イスラム模様ってなあに?
イスラムのデザインは、一種の「目に見える音楽」だと言ってもよい。モチーフの反復とリズムが内なるバランス感覚を目覚めさせ、神への祈りや神についての思弁を視覚的に展開する役目を果たすのである。
イスラム文化の日常に浸透している模様たち
イスラム文化圏は国を超えて存在しています。こちらの心が躍るカラフルな陶器は、モロッコのお皿。
お茶を飲む文化、ここシルクロードにあり。ウズベキスタンの茶器も素敵です。
ペルシャ絨毯をさりげなく置くだけでアラビアの香りが漂ってきそう!
イスラム模様、その種類
街に溶け込むイスラム模様には、「幾何学文様」・「植物文様」・「文字文様」と、3種類の型があるんです。日本でみかけるオリエンタルな柄も、実はイスラム模様であることが多いので、模様の種類を知っていたらもっと楽しいかも!
数学的な美しさの【幾何学文様】
まずひとつ目にご紹介するのは、まるで無限に続くかのように反復するのが特徴の「幾何学文様」。
数学で計算された無限の美は神が創造した完璧な世界を暗示するものであり、それは永遠に続くのである。
ウズベキスタンのカラーン・モスクも、永遠に連続するかのような幾何学文様で装飾されています。その美しさに、ついつい時間を忘れて立ちつくしてしまいそうですね。
美しくもキュートな【植物文様】
美しい植物がモチーフの模様は、その名のとおり「植物文様」。こちらは、イスラム地域で愛されているチューリップや架空の植物などによる装飾です。
永遠に続いていくような自然主義的デザインは、宇宙的な広がりを感じさせる。
ピンク色が特徴の植物文様が施された、シーラーズ(イラン)にある伝統的なマスジェデ・ナスィーロル・モスク!ステンドグラスから差し込む朝日によって、さまざまな光のアートを創りだします。まるで万華鏡の中にいるみたいですね。
同じ建物内でも、別の天井はバラのようなデザイン。バラをはじめ、ピンクの花々の美しい植物文様。さすが「バラの街=シーラーズ」にある寺院!花、葉、茎と複雑に連なり永遠に続いている素敵なデザインです。
神秘の世界【文字文様】
イスラム模様の3つ目の型は、「文字文様」。コーランを記すアラビア文字を使用しており、アラビア語が読めない私たちは、最初はそれが「文字」だということに気がつかないかも!
コーランという絶対的な存在を表すアラビア文字を配するだけで、直接コーランについて論じなくとも、精神性の高い作品が生まれている。
トルコ・イスタンブールにある、荘厳な雰囲気のアヤ・ソフィア。アラビア文字でアッラーや預言者の言葉を描いた円盤は、その装飾された「書」自体が、文字文様なんですよ。
こちらは、アヤ・ソフィアの外観です。もともとキリスト教の大聖堂だったのですが、王様が変わってイスラム教のモスクに。キリスト文化とイスラム文化が共存するおもしろさがあります。
イスラム建築の壁面を煌びやかに彩る、異国情緒たっぷりのイスラム模様!イスラムでは、偶像崇拝がタブーなので、人物や動物を描くことがNGなのです。そこで、イスラム模様の独特のデザインが生み出され、発展を遂げてきたんですね。