国立新美術館開館10周年 安藤忠雄展-挑戦-
光 LIGHT
極限までそぎ落とされたようなシンプルな造形。その無地の「カンヴァス」に光や風といった自然の息吹が映し出されることにより、安藤忠雄の目指す空間が生まれます。
原寸大「光の教会」
展覧会の目玉は「光の教会」。原寸大の美しいコンクリート打放しを中庭に再現しました。迫力を体感して下さい。
本物は十字の部分にガラスが入っていますが、安藤氏自身が理想とする“自然と向き合う建築”ということでガラスは入っていません。本物以上に、安藤氏の世界観を感じられることでしょう。
こちらの側面は、本物では見ることが出来ないはず。
増築申請の確認申請もとり、展覧会終了後は解体して移転させるそうです。7000万円もかけたという仮設建築、一見の価値はあります。
「光の教会」 茨木春日丘教会
大阪茨木市、人々のよりどころとして生き続ける教会。
人に使われてこそが建築の本来のあり方です。時の経過とともに人々に親しまれ味わいを増す空間。見学には予約が必須です。HPでご確認下さい。
「水の教会」
余白の空間 VOID SPACES
自らを「都市ゲリラ」と称した安藤忠雄が、都市において一貫して試みてきたのは、意図的に「余白」の空間をつくりだし、人の集まる場を生み出すことでした。
「司馬遼太郎記念館 」
「表参道ヒルズ」
「21_21 DESIGN SIGHT 」
場所を読む READEING THE SITE
大自然に包まれた立地での安藤建築が登場するようになったのは、1980年代末からでした。以降、世界各地に美しくも力強い、安藤建築による風景がつくられていきます。一貫するテーマは、周辺環境と一体化して、その場所の個性を際立たせるような建築です。
「直島プロジェクト」の空間インスタレーション
今回の展覧会で、大きな展示室の中央に作られた楕円形の空間で紹介される「直島プロジェクト」。
瀬戸内海に浮かぶ香川県直島を「自然あふれるアートの島」として再生するプロジェクトです。安藤氏は、1980年末から30年以上関わり続け、7つの建築を完成させました。
「ベネッセハウス(ミュージアム)」
「地中美術館 」
こちらは、ウォルター・デ・マリアの作品「タイム/タイムレス/ノー・タイム」 。
作品はいつ訪れても同じものですが、自然光が作り出す“光と影”の演出は、その瞬間だけの美しさです。
「真言宗本福寺水御堂」
兵庫県淡路島、大阪湾を見下ろすの小高い丘にたつ寺院「真言宗本福寺水御堂」。
「兵庫県立美術館 」
美術館自体が美しくアート空間になっています。こちらの「円形テラス」は、美術館のシンボルとして、地下の駐車場、1階エントランスホールとギャラリー棟や2階の屋外スペースを結んでいます。
先日から、六本木の国立新美術館で安藤忠雄氏の大きな展覧会が始まりました。
安藤氏の建築作品を6つにカテゴライズして紹介しています。初期の頃の小ぶりな個人住宅から、現在進行中の大型プロジェクトまでを模型や動画で見ることが出来ます。
「この展覧会は、回顧展ではない。これからが始まりや!」とおっしゃる安藤氏。
展示会でも紹介されている、訪れてみたい国内の建築を9作品を“光” “余白の空間” “場所を読む”のカテゴリー別にご紹介していきます。