感謝のしるしや手土産、誕生日・結婚・出産祝いまで、1年中気になる「贈り物」。ちょっと気が利いていて、喜んでもらえて、ついでに自分用にも欲しくなってしまう……そんな素敵な贈り物について、毎回様々な分野で活躍する方々にインタビューします。
今回教えてくれるのは、俳優の菊池亜希子さん。後編は、しっかりと感謝やお祝いの気持ちを込めて贈りたい10,000円前後のアイテムについて伺いました。

カトラリーや木製のオブジェのデザインで知られるデンマークのデザイナー、カイ・ボイスン。1951年に発表されたこちらのモンキーは、彼の代表作とも言われるアイコニックな木製オブジェです。

「上京したてのころ、ヴィンテージの家具屋さんの片隅で見かけて一目惚れ。それ以来いつかほしいもののリストにずっと入っていたのですが、なかなか買う機会に恵まれず。

そんなある日、義理の父の誕生日に何を贈ろうか悩んでいるときにふらりと入ったセレクトショップで、小さいサイズのモンキーを見つけたんです。これなら買いやすいお値段だし、プレゼントにいいなと思って贈ってみました」

手足がくるくると回るようになっているので、机に座らせたり、棚や植物にぶら下げてみたり。目に入るたびにほっと心を和ませてくれます。

「義父はインテリアなどに特に興味があるわけではないのですが、釣りが好きで、いつもあれこれ道具をいじっているような人。だから、こういう仕掛けがあるようなデザインのものを喜んでくれるのではないかと思って。

実際、『コイツの片手に鍵をかけるといい感じにバランス取ってくれるんだよ』と喜んで使ってくれていて、帰省するたびこの猿に会えるのが私の楽しみにもなっています」

1837年フランス・パリ創立、言わずと知れた世界に名だたるラグジュアリーブランドの「HERMÈS（エルメス）」。ナチュラルな色付きで使いやすいリップバーム「ローズ・エルメス ローズ ア レーヴル」は、唇にのせると蜜蝋のようにするっと溶けて馴染んでくれます。菊池さんが贈り物に選んだのは、温かみがあって落ち着いた印象の「ローズ・タン」というカラーです。

「大好きなアイドルグループのメンバーが卒業されたときに、『お疲れ様でした』と『これからも応援しています』の想いを込めて、エルメスのリップを贈りました。

彼女はまだ18歳だったのですが、その年齢で自分と真摯に向き合い、次の夢に向かって動き出していることに心を打たれました。そんな彼女へのささやかなエールになるようにと、もともと持っている個性を生かしつつさらに魅力を引き出してくれるようなアイテムを選びました」

リップを塗る手元まで彩ってくれるケースは、ピエール・アルディ氏のデザインによるもの。ブランドのアイコンでもあるオレンジのボックスに収められており、特別感のある贈り物にぴったりです。

「このリップは近しい友人やヘアメイクさんが使っていて、いつも頭の片隅にありました。『日常的に使いやすいうえに、使うたび気分が高揚していいよ！』とおすすめされるので、いつか自分にもご褒美的に買いたいなと思っています」

修道士たちの“癒し”の思想から生まれ、世界最古の薬局として約800年の歴史を持つ「サンタ・マリア・ノヴェッラ」。伝統のレシピを守り、フィレンツェの丘で育ったハーブや植物などを使って手間も時間もかけながら香り豊かなオーデコロンや石鹸などを作り続けています。

「こちらも、推しグループのメンバーが卒業されるときに贈ったもの。とてもお洒落に敏感な方だったので、お洋服や小物を私のセレクトで贈るのはなかなか勇気がいるなぁと思い、彼女の雰囲気にも合うこのポプリとポットを選びました」

三世紀もの間受け継がれてきたレシピでフィレンツェの丘に息づく植物の実や葉、花びらなどを熟成させて作るポプリ。深くスパイシーな香りは、一度経験したら忘れられないはず。

「もともと大好きなスタイリストさんがこのポプリを愛用していたのですが、会うたびに素敵なお洋服とともにこの香りがふわりと漂ってきて……。私の中ではこの香り自体がお洒落そのものという認識です。

私も服にふんわり香りづけができたらと、いつも自分のクローゼットに置いています。この香りを身にまとえば、なんてことないシンプルな出で立ちでもとっておきのお洒落をしているような豊かな気持ちになれるんです」

素敵な贈り物は見つかりましたか？前編では菊池さんに3,000円前後のギフトについてインタビューしています。あわせて参考にしてみてくださいね。