椅子が織りなす多彩なダイニング風景
特にダイニングエリアは、“椅子が置いてある場所”といっても過言ではありません。
ダイニングエリアをコーディネートする時、私たちは空間の広さから、テーブルを先に決めてしまいがちです。
しかし、“椅子”は、テーブルとは異なって個性豊かです。テーブルを先に決めてから、そのテーブルに合う椅子を選ぶとなると、選択肢が狭まるばかりか、インテリア全体のコーディネートが難しくなります。先に、空間と自身の好みに合う椅子を選びましょう。
紹介する画像は、個性的でありつつも、インテリアに合わせやすい椅子を用いたコーディネート例です。それぞれの“椅子”が織りなす風景を眺めて、あなたにとって座り心地の良い椅子選びと、空間作りの参考にして下さい。
コーディネートしやすいナチュラルな椅子。
SIEVEの「merge dining chair」
フレデリシア社の「チェアJ39」
無垢材のフレームは実にシンプル。
合わせやすい上に、飽きがこない。
ペーパーコードの座面もいい味わいを出しています。
ナチュラルで素朴な雰囲気が魅力です。
アクセントカラーを取り入れたチェア
ナチュラル系にコーディネートする際は、椅子の座面の色を部屋のアクセントカラーにすると、空間にしまりが出て雰囲気が良くなります。
カバータイプのチェア
チェアカバーをつけるタイプのものは、布の色味で表情を変えられるのが楽しい。
ちょっと使用感が目立ってきたら、カバーを変えれば、気分転換にもなります。
シンプルなフォルムの中にある柔らかさは、座り心地だけでなく、落ち着いた雰囲気を生み出しています。
カフェチェア
ヨーロッパのカフェに並んでいるような、気軽で使い勝手がよいチェア。
さっと移動しやすかったり、足元に荷物を置いておけたり、とても実用的。
イタリアの工場で長年作られていたモデルをさらに改良して生まれたこちらのカフェチェア。小粋なデザインも素敵だけど、座り心地の良さも魅力です。
カリモク家具のチェア
「カリモクニュースタンダード」とは、70年以上の歴史を持つカリモク家具が立ち上げた木製家具ブランド。
品質面や機能性を重視しながらも、日々の暮らしを心豊かに楽しくしてくれるデザインの家具を提案。
こちらのダイニングチェアはスマートでシンプルな印象ですが、どことなく愛嬌があってかわいらしい雰囲気です。
他のカリモク家具との相性ももちろん抜群。
ダイニングチェアは全部同じに揃えるのもいいけれど、違うタイプのものと合わせてみると、ダイニングに躍動感が生まれます。
個性的なフォルム、でも永遠の名作。
カールハンセン＆サン社の大ベストセラー「Yチェア」
北欧家具を代表する名作中の名作。
ハンス・ウェグナーの代表作。
1949年にデザインされてからずっと世界中で愛されています。
背を柔らかに包むラインには無駄がなく、普遍的なフォルムを形作っています。
座面もゆったりしていて座り心地もいうことなし。
フリッツ・ハンセン社の「SEVEN CHAIR」
「SEVEN CHAIR」
デンマークの北欧家具を代表する「フリッツ・ハンセン」社の名作。
デンマークの建築家アルネ・ヤコブセンの代表作としてよく知られています。
永遠のフォルムともいえる座面は、9枚の積層合板の最上面に木目が美しい板が張られています。
コピー商品も数多く販売されていますが、仕上げやアフターケアを考えれば、本物を手に入れるのが賢明。
セブンチェアの座面は色々。
ピーチ、チェリー、ウォールナット、メープル、アッシュ等など座面の仕上げ材の種類は実に豊富。
木材は種類によって、色味も木目の調子も変わります。インテリアに合わせて選べるのがセブンチェアの楽しいところ。
スタッキング可能。
何脚あっても邪魔にならない。
画像のように、セブンチェアにはカラーの座面も。
色を混在させて、リズムがある空間に。
チャールズ＆レイ イームズ社の「シェルチェア」
名作「シェルチェア」。
「チャールズ＆レイ イームズ」社を代表する椅子。
木の脚に、プラスチック成形の座面、スチール構造。
異種の素材を見事に合わせたデザインは、不朽の名作。
シックにまとめたインテリアに、グリーンが差し色になっています。
美脚！と思わず声に出てしまいそう。
脚部は違いますが、これもイームズのシェルチェア。
カラフルな座面でお部屋の印象が明るくなります。
フォルムも素材も個性的なのに、空間に馴染む椅子
フリッツ・ハンセン社の「3103 Tチェア」
先に紹介した、フリッツ・ハンセン社の「3103 Tチェア」。
1955年に発表された椅子ですが、すでに70年代に廃盤となった椅子です。
フリッツハンセンは、アントチェアが有名ですが、この椅子も素敵。
「T字」型の背もたれのカーブが絶妙。
アルテック社の「チェア66」
stool No.60でよく知られたアルテック社の「チェア66」。
アルテックはフィンランドの有名家具メーカー。
北欧モダンをよく表している椅子。
温かみのあるデザインは、合わせやすい。
軽やかで個性的なチェア
流線形のフォルムが軽やかでリズム感がある椅子。
一見コーディネートしづらいように思えますが、凡庸な空間を引き締める効果をあげています。
古びた椅子だって、素敵なダイニングの風景になる。
シンプルできれいに整頓されたお部屋に、温もりを与えてくれるヴィンテージのチェア。
布が貼ってあるタイプのものは、お部屋のトーンに合わせると柔らかい雰囲気に。
気分によって、ダイニングチェアに加えるとまた味わい深い。
クラシカルな美しさが光るコーディネート。
木製のチェアは、経年変化で艶がでたり、傷も味わいになってりするのが楽しい。
ウッディな空間で、色のトーンは揃えながら、色んなデザインのチェアを並べたところがおしゃれ。
古い鉄脚椅子をリメイクして。
アンティーク風に加工した座面と鉄の組み合わせがなんとも表情豊かで素敵。
壁やテーブルクロスなど、白で統一された清潔感ある空間。
アンティークの小物や、ちょっと個性的なチェアを置くと、ハイセンスな仕上がりに。
ダイニングに馴染むストッケの子供用チェア
高さ調節ができる北欧生まれの「トリップトラップ」
ストッケ（STOKKE）の子供用ハイチェア「トリップトラップ」。
座面と足を乗せる板が、子供の成長に合わせて高さ調節可能。
カラーバリエーションが豊富なので、インテリアにも合わせやすく、お洒落にコーディネートできるのが嬉しいですね。
ベビーも安心のアクセサリー
さらに別売りのアクセサリーを装着することでベビーにも安心。
「トリップトラップベビーセット」を使えば、生後6〜9カ月の一人でお座りができるようになったベビーも、安全に家族とテーブルを囲むことができます。
新生児も幼児も成長を見守るチェア
「トリップトラップ ニューボーンセット」は新生児の小さな体にもぴったりフィット。
小さな赤ちゃんと目を合わせての家族のふれあいが増えそう。
ベビーも幼児も、さらに大人になるまで成長に応じて使えるというトリップトラップ。
何歳でも足をしっかり下ろして食事を楽しめるのが嬉しいですね。
おわりに
食事や読書、家族の団欒。
ダイニングチェアに腰掛けて過ごす時間が多いからと、機能重視で選んでいいのでしょうか…。
2LDKに家族４人。
部屋の広さが限られているからと、テーブルを先に決めてしまっていいのでしょうか。
疲れ果てて、カバンを投げ出し、ほっとして腰掛けることだってあるし、ふと眺めた椅子に、悩みを抱えたあなたが慰められることもあるのです。
テーブルと異なって、椅子はそれぞれに個性があります。そして、家具というものは耐久性に優れたものです。間に合わせや機能重視で選ぶと、愛着がわかないままに、ずっと使い続けてしまうことになります。
椅子も家族の一員として考えて、自分自身の身体と感性に寄り添う椅子を選んでから、他の家具を決めましょう。末永く心地良い空間は椅子選びからと言っても過言とはなりません。
無垢のダイニングチェアは木のぬくもりが感じられて、すわり心地の良いものです。
何気ない背もたれですが、個性が感じられます。