東京都内にはモダンなビルの間に歴史を感じる古い建物が残されていることがあります。都会の喧騒を感じさせない、凛とした雰囲気の和の建物やかつて栄華を誇った財閥の洋風建築など、その時代の面影を色濃く残す美しい建物たち。現在も現役で使われている古い建物も多くあります。まるでその時代にタイムスリップしたかのような雰囲気を味わえる、都内の美しい古い建物をご紹介します。2017年10月28日作成
現代的なビルが立ち並ぶ大都会東京。しかし、その中でも歴史の重みを感じる古い建物が多くあります。文化的価値も高い、素晴らしい建物に会いに行ってみませんか?
古い建物は重要文化財に指定されていたり、中を一般に公開している建物もあります。また、暮らしの中に溶け込んでいる建物も。現代にはない美しさを醸し出す、都内の歴史的建築物をご紹介します。
大正時代に建築された「旧朝倉家住宅(きゅうあさくらけじゅうたく)」は代官山駅からも近く、ここが都会の真ん中であることを忘れさせてくれるような、閑静で美しい空間が広がっています。かつて渋谷区議長や東京府議会議長を歴任した朝倉虎次郎の邸宅で、重要文化財に指定されています。
「杉の間」から見える庭園は、とても心が落ち着きますね。秋には美しい紅葉も。縁側に座ってずっと眺めていたくなります。
趣のある廊下もまた、素晴らしいですね。細かい部分までこだわって作られています。朝倉虎次郎氏は材木店で働いていた経験を生かし、自ら木材を選んでいたそうです。
とても広く、手入れが行き届いた庭園は紅葉も見事。紅葉の見頃には毎年恒例の茶会も開催されています。
西武新宿線中井駅から徒歩で7分ほどの「林芙美子記念館(はやしふみこきねんかん)」。小説「放浪記」「浮雲」などで知られる作家の林芙美子が昭和16年から昭和26年にその生涯を閉じるまで住んでいた住宅を現在は記念館として開放しています。
数寄屋造りの特色と民家の良さを掛け合わせ、東西南北に風が吹き抜ける心地良い住まいづくりを目指した芙美子。もともとは納戸として作られたこの部屋は書斎として使われていました。今でも林芙美子がそこで小説を書いているような雰囲気ですね。窓越しに見える庭も素敵です。
記念館のそばの「四の坂」も趣がありますね。竹林の奥に記念館があります。
まるで外国のような、美しい建築が目を引く「迎賓館赤坂離宮(げいひんかんあかさかりきゅう)」。明治42年(1909年)に紀州徳川家の中屋敷があった場所に東宮御所として建てられたのが始まりで、のちに赤坂離宮となりました。当時の建築技術を結集した日本でただ一つの「ネオ・バロック様式」の建築物です。
屋根の上には「鸞(らん)」と呼ばれる伝説上の鳥があしらわれています。凛々しくて迫力がありますよ。
この門も美しい!各国の国王や大統領、国賓なども訪れ、日本外交の舞台になっています。一般公開は接遇に支障がない範囲で行われていますので、リンクのHPから申し込みをしましょう。
東京メトロ千代田線「湯島」駅より徒歩3分のところにある「旧岩崎邸庭園(きゅういわさきていていえん)」は、三菱財閥の創業者岩崎家の本邸として明治29年(1896年)に建てられました。現在は洋館と和館、撞球室(ビリヤード場)が残され、国の重要文化財に指定されています。鹿鳴館(ろくめいかん)と同じジョサイア・コンドルが設計した洋館は、17世紀の英国ジャコビアン様式の装飾が随所に施し、イスラムやルネサンスのモチーフ、カントリーハウスのイメージなども取り入れられています。
洋館内部の調度品も本当に見事。当時はプライベートな迎賓館として使われていたそうで、重厚感のあるジャコビアン様式の雰囲気が素敵ですね。贅を尽した造りになっています。
こちらは山小屋風の造りの撞球室(どうきゅうしつ)。当時は洋館と地下でつながっていて、そこから行き来していたそうです。現在、館内にはビリヤード台は置かれていませんが、当時使われていた貴重なテーブルが置かれています。
新宿御苑の歴史建造物である「旧洋館御休所(きゅうようかんごきゅうしょ)」。明治29年(1896年)に建築され、かつて天皇や皇族の休憩所として使われていた建物です。平成13年(2001年)に重要文化財に指定されていて、現在は第2、第4土曜日に一般公開されています。
大正時代にはクラブハウスとして利用されていたこちらの建物。19世紀にアメリカで流行したスティックスタイルを取り入れた、日本でも珍しい洋風建築です。新宿御苑の中ではあまり目立たない建物ですが、とても上品な雰囲気が漂い、端正なデザインになっています。新宿御苑にある他の建物と見比べてみるのも楽しいかもしれません。
東京のシンボルとも言える「東京駅(とうきょうえき)」も実はとても歴史のある建物。大正3年(1914年)に開業した東京駅丸の内駅舎は、平成24年(2012年)に復原が完了し、当時の姿に戻りました。
再生された南北ドームの屋根には八角のレリーフが。その隅にはそれぞれ方角を表した干支の彫刻があります。戦災で焼け落ちてしまったドームですが、見事な彫刻と共に蘇りました。長い歴史を見つめ続けてきた、レンガ造りの東京駅。これからも東京の発展を見守っていくことでしょう。
国際子ども図書館(こくさいこどもとしょかん)は、上野駅公園口から徒歩10分のところにあります。元々は帝国図書館として明治39年(1906年)に建築され、その後、昭和4年(1929年)に増築されています。現在国際子ども図書館は「レンガ棟」と近代的な「アーチ棟」に分かれていますが、レンガ棟は歴史の重みを感じる、ルネサンス様式の重厚な建物です。
1階から3階まで続くこの階段も建築当時から使われているもの。美しい装飾が素敵です。ずっと使い続けていってほしいですね。
天井の高いホールもまた、当時の面影を残した美しい場所。ここでは音楽会や催しが行われています。レンガ棟の改修には建築家の安藤忠雄(あんどうただお)氏が携わり、構造や意匠を生かしながら過去、現在、未来の子供たちへとつなぐイメージの新しい図書館へ変貌を遂げています。
毎日多くの人が行き交う「原宿駅(はらじゅくえき)」もまた、大正13年(1924年)に建てられた歴史のある建築物。都会の真ん中にありながら、都内で最古の木造駅舎なのだそう。特徴のある三角屋根の建物が印象的です。
駅の内側にはレトロで素敵なステンドグラスも。普段はあまり目に留まることはありませんが、細かいところに装飾が施されているのが分かります。しかし、2020年に東京オリンピックが行われる前に建て替えられることが決まっているそうで、少し残念な気もしますね。
建築様式の美しさと当時の人々の暮らしや思いがたくさん詰まった都内の古い建物。現在と過去をつなぐ建物に思いを馳せる時間も素敵ですね。あなたの近くにも歴史のある建物はありませんか?散歩しながら探してみるのも良いですね。
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現代的なビルが立ち並ぶ大都会東京。しかし、その中でも歴史の重みを感じる古い建物が多くあります。文化的価値も高い、素晴らしい建物に会いに行ってみませんか?