井の頭通りのモスク「東京ジャーミイ(Tokyo Camii)」
小田急線・代々木上原駅から歩いて数分ほど。トルコ共和国在東京大使館に所属する、オスマン・トルコ様式のモスク(回教寺院)です。1938年に建立の初代モスクが老朽化によって取り壊された後、日本とトルコの共同作業によって建て直され、2000年6月に開堂しました。
- 寒さに負けない体を目指す!ゆらぎがちな冬のご自愛ケアキナリノ編集部
正確には「東京ジャーミイ・トルコ文化センター」
イスラム教の信仰を持たないひとも、見学は可能です
アート鑑賞や、小学生の校外学習。イスラム文化への理解を深めたい…。さまざまなひとが訪れます。
礼拝堂は2階に。階段を昇っていきます。
壮麗な礼拝堂の内部。圧巻の装飾
本国から装飾の部材を取り寄せ、数十人に上る建築業者や工芸職人を招へいして作られた造作はみごとです。
外光によって色彩の鮮やかさが変幻するステンドグラス
壁の色も…
精緻なアラベスク模様とアラビア文字のカリグラフィ
アラベスク(arabesque)は、モスクの壁面装飾に通常見られるイスラム美術の一様式で、幾何学的文様(しばしば植物や動物の形をもととする)を反復して作られている。幾何学的文様の選択と整形・配列の方法は、人物を描くことを禁じるスンニ派のイスラム的世界観に基づいている(シーア派ではムハンマドを除いて描くことは認められている)。ムスリムにとってこれらの文様は、可視的物質世界を超えて広がる無限のパターンを構成している。
アラベスク模様。私たちにとっては、万華鏡でおなじみですね。
信者たちがひざまずいて祈りをささげる絨毯にも織り込まれたアラベスク模様。
出典:www.flickr.com(@Guilhem Vellut)
ミンバルの全容。
密接に絡み合うアラベスクとカリグラフィ
出典:www.flickr.com(@radiant guy)
「アラビア書道」は、葦から作られたペンでアラビア文字を装飾する(カリグラフィ)技法です。
イスラムの祈りが込められた照明器具
ディテールにも職人わざが光って
寄木細工と象嵌が施された窓辺のクルアーン(書見)台。コーランが置かれています。
ショップや講座も
民芸品のショップがあります
トルコ料理やアラビア書道の教室が開講されています
おしまいに
日本では、お寺や神社、キリスト教会は“メジャー”ですが、モスクで、しかも大規模となると、こちらの「東京ジャーミイ」のみ。東西の文化が融合する国ならではの宗教建築、荘厳さの中に漂う華やかさ、本国の職人の手仕事はまさに“鑑賞”に値します。異国の宗教に敬意を払い、入堂のルールを守りつつ、足を運んでみませんか?
入堂の際の注意事項、暦によって異なる礼拝時間などはこちらを確認してからお出かけを。
玄関。工芸品のように美しい木の扉を開けて、中に入ります。
建物の1階には「トルコ文化センター」の事務室やおみやげコーナー、音楽会や講座を開催するための多目的ホールがあります。