「出雲大社」から車で1時間半から2時間程。
鳥取県との県境に位置する島根県安来市(やすぎし)には、2013年の『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』 で、「三星」に輝いた“名園”があります。
「足立美術館」のこと
出典:www.flickr.com(@meowring)
「足立美術館」は、昭和45(1970)年に、実業家・足立全康によって創設された美術館です。
全康は、当地の農家に生まれ、粒々辛苦した後、14,5歳から商いを手掛け、様々な事業を興しました。戦後は、関西で繊維業や不動産業等を商いながら、名作と謳われる日本画の数多く蒐集しました。当地に美術館を創設したのは、“郷土への恩返しと島根県の文化発展の一助になればという思い”からのことです。
全康は、当地の農家に生まれ、粒々辛苦した後、14,5歳から商いを手掛け、様々な事業を興しました。戦後は、関西で繊維業や不動産業等を商いながら、名作と謳われる日本画の数多く蒐集しました。当地に美術館を創設したのは、“郷土への恩返しと島根県の文化発展の一助になればという思い”からのことです。
「足立美術館」のコレクション
「足立美術館」が所蔵するのは、有名近代日本画家らの名作を中心として、近代から現代までの名作約1500点。
「足立美術館」のコレクションを特徴づけるのは、時として“大観美術館”と称されるほどに、横山大観の名作の数々。大観のもの以外にも、竹内栖鳳や川合玉堂、菱田春草や小林古径、川端龍子といった名だたる近代日本画家の名作もコレクションされ、その中には北大路魯山人や河井寛次郎の陶芸も含まれています。
「足立美術館」のコレクションを特徴づけるのは、時として“大観美術館”と称されるほどに、横山大観の名作の数々。大観のもの以外にも、竹内栖鳳や川合玉堂、菱田春草や小林古径、川端龍子といった名だたる近代日本画家の名作もコレクションされ、その中には北大路魯山人や河井寛次郎の陶芸も含まれています。
日本庭園と日本画の調和
出典:www.flickr.com(@cea +)
【画像は、横山大観の水墨画の大傑作。『雨霽る(あめはる)』昭和15年(1940)】
数多くの名作を所蔵する「足立美術館」ですが、やはりその骨子となっているのは“横山大観コレクション”と“名園”。それは、当美術館の運営における基本理念を明確に示したものであり、創設者である足立全康の願いでもあります。
「名園と横山大観コレクション」すなわち日本庭園と日本画の調和は、当館創設以来の基本方針であります。それは、日本人なら誰でも分かる日本庭園を通して、四季の美に触れていただき、その感動をもって横山大観という、日本人なら誰でも知っている画家の作品に接することで、日本画の魅力を理解していただきたい。そして、まず大観を知ることによってその他の画家や作品に興味を持っていただき、ひいては日本画の美、すなわち「美の感動」に接していただきたいという、創設者 足立全康(あだちぜんこう)の強く深い願いがあってのことなのです。
“ようこそ、風雅なる名園の世界へ”
庭園もまた一幅の絵画。ようこそ、風雅なる名園の世界へ
日々刻々と変化する庭園の眺めは、一期一会の美しさに満ち溢れています。
創設者足立全康は「庭園もまた一幅の絵画である」という信念のもと、
91歳で亡くなるまで、庭造りに心血を注ぎました。
枯山水庭をはじめ、5万坪に及ぶ6つの庭園は、四季折々にさまざまな表情を醸出し、借景の自然の山々との調和はまさに生きた日本画ともいえるでしょう。
深遠な風趣―枯山水―
枯山水庭の石組です。中央に配置されている三つの立石は峻厳な山をあらわし、そこから流れ落ちる滝水はやがて、手前に広がる白砂へと流れ込む。大自然がもつ深遠な風趣を枯山水という伝統的な手法により表現しています。
京の雅―苔庭―
苔庭の赤松はすべて斜めに植栽されています。
これは、山の斜面に生まれ、成長してきたものを平坦な地に垂直に植えるということは、樹木にとって大変な苦痛になるという設計者の考えによるものです。
白砂青松庭
庭の奥には滝口が築かれ、その水が渓谷を流れるかのように曲折しながら、手前の大きな池へと注いでいます。石は鳥取県名産の佐治石。池を挟んで右側には黒松、左側には赤松が植栽されています。
出典:www.flickr.com(@Robert Izumi)
横山大観の名作『白沙青松』をモチーフにして、足立全康が心血を注いで造園しました。白砂の丘陵にリズミカルに大小の松を配した庭園は、大観の絵画そのものです。】
名園は一幅の絵画 “窓は額縁”
出典:www.flickr.com(@open-arms)
「足立美術館」での庭園鑑賞は、美術館内から。
『窓は額縁 世界がみとめた庭園』
名園を眺めながら お食事やお抹茶をどうぞ
美術館内には、「寿楽庵」と「寿立庵」の二つの茶室と、「翆」と「大観」の二つの喫茶室があります。茶室では抹茶が頂け、喫茶室では飲み物の他に、軽食やデザートが頂けます。
茶室からも喫茶室からも、素晴らしい庭を望むことができ、それぞれ望む景色が異なります。
茶室からも喫茶室からも、素晴らしい庭を望むことができ、それぞれ望む景色が異なります。
茶室 寿立庵
出典:www.flickr.com(@brian_ytsu)
楓と苔の新緑が冴え冴えと美しい、寿立庵へと続く石畳の道。
出典:www.flickr.com(@Joël Fukuzawa)
お抹茶と和菓子をいただきながら、日本人で良かったと心から思える時間を過ごすことができるでしょう。
杉苔が色鮮やかな茶庭 “寿立庵の庭”
茶室 寿立庵
京都・桂離宮にある「松琴亭」の意匠を写して建てられた茶室で、館名にちなんだ庵号は、裏千家15代前家元・千宗室氏(現千玄室大宗匠)によって命名されました。杉苔が色鮮やかな茶庭を、飛び石伝いに散策でき、秋には楓の紅葉を眺めながら至福の一服をお楽しみになれます。
安来市その他 / 日本茶専門店
- 住所
- 安来市古川町320 足立美術館内
- 営業時間
- 午前9時から、午後5時半まで (4月-9月)
午前9時から、午後5時まで (10月-3月)
- 定休日
- 年中無休
- 平均予算
- ¥1,000~¥1,999
茶室 寿楽庵
喫茶室 大観
安来市その他 / 喫茶店
- 住所
- 安来市古川町320 足立美術館内
- 営業時間
- [月]
09:00 - 17:30
[火]
09:00 - 17:30
[水]
09:00 - 17:30
[木]
09:00 - 17:30
[金]
09:00 - 17:30
[土]
09:00 - 17:30
[日]
09:00 - 17:30
■ 営業時間
[4月~9月]
9:00~17:30
[10月~3月]
9:00~17:00
■ 定休日
無休
- 定休日
- 平均予算
- ¥1,000~¥1,999
information
アクセス
開館時間(年中無休)
夏 季 4月-9月 9:00-17:30
冬 季 10月-3月 9:00-17:00
※ 新館への入場(本館・新館連絡通路の通行)は、閉館15分前まで
● 新館のみ、展示替えのため休館日あり
新館休館日平成28年4月26日 7月14日
10月20日~21日 11月14日~15日
平成29年2月2日
入館料(税込)
個 人 団 体(20名以上) 団 体(100名以上)
大 人 2,300円 1,900円 1,700円
大学生 1,800円 1,500円 1,300円
高校生 1,000円 800円 700円
小中生 500円 400円 300円
大 人 2,300円 1,900円 1,700円
大学生 1,800円 1,500円 1,300円
高校生 1,000円 800円 700円
小中生 500円 400円 300円
無料シャトルバスが運行しています。
島根の魅力をたっぷり満喫するツアー情報
足立美術館からアクセスの良い温泉情報
玉造温泉
皆生温泉
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どじょう亭
竹葉
おわりに
先に述べたように、足立美術館の庭園は2013年の『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』 で三星に輝きましたが、“米国の日本庭園専門誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」による庭園ランキングでは、13年連続日本一に選ばれています。
自国の文化の良さは、その中にいると明確に認識することは出来ません。しかし、その文化圏から外れた立ち位置で眺めてみると、その良さに気づいたり、発見したりするものです。
それは、庭園内を散策すると掴めないものが、館内の窓枠を通して眺めると、調和のとれた全体の美として掴めることと似ています。
「足立美術館」の日本庭園は、類まれなる“名園”です。出雲大社から車で2時間弱。ぜひ足を運んで世界が認める“名園”で素晴らしい眺めを眼に焼き付けて下さい。
それは、庭園内を散策すると掴めないものが、館内の窓枠を通して眺めると、調和のとれた全体の美として掴めることと似ています。
「足立美術館」の日本庭園は、類まれなる“名園”です。出雲大社から車で2時間弱。ぜひ足を運んで世界が認める“名園”で素晴らしい眺めを眼に焼き付けて下さい。
それは、近代日本画のコレクションで名高い「足立美術館」の日本庭園。