県の北部、三方が海に面した能登半島全域が能登エリア。白米の千枚田や、千里浜なぎさドライブウェイなど、絶景・観光スポットもたくさんあります。このエリアからは石川県でも特に人気の温泉「和倉温泉」をご紹介します。

開湯以来1200年の歴史を持つ「海の温泉」和倉温泉。かつては加賀藩主も湯治に用いた名湯です。七尾湾を臨む海岸沿いに温泉宿や日帰り温泉などが立ち並びます。

総湯とは温泉地にある、宿の外にある共同浴場をさす言葉です。ここ石川県には総湯と称される浴場が多くみられます。
和倉温泉では町民が運営組織を営み、1200年前の泉質をそのまま守り続けています。銭湯同様のお値段で入浴できるほか、無料で開放されている足湯や、飲める温泉などの施設もあります。

温泉街の海沿いにある足湯施設。海に面した足湯からは、和倉温泉と能登島を結ぶ能登島大橋やツインブリッジなど、美しい景観を眺めながらくつろげます。利用料が無料なのもポイント。

和倉温泉の中でも「おもてなしの宿」として全国に名高い名宿が「加賀屋」。女将によるお出迎えにはじまり、海に面した大浴場、海の幸や季節の食材を堪能できるお料理、窓から眺める穏やかな七尾湾など、全てが心に残る時間になりそう。

名物「加能ガニ」をはじめ、季節の山海の幸をふんだんに使ったお料理も魅力。食器や盛りつけなどの繊細さも楽しんで。

大正四年に建てられた渡月庵。海辺に佇む数寄屋造りの建物は、室内の細かな意匠に至るまで、まるでタイムスリップしたような和の風情を漂わせています。

石川県最大の都市、金沢。兼六園や金沢城など歴史を感じる伝統美だけでなく、現代アートにも開かれたまちです。写真は金沢の伝統芸能、能楽の鼓をモチーフにした金沢駅のシンボル・鼓門。このエリアからは「湯涌温泉」「犀川温泉」「深谷温泉」の3箇所をご紹介します。

犀川のほとりの犀川温泉。
「金沢犀川温泉 滝亭」は、町内から少し離れた犀川の上流にある閑静な一軒宿。せせらぎを聴き、滝を眺めながらの露天風呂はまるで別天地。本格的な加賀懐石も自慢です。

県の南側にあたる加賀エリアは、加賀温泉郷をいだく県内屈指の温泉地です。
開湯1300年を数える歴史ある名湯が多く、温泉を祀る薬師寺が各温泉郷にあります。ここからは「山中温泉」「山代温泉」「粟津温泉」の3箇所をご紹介します。

1300年前に、僧侶・行基に発見されたと伝えられる山中温泉。「奥の細道」でこの地を訪れた松尾芭蕉が有馬・草津と並ぶ｢扶桑の三名湯｣と讃え、「山中や菊は手折らじ湯の匂ひ」と詠んだことから「菊の湯」と名がつきました。

「米」の文字から名付けられた「厨八十八（くりややそはち）」。ロビーから見える田園は、スタッフが手ずから田植えをし、育てたもの。こだわりの料理や竹林を眺められるお部屋、そしてお風呂。目と、舌と、肌でおもてなしの心を感じられます。

山中温泉に流れる、緑と渓流が美しい鶴仙渓。「あやとり橋」の付近には春から秋にかけて川床が設けられます。スイーツをいただきながら、夏は暑さを忘れてくつろげます。

山代温泉も、開湯1300年の歴史を持つ名湯。与謝野鉄幹、泉鏡花、北大路魯山人などの文人・文化人にも愛されました。
ひとつの温泉地内に3つの異なる泉質があり、中心には「古総湯」「総湯」ふたつの総湯が。無料の足湯「源泉公園」もあります。

和の温泉の伝統と、リゾートの心地よさ、モダンな感性を融合した「界 加賀」。九谷焼を壁面に配した大浴場や、加賀の伝統工芸をインテリアに使用したお部屋など、美しい空間での滞在を楽しめます。

「北陸最古の温泉」とよばれる、小松市に位置する開湯1300年の秘湯、粟津温泉。
堂々たる佇まいの「法師」は創業1300年、この地で営まれ続けています。長年守られてきた日本庭園を囲むように、春夏秋冬と季節の名をつけられた四棟の客室が訪れる人を迎えます。

白山は、富山県、石川県、福井県、岐阜県の4県にまたがる雄大な両白山地の、中心にして最高峰。富士山、立山とならぶ日本三霊山のひとつとして信仰の対象とされてきました。海辺から内陸に大きく広がるこのエリアからは「白峰温泉」「白山一里野温泉」「美川温泉」の3つをご紹介します。

こちらは白山エリアでも海沿いにあたる場所に佇む、ひなびた風情の「美川温泉　元湯ほんだ」。こちらも褐色のお湯の「モール温泉」。肌がつるつるになると評判の美肌の湯を銭湯価格で楽しめます。