千鳥ヶ淵緑道では、夜間のライトアップが施されます。ボートは夜間も営業しているため、お堀の上から、光り輝く夜桜を眺めるというロマンチックなお花見を楽しむことができます。

外濠公園は、江戸城の外濠土手とお濠の跡地を利用して造られた公園です。この公園は、車道よりも高い場所に立地している遊歩道となっているため、ゆっくりと散策しながら桜鑑賞を楽しむことができます。

気象庁が東京での桜の開花日を決定する標本木となっているソメイヨシノがある靖国神社は、東京都内でも指折りの人気を誇る桜の名所です。

靖国神社では、桜が見ごろを迎える時季になると外苑の桜にライトアップが施されます。ぼんぼりの灯りに照らされた夜桜は、独特の風情があり、幻想的な美しさを醸し出しています。

目黒川では、池尻大橋から目黒駅にかけて約4キロメートルの川沿いの両岸に桜並木が植樹されています。ソメイヨシノを中心とした桜約800本が開花する様は壮観です。

目黒川では、夜になると桜並木のライトアップが行われます。夜空を覆いつくす程に開花した桜の花、夜の闇を映した川面が織りなす神秘的な光景は、訪れる人々を魅了してやみません。

高層ビルが立ち並ぶ新宿区に立地している新宿御苑は、約58.3ヘクタールの敷地をほこる国民公園で、都会のオアシスのような存在です。四季折々で美しい花々を咲かせる新宿御苑では、カンザクラ、ソメイヨシノ、山桜、イチヨウ、カンザンなど約1000本の桜が植樹されています。

新宿御苑で植樹されている桜の種類は多く、約65種類におよびます。ここでは、一つの花にたくさんの花びらを付ける可愛らしい八重桜を観ることもできます。

「日本さくら名所100選」に選定されている上野恩賜公園は、東京都随一の桜の名所として知られています。上野恩賜公園の桜の歴史は古く、江戸時代初期に現在の上野恩賜公園の一部に相当する上野の山に桜の木を植樹したことから始まります。

上野恩賜公園には、ソメイヨシノを中心として約50種類、約800本の桜が花を咲かせます。桜が見ごろを迎える時季になると、ライトアップが行われ夜桜鑑賞を楽しむ大勢の人々で賑わっています。

六義園は、江戸時代中期に徳川幕府5代将軍綱吉の側近、柳沢吉保が造園した大名庭園で、国の特別名勝に指定されている都立庭園です。庭園正門近くには、大きな枝垂れ桜が植樹されています。

満開に花を咲かせる枝垂れ桜の姿は壮麗で、この桜の傍に立ってみると、流れ落ちる桜の滝を眺めているかのような気分を覚えます。

六義園では、夜になると桜のライトアップが施されます。藍色の夜空を背景に、ライトを浴びて淡ピンク色に浮かび上がる枝垂れ桜が融和した風景は幻想的で、日中とは異なる魅力を放っています。

代々木公園は、都心に立地しながらも緑に囲まれ静寂に包まれており、東京都民の憩いの場となっている場所です。約54.1ヘクタールにおよぶ広大な敷地には、ソメイヨシノ、カワヅザクラ、サトザクラ、山桜、コヒガンザクラ、ウワミズザクラなど多数の桜が植樹されています。

代々木公園では、桜の花が散って見ごろを終えた後でも美しい光景を楽しむことができます。公園内の地面には桜の花びらが折り重なるように散っており、まるで桜の絨毯を敷き詰めたかのような景色が現れます。

井の頭恩賜公園は、「日本桜さくら名所100選」の一つに数えられており、東京都内でも有数の桜の名所として親しまれています。公園内では、井の頭池の周囲を中心に約500本の桜が咲き誇り、ボートに乗りながらお花見を楽しむことができます。

桜が見ごろを迎える時季になると、井の頭恩賜公園ではライトアップが施されます。光を浴びて輝く桜の樹々を、井の頭池の水面が鏡のように映し出す、幻想的な風景が現れます。

約80ヘクタールの敷地を誇る小金井公園は、数ある都立公園の中でも最大規模の公園です。この公園は「日本さくら名所100選」にも選定されており、約1800本の桜が植樹されています。

広大な敷地を誇る小金井公園ですが、大島桜の美しさは格別です。巨大な大島桜が満開に咲き誇る様は、春の訪れを私たちに告げているかのようです。

古くから修験道の霊山として山岳信仰を集めてきた高尾山は、年間を通じて大勢の登山客や観光客が訪れる標高599メートルの山です。高尾山薬王院の周辺には桜が植樹されており、高尾山ではハイキングとお花見を両方楽しむことができます。

高尾山では、お花見スポットでよく見かけることができるソメイヨシノとは異なる八重咲きをする山桜など珍しい品種の桜も植樹されています。

乞田川は、多摩市内を悠然と流れる一級河川です。多摩ニュータウン通りに沿いの乞田川の両岸には約3キロメートルにおよぶ桜並木があり、春の多摩市に彩りを与えています。

桜が満開に咲き誇る時季の乞田川での景色は壮観です。競うように開花している桜の花々が空を覆いつくしている景色は絶景そのものです。