嵐山花灯路を訪れるのには、阪急電鉄・嵐山駅を利用するのが便利です。わずか2両の電車が乗り入れる嵐山駅のホームを照らす灯りもレトロな雰囲気で、京都らしい風情を醸し出しています。

法輪寺の山門へと続く急勾配の石段は、路地行灯と燈籠に照らされ、美しく変貌します。

七色に輝く光に照らされ境内は、モダンアートと和の情緒が入り混じった独特の雰囲気が漂っています。

中之島公園からは、ライトアップされた嵐山を臨むことができます。淡紫色を基調としたライトに照らされた嵐山が漆黒の闇夜に浮かび上がる様は、幻想的でいつまで眺めていても飽きることはありません。

嵐山エリアを代表する景勝地、渡月橋もこの時期は壮麗な姿を見せてくれます。嵐山中心部を悠然と流れる桂川が、ライトを浴びて輝く嵐山と渡月橋を鏡のように映し出し、眼前には一幅の掛け軸のような景色が広がっています。

日中は大勢の観光客を乗せるボートも、花灯路が灯される時間帯は静かに停泊しています。

嵐山花灯路へは、阪急電鉄以外にも、路面電車・京福電鉄を利用してアクセスすることができます。京福嵐山駅構内には、京友禅をライトアップしたポール約600本から成る「キモノフォレスト」があります。

嵐山エリアでも屈指の人気を誇る天龍寺から大河内山荘へと続く竹林の小径。ライトを浴びて明るく輝く青竹と、小径の両脇に灯された路地行灯が融和し、幽玄とした雰囲気が漂います。

目線を上に向けると、天を仰ぐほどまっすぐに伸びた青竹の葉が視界に飛び込んできます。竹林の小径を歩いていると、まるで緑のトンネルに迷い込んだような錯覚を感じます。漆黒の闇に、光を浴びた輝く青竹がくっきりと浮かびあがる様子は、京友禅の染め柄のようです。

嵐山花灯路では、至る所で、日本の伝統文化を象徴する生け花をモチーフとしたライトアップが行われています。

淡紫色にライトアップされた嵐山を背景に、明るく輝く生け花のイルミネーションは、嵐山花灯路の魅力を引き立てています。

嵐山エリアから少し足を延ばし、嵯峨野エリアまで歩いてゆくと常寂光寺へたどり着きます。路地行灯で照らされた急勾配の石段を登りきると、嵐山エリア全般と遠くは京都中心部の夜景を見渡すことができます。

百人一首で知られる小倉山に抱かれた二尊院も、嵐山花灯路の時期は、いつもと異なる顔を見せてくれます。紅葉の名所として知られる参道、「二尊院 紅葉の馬場」も路地行灯が等間隔で並び、秋とは異なる風情を漂わせています。

渡月橋から桂川沿いに路地行灯が燈された路地を西側に歩いてゆくと宝厳院にたどり着きます。