フォンテーヌ・ド・ボークリューズ
町の中心部をとうとうと流れるソルグ川、深い渓谷、深緑の樹々、可愛らしい街並みが織りなす風光明美な景色が広がるフォンテーヌ・ドゥ・ヴォクリューズは、プロヴァンス地方でも指折りの景勝地です。
豊かな水量を誇るソルグ川の透明度は抜群です。日射しを浴びてキラキラと輝く水面を覗き込んでみましょう。川底を覆う緑の水草がゆらゆらと揺らめき、緑の樹々に覆われたソルグ川の美しさを引き立てています。
フォンテーヌ・ドゥ・ヴォクリューズは、製紙産業が盛んな町です。今でも町はずれには、14世紀から手漉き紙を製造していた水車小屋が残っています。
レストランやお土産物店が集中する町の中心部から15分程度歩いた場所には、村の名前を示す「ヴォクリューズの泉」があります。この泉からは、春と秋には毎秒90立方メートルもの水が湧き出しており、乾燥したプロヴァンス地方に豊かな水のめぐみをもたらしています。
- 寒さに負けない体を目指す!ゆらぎがちな冬のご自愛ケアキナリノ編集部
リル・シュル・ラ・ソルグ
水辺には、所々で古い水車がゆったりと回っています。これらの古い水車は、リル・シュル・ラ・ソルグで織物業が盛んであった頃に使われていたもので、往時の町の姿を今に物語っています。
冬でも穏やかな気候のリル・シュル・ラ・ソルグでは、四季折々で美しい姿を見せてくれますが、夏の美しさは傑出しています。運河沿いの街路樹は深緑となり、静かな運河の水面は鏡のように樹々を映し出し、眼前に広がる景色は絵葉書のような素晴らしさです。
シャトーヌフ・デュ・パプ
ブドウ畑の中に佇む小さな村、シャトーヌフ・デュ・パプは、フランスを代表する高級ワインの産地として世界に名が知られています。
ボニュー
ボニューは、小高い丘の頂にそびえる教会から裾野にかけて石造りの家が広がっている村です。
教会からの眺めは絶景そのものです。どこまでも広がる緑の大地と石造りの古い家々が見事に融和した風景は、絵画のような素晴らしさです。
ボニュー村の郊外には、古代ローマ時代、紀元前3年に造られたジュリアン橋と呼ばれる石橋があります。素朴な石橋を眺めながら、2000年以上もの間、どれほどの多くの人々がこの橋を行き交ったのか、想いを馳せてみてはいかがでしょうか。
ラコスト
人口わずか400人のラコストは小高い丘に築かれた小さな村です。ここは18世紀にマルキー・ド・サド(サド侯爵)が領主として統治していた村として知られています。
村の入り口には可愛らしいアーチ状の門があります。
細い路地に敷かれた石畳、その両側に並ぶ石造りの古い家々の壁など、ラコスト村はすべてこの地で採取されたはちみつ色の石でできています。風情ある石畳の細道、はちみつ色をした可愛らしい家々……。ラコスト村の中は、まるで絵本の挿絵のような美しさです。
石畳の坂道を登り切った村の中心部には、廃墟となったサド侯爵の城址が残っています。かつては42部屋もあった巨大な城の面影は残念ながら見る影も無く荒廃していますが、ここからは雄大なプロヴァンスの田園風景を見渡すことができます。
フォンテーヌ・ドゥ・ヴォクリューズは「ヴォクリューズの泉」という名前の小さな町です。ここは、まぶしい陽射しと乾いた大地が広がるプロヴァンス地方のオアシスのような町です。