「食」の習い事や資格は多岐にわたり、家庭向けのものから、プロフェッショナルな仕事に役立つものまでさまざまです。「食」を学ぶのにはどんな習い事や資格があるのか、どこで学べるのかをご紹介します。
実生活ですぐに役立てられるもの
料理教室
食育
食育とは、「食」を通じて健康な心身を育むことです。食育で学べることは、栄養学や調理技術はもちろん、マナーや伝統的な食文化など、多岐にわたります。
関連書籍や通信講座で独学する方法もありますが、食育の仕事を目指したい、本格的に勉強したいという場合は、スクールで学ぶのが効率的です。食育インストラクターや食育アドバイザー、フードコーディネーターなどの資格を取得すれば、プロとしての道が開けます。
薬膳料理
薬膳を一言でいうと、料理に漢方薬の力を足した食事療法のこと。中医学理論をもとにしており、病気ではないけれど調子が悪いといった「未病」の状態に効果的です。便秘や肌荒れ、疲れやすいなどの不快な症状を和らげるだけでなく、味や見た目の美しさ、色合いや香りまでをも追求するのが薬膳料理。
食べるだけで体の中から健康になれる薬膳料理を学ぶには、料理教室や通信講座、ワークショップ、地域のカルチャーセンターなど、ご自身に合った教室を探してみてくださいね。
特定のジャンルに詳しくなれるもの
パンシェルジュ
パンに関する資格は、個人で楽しむレベルのものから、パンの製造に関わる国家資格まで幅広く存在します。パンを食べることが好き、パン屋巡りが趣味という方には、パンシェルジュ検定が人気です。
パンシェルジュのカリキュラムでは、世界のパンの歴史や文化、マナーなどが学べます。忙しい方でも公式テキストが1冊あれば、通勤時間や休憩時間などのスキマ時間を利用して学習できるのがメリットです。提携の料理教室でパン作りの体験レッスンを受けることもできます。
野菜ソムリエ
毎日の食生活で欠かせないのが、新鮮な野菜や果物です。その野菜や果物の旬がいつか、鮮度や熟し具合の見分け方、栄養や素材に合わせた調理法など、幅広い知識を身につけるのが野菜ソムリエの資格。野菜や果物が好き、自分や家族の健康管理に役立てたいという方にはもちろん、飲食店や生鮮食品店にお勤めの方にもおすすめ。
通学制と通信制から選べ、野菜・果物食べ比べ体験付きの講座説明会も各地で開催されています。
日本茶インストラクター・アドバイザー
身近な飲み物であるお茶は、日本茶、紅茶、ウーロン茶などさまざまな種類があります。なかでも、日本茶はわたしたちの食生活に欠かせない存在で、近年はその健康効果やおもてなしの心が海外でも話題に。お茶の美しい作法や点て方を身につけるなら茶道教室に、知識や淹れ方を学ぶなら日本茶インストラクターやアドバイザーの講座を受講することになります。
お茶を習うことで身につけた知識や技術は一生ものです。食育にも役立ち、何よりおいしくお茶を楽しむことは人生を豊かにしてくれます。
スキルを仕事に生かせるもの
調理師
「食」に関する仕事といえば、調理師。料理人として働くのに必ずしも調理師免許は必要ではありませんが、幅広い専門知識と技術を併せ持つ有資格者として、就転職に有利です。専門学校なら卒業時に資格取得できますが、そうでない場合は2年間の実務経験を積んで受験資格を得たのち、筆記試験を合格する必要があります。
調理師にはさまざまな道があり、レストランや飲食店での料理人としてだけではなく、料理研究家やケータリングサービスなど、自宅での開業も夢ではありません。
食品衛生責任者
カフェや飲食店を開業する場合、営業許可施設ごとに食品衛生責任者を定め置かなければならないことが、都道府県および保健所政令市の条例により定められています。
養成講習会を修了すれば資格を取得でき、調理師などの有資格者や、大学の畜産学や水産学を修め卒業していれば講習は免除されるため、開催機関に確認を。講習では主に食品衛生や公衆衛生、法規について学びます。
コーヒーマイスター
喫茶店やカフェ、レストランで、コーヒーはなくてはならないメニューのひとつで、趣味で豆から挽いて淹れる方も多いですよね。カフェなどの開業や就転職にコーヒーの資格は必須ではありませんが、コーヒーに対する深い知識や技術の習得はお客様の信頼にもつながります。
代表的な資格であるコーヒーマイスターになるには、養成講座の受講と実技講習会への参加が必要で、認定試験に合格すれば資格が授与されます。
唎酒師(ききざけし)
「食」の知識を深める秋に
大切な人の健康のために始めてもよし、自分の好きな食べ物を極めてもよし。新しいことを始めるのにピッタリの季節はすぐそこに来ています。この秋を実り多い「学びの秋」にしてみませんか?
「食」に関する習い事のなかで人気なのが、料理教室です。実際に見て、触れて、嗅いで、味わうことで、レシピ本では分かりにくいコツや工夫を体感して覚えられるのがメリット。初心者レベルからプロ並みのレベルまで、さまざまな教室があります。自分がどのレベルか分からない場合は、体験教室でレッスンの進め方やレベル、雰囲気を確認しておくのがよいでしょう。