海外では当たり前になっている"寄付"
資産家や投資家だけでなく、一般人も寄付に積極的で、9割程度の人が毎年何かしらに寄付していると言われているほど、アメリカでは寄付は決して特別なことではありません。
寄付文化が根付いたのはなぜ?
税金が関係しているかも
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例えばアメリカでは自治体や学校、芸術分野など幅広い団体への寄付が認められていて、多額の寄付をした人は、税金の一部が免除となります。
一方日本ではその基準が厳しく、寄付できる範囲が狭いうえに、なかなか免除を認められないのだとか。
宗教が関係しているかも
キリスト教徒の多い欧米や韓国は寄付が多いと言われています。それは、キリスト教の「汝、隣人を愛せよ」という博愛主義や「お金を持っている人は、貧しい人に分け与えるべき」という教えが影響しているという説があります。
また、仏教徒の多い台湾でも「因果応報」、つまり「よい行いをすればよい報いがある」という考えに基づき寄付文化が浸透しているのだそう。
無意識に引き継がれる先人たちの精神性も
寄付の多くが、恵まれない人たちへの援助や、博物館や国立公園の維持管理費など、日本であれば税金で賄われているような文化施設で使われています。
例えばアメリカでは、テレビやSNSなどで、医療や動物愛護のためのコマーシャルが次々と流れているように、他国であれば税金で賄われる公共のサービスを、政府に頼らず、なるべく自分たちの力で賄おうとしているのです。これはアメリカ人に「自分たちの事は自分たちで」という、かつて荒野で農地を切り拓き、一から社会を作り上げた開拓者たちの自主自立の精神が受け継がれているためと言われています。
社会的な構造の問題による貧困
本人の努力とは無関係に、社会的な構造の問題で貧困が発生することがあります。そんな時海外では、誰かの助けが必要であるという意識が強く働くので、困っている人を助けようとするアクションも起こしやすいのかもしれません。
メディアが寄付文化をリード
日本では匿名で寄付する人が多いですが、海外では有名人や実業家が寄付したことをメディアで公表し、さらなる寄付を呼び掛けることがあります。Facebookやtwitter、instagram、ニュース番組で取り扱われているのを見たことがある人もいるのではないでしょうか。
こういったニュースを見ると、自分も寄付してみようかな、と心を動かされますよね。
誰かの助けになれるかも!
身体の一部を寄付・ヘアドネーション
頭皮や頭髪に関わる病が原因で、髪の毛を失ってしまった人達のために、医療用ウィッグに使われる毛髪を提供する寄付です。最近日本でもロングヘアの方が髪を切った時に、寄付する人が増えてきています。
廃棄食品ゼロ・フードバンク
フランスでは、スーパーマーケットが売れ残り食品を廃棄することを、法的に禁じています。そのため、廃棄予定の食品のうち品質に問題のないものは「フードバンク」を通じて寄付され、食用に適さないものも家畜の餌や堆肥として転用されています。
海外と日本の習慣の違いの1つに、”寄付”に対する考え方の違いがあります。例えば、アメリカと日本では個人の寄付額に100倍以上の開きがあると言われています。(2002年内閣府税制調査会資料より)