貴族が社交を楽しむためのお茶会として生まれたアフタヌーンティー。現代では簡略化され、マナーもとてもシンプルになりました。一般的に、アフタヌーンティーのお料理は下の段から食べていくのが基本ルールだそう。また、ティースタンドから取り分ける時はナイフとフォークを使い、スコーンなどのパンに限っては食べる時にそのまま手でいただきます。

ではお茶を飲む時の作法はどうでしょうか。ポイントは、カップだけでなくソーサー（受け皿）も手に持ち、そこから片手でカップを持ち上げてお茶を飲むこと。また、本場イギリスではミルクをたっぷり使うことが主流ですので、二杯目からはぜひミルクティーを試してみたいですね。

これらのポイントを押さえれば、意外とマナーは簡単。思い切り優雅な時間に浸りましょう。

最初にご紹介するのは、日比谷のホテル「ザ・ペニンシュラ東京」の1Fにあるコンチネンタルダイニング「ザ・ロビー」。本場イギリスの伝統を受け継いだアフタヌーンティーが有名で、日本でのアフタヌーンティーブームの元となったとも言われています。高い天井に、花火や蛍をイメージしたシャンデリアが輝き、生演奏も流れる華やかな空間に気分も高まりますね。一度は訪れてみたい人気のお店です。

画像は「ザ・ロビー」の特徴である自家製のスコーンです。牛乳ではなく生クリームで作るオリジナルレシピのスコーンはしっとりと豊かな風味が人気です。スコーンに欠かせないクロテッドクリームやジャム、最高級のオーガニックティー「アートオブティー」もホテルのオリジナルメイドだそう。

毎年10月には、乳がんの早期発見運動に賛同したキャンペーン「ザ・ペニンシュラ・インピンク」に因んだアフタヌーンティーを楽しむことができます。画像のようにラズベリーやピンク色のスイーツや器でセットされ、色合いも華やかで美しいですね。

そのほか春夏秋冬、クリスマスなどをテーマにしたメニューがシーズンごとに登場するので、ぜひホームページでチェックしてみてください。また、一名用のアフタヌーンティーセットもあるそうなので、一人でゆったり過ごしてみるのもいいかもしれませんね。

目白にある老舗ホテルの「椿山荘」と言えば、緑豊かな庭園が有名です。その美しい景色を眺めながらアフタヌーンティーができるのはホテル3Fの「ル・ジャルダン」。東京で一番最初にアフタヌーンティーを始めたカフェラウンジだとも言われています。

「ル・ジャルダン」のアフタヌーンティーでは、約20種類のお茶から好きなものを選び、おかわりも自由にいただくことができます。ダージリンやアールグレイなど紅茶の定番から中国茶、緑茶までポットサービスでたっぷり楽しむことができるので嬉しいですね。豊かな緑に包まれながら、のんびり過ごしたいお店です。

そして、もう一つの名物は18:00から提供される「イブニング・ハイティー」。画像のローストビーフの他、三段のオードブルスタンド、デザート、コーヒーまたは紅茶とグラスシャンパンがセットになっています。シェフ特製のローストビーフは食べ応えもたっぷり。お酒好きの人や、お食事がわりに楽しみたい人に大人気だとか。夜に訪れても素敵な時間を過ごせそうですね。

次にご紹介するのは、汐留のホテル「コンラッド東京」の28Fにあるバー＆ラウンジ「トゥエンティエイト」。大きな窓からは浜離宮庭園や東京湾が見下ろせる絶景となっており、非日常な時間を味わうことができます。

そして密かな人気者がこちらのクマさん。アフタヌーンティーにコンラッド東京のマスコット「コンラッド・ベア」が付いたセットが用意されており、シーズンごとに変わるカラーのコンラッド・ベアをコレクションする人もいるのだとか。トゥエンティエイトのアフタヌーンティーはオプションが豊富なので、お出かけする前にぜひ公式サイトをチェックしてみてくださいね。

また、忘れてはいけないのは東京駅隣接の「シャングリ・ラホテル」でのアフタヌーンティーです。アジア系のホテルならではのオリエンタルな雰囲気が素敵な「ザ・ロビーラウンジ」では伝統的なアフタヌーンティーを楽しむことができます。

30種類近くのドリンクをおかわり自由に頼むことができるので、お得感もたっぷり。特に、試飲を重ねてこだわり抜いたホテルオリジナルティーや、著名な農園の希少なオーガニックティーなど、ここでしか味わえない特別な紅茶は見逃せません。

「ザ・ロビーラウンジ」のアフタヌーンティーセットでは、ホテルオリジナルスコーン、セイボリー、スイーツの３段の構成で、季節に合わせたティーフードが提供されます。例えばこちらはくるみ割人形をテーマにした、2017年クリスマスアフタヌーンティーのスイーツ。食べるのが勿体無くなってしまいそうな可愛さですね。

2019年の秋のオータムアフタヌーンティーでは、洋梨、栗、かぼちゃ、紫芋など旬の味覚をふんだんに使用。また、「ザ・ロビーラウンジ」の特徴は個性的なセイボリーで、今回はバーベキュービーフのサンドイッチ、蕎麦寿司や稲荷寿司なども登場するそう。詳細はぜひ公式サイトでご確認ください。

シャンデリアがゴージャスなカウンター席、ゆったりできるソファー席、都会らしい景色を堪能できる窓際席、どこに座っても心地の良い時間を過ごすことができる、広々した空間です。ピアノなどの生演奏も行われるので、ちょっぴりドレスアップして優雅に過ごしてみたいですね。

ホテル以外にも、アフタヌーンティー ができる素敵なレストランもあります。画像はパリの老舗カフェ「ドゥマゴ」の渋谷本店です。芸術複合施設「Bunkamura」内にあり、どこか文化的な雰囲気が漂うシックなフレンチレストランです。

「ドゥマゴ」のカフェタイムでは、マカロンやタルトなど6種の季節のプティフールとサンドイッチ、紅茶やコーヒーがセットになったアフタヌーンティーを楽しむことができます。画像のように大理石のティースタンドでサーブされ、気分も盛り上がりますね。

ベーカリーも経営するドゥマゴのサンドイッチは絶品。ハム、きゅうり、卵というスタンダードなラインアップですが、シンプルだからこそパンの美味しさが引き立つそうです。ドリンクはおかわり自由なので、ゆっくりお茶をしたい時にぴったりです。

吹き抜けのテラス席もとても気持ちが良く人気です。施設内にはシアターや劇場があり、美術展なども開催されているので、芸術鑑賞とセットで訪れる人も多いのだとか。気軽に特別な時間を過ごせるお店としておすすめです。

モダンな和菓子で人気の「HIGASHIYA（ヒガシヤ）」の銀座店では、少し変わった和のアフタヌーンティーを体験することができます。画像のアフタヌーンティー「茶間食（さまじき）」は、一の盆にはいなり寿司、二の盆には卵焼きや間食、三の盆には季節の和菓子が美しく盛り付けられています。

日本茶は2種を選ぶことができ、飲む順番もオーダーできます。種類の多さに悩んでしまうかも...という心配はご無用。詳しい解説の付いた素敵なカタログがあるので、香りや味わいを吟味して自分好みのお茶を見つけられますよ。
一煎目から三煎目まで、温度や抽出を調整しながら丁寧に淹れてもらえます。杯を重ねるごとに変化していく日本茶の奥深い世界を堪能してみてはいかがでしょうか。

こちらは香りの良い「HIGASHIYAハーブブレンド春菊」。ハーブと春菊のブレンド茶なんて、とても珍しいですね。30種類以上の季節に合わせた珍しい日本茶は、新しい日本文化の魅力に気づかせてくれそうです。

落ち着いた雰囲気の店内には、心地よいお茶の香りが満ちています。和風アフタヌーンティーというモダンな和の形に触れながら、安らぐ時間を過ごすことができそうですね。