出典：
知性とは、人が何かを知り、考え、理解をし、判断する、人間の知的能力を指します。知性は意思や感情などの理性や感性とは区別され、より概念的に物事を理解することです。
知性が育つと、物事を意思や感情に振り回されず、より客観的に冷静に思考し、判断することができるようになります。そのことによって、人生の困難や迷いにぶつかった時にも、自分にとってより良い、より正しい選択をすることができるようになるでしょう。
では、どのようにすれば知性が育つのでしょうか。日々取り入れられる簡単なことから、時々取り入れてみたいことまで、知性を育てるために習慣にしていきたいことを、いくつかご紹介します。
時事ニュースも今や通学通勤の移動の中で、ネットでササっと見られる時代になってきました。でもネットニュースを見ていると、日本であるいは世界で一体何が起きているのか、経済がどのような状況になっているのかということよりも、芸能やコマーシャルなどの、よりミクロな情報ばかりに興味が行ってしまいがちです。
できれば毎日、新聞で記事を読むことを習慣づけましょう。全部を細かく読む時間が無くても、気になった記事だけでも構いません。新聞の記事の配置、文字の大きさをみるだけでも、社会全体の大きな動きやグローバルな流れをおおまかにつかむことができる、大変便利なツールです。
新聞の記事は決められた少ない文字数の中に、伝えたいことをロジカルに的確に伝えている文章の教科書です。ボキャブラリーや漢字も含め、文章を書くこと、読むことの勉強にもなります。
新聞を取っていてもいなくても、毎日同じ新聞でなくても構いません。逆に色々な新聞を比べてみると、その新聞社の傾向や、意思などが比較出来て、ますます面白くなるのでおすすめです。自分の好みの新聞がみつかるかもしれません。
読書が人にとって様々な素晴らしい可能性を与えることは、周知の事実です。でもなかなか時間がない、読書が好きではないなど、色々な理由で読めませんよね。今からでも遅くありません。ぜひ少しずつでも毎日読むことを続け、習慣にしてください。どんなジャンルでも構いません。
読書によって、新しい知識、考え方、世界、想像力が得られます。人の知性を育てるにあたり、大切な事ばかりです。また、読書に夢中になることで、ふと他の世界に入り込んだような気分になることは、ストレスを解消したり、リフレッシュ効果をもたらしたりします。
寝る前の少しの時間に、スマホを眺めるのではなく、本を読む時間にスウィッチして、ルーティンにしてみませんか？本を読むことにより、スムーズな睡眠への導入も期待できます。
本を読むことを習慣にするのに、いいアイデアがあります。それは、図書館で本を借りることです。もう随分長い間図書館に行っていない、という人もいるかもしれません。今、図書館は昔と違って、かなりシステム化されているところもあります。最新の本も揃っています。人気の本は予約が必要ですが、そんなに急いで読む必要がないのであれば、予約をしてゆっくり待ちましょう。貸出期間という、読む時間にリミットをかけると、嫌でも読むことが習慣づきます。まずは無理矢理にでも読書を習慣づけるところから始めてみましょう。
久々に図書館に足を踏み入れてみませんか？本がたくさんあるだけで、少し頭が良くなるようながします。そして、どの本を借りようと、ワクワクした気分になり、知的好奇心が刺激されます。
図書館に行けば、あらゆるジャンルの本に出会えます。おまけにどんな本でも無料で読めます。なので、失敗をおそれず読んだことの無いジャンルの本にトライしてみましょう。最後まで読めなくても構いません。とりあえずかじってみれば、新しい出会いがあるかもしれません。
読書や経験によってインプットされた知識を、アウトプットすることも必要です。書くことは、自分自身の気持ちの整理や目標管理にも、とても大切なことです。しかも、キーボードで打ち込むのではなく、手書きを心がけてください。普段手書きをする機会がなかなか少なくなってきていませんか？心を込めて、美しい字で書くことは、人間にとって必要な知的行動です。また、脳の活性化にも良い影響をもたらすと言われています。
そのついでに・・・・・・誰かに手紙を書いてみませんか？
ついでに、というのはちょっと変な表現かもしれません。でも手書きで書くことに慣れてきたら、せっかくなので誰かに手紙を書いてみませんか？自分のために書くことと、誰かを想って、誰かのために書くことはまた違います。言葉や内容を選び、知性をフル活用しなければできない作業です。
手書きの手紙が届くことなんて、本当に珍しい現代社会です。何かのお礼をメールやラインで伝える代わりに、ハガキ1枚でも手書きで送ることは、相手にとって大きなサプライズと喜びになることでしょう。
帰宅したらまずテレビをつけてしまいませんか？スマホが普及していても、やはりテレビの力は偉大です。そして、ダラダラとテレビを見ていると、1時間なんてあっという間に過ぎてしまいます。1時間あればできることは本当にたくさんありますよね。もう思い切って、テレビのコンセントを抜いてみませんか？テレビがなくても、意外と困らないことに気付けます。
SNSによって、無駄に感情が揺さぶられることはありませんか？SNSを完全に絶ってしまうことは、現代人にとって難しいことかもしれません。でも制限することはできますよね。SNSもあっという間に時間を奪い取ってしまいます。それよりも、本を読んだり、考え事をしたり、知性を育てる時間にあててみましょう。ストレスから解放され、落ち着いた時間が過ごせます。
花を部屋に生けることには、色々な効能があります。花があるだけで、部屋だけでなく気分も明るくなりますよね。これを機に、花を生けることを習慣にしてみませんか？そして、花の名前や種類を知りましょう。ただ花を見てきれい、可愛いと感じるだけではなく、多種多様な花の分類、生態、季節などを知ることは、あなたの人生をより豊かにしてくれるはずです。
花を部屋に欠かさずに生けるようになると、花屋さんに行きたくなります。とくに日本は、四季のある美しい国です。その季節によって、旬の花も違ってきます。花に関する知識をつけ、四季折々の美しい花を愛でる習慣をつけましょう。花屋さんに行けば、花の知識も自然と増えてきます。
美味しいコーヒーや紅茶を、自分で入れられるようになる
普段家で飲むコーヒーや紅茶は、インスタントなどで済ましてしまいがちです。美味しいコーヒーや紅茶を自分でいられるようになると、豆や茶葉の知識もたくさん取り入れてみたくなります。また、外で飲む時の選択肢も広がりますよね。身近なことでも知らない、経験していないことはたくさんあります。知的好奇心の幅がどんどん広がることを楽しみましょう。
コーヒーを豆から買って、挽いて入れてみる。話しには聞きますが、なかなか自分ではやらないこと。まずはコーヒー屋さんにに行って豆を買うところから、一度やってみませんか？コーヒーの世界も奥が深いものです。知識が広がれば、出会う人や会話の内容もずっと深くなります。
美味しい紅茶の入れ方って、意外と知りませんよね。茶葉から買って、ティーバッグとの違いを感じてみましょう。
美味しいコーヒーや紅茶が入れられるようになったら、人にも入れてあげてみてくださいね。
もし外食などでこれは美味しい！というものがあったりしたら、自分でも作ってみましょう。そのメニューにどんな食材が使われていることを推測しながら調べてみましょう。料理は日々当たり前のようにやっているかもしれませんが、考えずにはできない、頭をフル回転しながら行う、極めて知的な行動です。
自分で作ることとなると、使ったことのない新しいスパイスや、食材などに出会える可能性があります。自分で作ることによって、外食する時にも様々な角度から食事が楽しめるようになります。
何かを習慣にするために、とりあえず30日間続けてみましょう
小さなこと、習慣にしたいことで今までできなかったことがあれば、今からすぐに始めて、30日間は続けてみてください。有名なTEDカンファレンスのプレゼンテーションの1つが、参考になるかもしれません。
どんな小さなことでもとりあえず30日間続けてみてください。いつの間にか、それは習慣になっています。
*字幕ボタンを押すと、日本語の字幕が出ます。
日々行うことは難しくても、月に一回とか、一年に数回とかの頻度でも習慣にしたい、知性を育てる行動があります。
何を始めるのも、年齢で遅すぎるということはありません。何かをやりたいと思った瞬間が、その人に最適なタイミングです。ためらわずに、いつからでも知性を育てていきましょう。
映画もまた読書同様に、視野や世界観を広げてくれます。ポイントは一人で観に行くことです。今どんな映画をやっているかというリサーチから、何を観たいか、どの映画館で上映しているのかまで一人で調べ、一人で行きます。友達やボーイフレンドと映画館に行くレジャーとは違い、映画を観て、自分と静かに向き合い、考えることが目的です。
テレビやネットで見たり聞いたり、人がやっていることを話しで聞いただけでは、理解していることにはなりません。知性を育てることは、何かを知り、考え、判断すること。そのためには実際に経験してみる必要もあります。自らやってみることにより、対象への理解がぐっと深まります。
音楽や楽器を習うことは知性を育てることとして、多くの大人が子供にやらせたい習い事の1つです。でも子供だけではありません。知性はいつからでもいくらでも育てることができます。やってみたかったことがあれば、今からでも始めてみませんか？
絵画などのアートを習うことによって、芸術に対する造形も深まり、美術館やギャラリーへも足が頻繁に赴きます。
日本の伝統芸能は、身近にありながらなかなか知らないものですよね。せっかくなので、一度体験してみると、お稽古だけではなく、日本の文化や歴史にまで知識が深められそうです。
本物のオーケストラ、オペラ、ミュージカルなどは少々高額で、頻繁には行くことはできませんよね。でも、何事も百聞は一見に如かずです。実際にライブで本物に触れ、情報だけでは得られないことを味わってみてください。ネットやテレビだけの薄っぺらい知識ではなく、本物に触れ、自分の目で見て、聞いて確かめることが一番大切なことなのです。
プロの舞台がいかに素晴らしいか、プロの俳優がいかに才能が有るのかは、実際に見てみなければ分かりません。マスコミのニュースだけでは、その人の本質は分からないのです。
聞いたことや、噂だけで知ったようになっていませんか？ネットだけで得られる知識もありますが、本質は触れてみなければわかりません。情報だけでは知性は育ちません。知識＋アルファ、実際に自分の目で見て、聞いて確かめることが大切です。
オペラなどは食わず嫌いで避けている人もいるかもしれません。でもオペラの何を知っていますか？本当に鑑賞してみなければ、好きか嫌いかも分からないはずです。知性はこのように育てていきましょう。
自分の身の回りの居心地の良い空間だけで過ごしていても、知性は育ちません。他の地域や世界の景色、人々、考え方などに実際に踏み入れて、体験することが大切です。本当に現地に赴かなければ、絶対に感じることができないことばかりでしょう。また、友達や家族などとワイワイ楽しく行くのではなく、1人で人生と向き合いながら旅に出ることが、知性を育てるために、時として必要です。
一人旅はもしかして寂しいと思うかもしれません。でも一人の寂しさや孤独を味わうことも、知性を育てるためには必要です。
出典：
知性と知識は似て非なりです。知識を得るのはネットだけである程度可能です。しかしそれを知性として育てるためには、実際に文章を読んだり、経験したりして、考え、理解することが重要です。社会や世界、そして文学や芸術、思考など様々なことを実際に触れて理解することにより、狭い世界の考え方や情報にとらわれず、様々な角度から物事をとらえ、判断できるようになります。
ぜひ日々取り入れらて、簡単なことから継続し、習慣化して知性を育てていきましょう。
新聞の記事は決められた少ない文字数の中に、伝えたいことをロジカルに的確に伝えている文章の教科書です。ボキャブラリーや漢字も含め、文章を書くこと、読むことの勉強にもなります。