猛暑も怖くない。エアコンの仕組みを知って上手に使いこなそう
電気代がもったいなく感じて使うのを我慢したり、あっという間に冷気で満たされたりして、すぐオフにしてしまう・・・という方も多いのでは。そこで今回は、夏場のエアコン(冷房&除湿)を効果的に使う方法をご紹介。
コロナウイルスの影響で、お家時間がメインの今だからこそ、エアコンの上手の使い方が分からないというストレスを払拭して、エアコンを味方につけましょう*
- 寒さに負けない体を目指す!ゆらぎがちな冬のご自愛ケアキナリノ編集部
<除湿・冷房の使い分けについて>
Q.何となく「除湿」の方が役立ちそう。「冷房」を使う時とは?
A.基本的には「冷房」はすぐ部屋の温度を下げたい時などで活躍
「冷房」は部屋の温度を下げることを優先し、「除湿」は部屋の湿度を下げることを優先します。そのため、すぐに部屋の温度を下げたいときには「冷房」機能が活躍します。
「冷房」のほうが除湿できる場合も。エアコンの除湿が『弱冷房除湿』or『再熱除湿』どっちなのか確認しよう
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省エネの観点では・・・『弱冷房除湿』<『冷房』<『再熱除湿』(これが最も消費電力量が高い)
空気の冷却効果の観点では・・『冷房』(最も冷却できる)>『弱冷房除湿』>『再熱除湿』
除湿(ドライ)の観点では・・『冷房』(最も除湿できる)>『再熱除湿』(多く除湿できる)>『弱冷房除湿』
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【参考文献】調査結果ならびに「冷房」と「除湿」の違いと、上手な使い方|東京電力(PDF)
空気を冷やして除湿を行うという意味では「除湿」と「冷房」は同じしくみで、除湿量は「除湿」モードより「冷房」モードの方が多い。
部屋の温度をしっかり下げつつ除湿したいときは『冷房』がおすすめですが、部屋の温度を下げ過ぎずカラっと除湿したいなら『再熱除湿』が◎。
あくまで最近のエアコンは、すぐれた機能を搭載した製品が多く登場しており、これが必ずとは言えませんが、エアコンの使い方の参考になります。
「冷房」は、サーモオフにもご注意を
<快適とされるエアコンの設定について>
Q.暑いの日のエアコンの設定温度は?
推奨される設定温度はあくまで目安。「代謝量」「着衣量」「気温」「熱放射」「風(気流)」「湿度」によって、人の体感温度は左右されます。また、ある温度で冷房をきかせた部屋でも、女性より男性のほうが+5度ほど体感的に暑く感じるという研究データもあります。
A.「28度」がおすすめ。(湿度は40~60%に)
夜間など、29度〜30度除湿でも快適に感じられるならば、それをキープしても良いですね。
〇室内温度は適温に保つ
夏の冷房時の室温は28℃を目安に、冬の暖房時の室温は20℃を目安にしましょう。夏の冷房時の温度設定を1℃高くすると約13%(約70W)の消費電力の削減になり、冬の暖房時の温度設定を1℃低くすると約10%の消費電力の削減になります。
Q.28度設定が暑いと感じたら、どうする?温度を下げるのが正解?
A.まず「風量強め」で、体感温度を下げる。それでも暑かったら・・26~27度設定に。
その工夫とは、風量をちょっと強めて運転させること。温度というより、湿度を下げることも意識したいですね。理由は以下の通りになります。
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■風量・・・風速1メートルで体感温度が1度下がると言われている。
■湿度・・・湿度が10~15%下がると、体感温度が1度下がると言われている。
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<風量の設定について>
Q.基本の風量はどのくらいがいいの?
A.節電を意識するなら、風量設定は「自動運転」がおすすめ
Q.風は出てるのに部屋が冷えない。冷気の循環が足りない場合は?
A.扇風機・サーキュレーター併用がおすすめ
サーキュレーターで温度ムラをなくして快適に
夏の冷房時は冷気が上から出て下へたまるので、エアコンの下に設置して同じ向きに送風させましょう。
<よくあるお悩みに答えるQ&A>
Q.節電を意識するなら「こまめなオンオフ」と「弱めの冷気でつけっぱなし」、どっちがいい?
A.つけっぱなしの方が経済的であることが多い
エアコンは電源を入れ、室温を設定温度まで下げるときが一番電力を使います。一方、いったん、冷やした部屋の状態をキープするためにはそれほど多くの電気を使いません。基本的には、つけっぱなしで運転しておく方が経済的です。
エアコンは、外気温との差が大きいほど頑張って室温を下げようと電力を使います。日中は外気温が高いため、一度、電源を切ってしまうと再度、つけたときの消費電力が大きくなってしまいます。一方、夜間、外気温が低くなると、室温との差が小さくなり、あまり頑張らなくても室温が下がる状態になります。夜間では、こまめにオンオフした方が消費電力が少なくなることもあるというわけです。
日中の外出などではつけっぱなしにし、夜間の外出ではスイッチを切る、など外気温との差を考えてみるのがおすすめです。
Q.クーラーをつけると上半身はちょうどいいのに、足が冷える。どうして?
A.冷たい空気は下に溜まるから
Q.寝苦しい熱帯夜は、エアコンをどう使えばいい?
A.「除湿」と「タイマー」で乗り切る
快適な眠りには、心地よい温度と湿度が大切とされています。エアコンを一晩中、運転したままにする場合、設定温度は28度以上にして、除湿で湿度を50%~60%程度に。湿度を下げることで、眠りに落ちた際の汗を乾かし、しっかりと眠ることができるようになります。
一晩中、エアコンをつけていると体調が悪くなる人は、「タイマー」機能を使って、入眠後3時間を目安にスイッチが切れるように設定してみましょう。タイマーでエアコンが切れると、徐々に室温が上がっていくので、体が冷えすぎてしまうことがなくなり、朝の目覚めもよくなります。
<もっと効果的にエアコンを使うためのひと工夫>
Q.フィルターはどれくらいの頻度で掃除する?
A.稼働状況にもよるが2週間に1度を目安に
Q.エアコン併用アイテムとして、サーキュレーター以外のおすすめは?
A.カーテンやすだれを使ってみよう
直射日光が差し込む部屋の場合は、カーテンやすだれなどを使って、日中の熱気をコントロールしてみましょう。夏の日中に外出することが多い人は、窓辺のカーテンを遮熱効果の高いものに交換してみるのもおすすめです。
<コロナ対策が必要な今年の夏。「換気」にまつわるQ&A>
Q.換気中はエアコンを切った方がいいの?
A.換気中にもエアコンをつけっぱなしに
Q.効率的に換気するには?
A.空気の通り道を意識して窓を開ける
Q.どのくらいの頻度で換気するのが効果的?
A.1時間に5分~10分ほどの換気が効果的
換気は、1時間に5分~10分程度が目安といわれています。また、換気は回数を多くする方が効果的であるといわれているので、長めの換気を1時間に1回するよりも、短めの換気を何度もする方が換気の効果が高くなります。
風量設定は「自動」にしておくのが一番効率的です。部屋が冷えるまでは強めの風を使い、一定の温度まで下がったら、風を弱めるというように自動的に調整してくれます。電気代を気にして、最初から「微風」などで運転していると、部屋の温度が下がるまで時間がかかり、かえって電気を使うことになってしまいます。