手や腕を保護する筒状のカバーのことを「アームカバー」と呼びます。ぱっと見はレッグウォーマーのようですが、ものによって手の指を出すためのホールがあることも。

アームカバーは腕の日焼け防止や温度調節、汚れ防止、ケガ防止のために使われ、用途によって使われる素材が異なります。防寒用のアームカバーに関しては、アームウォーマーとも呼ばれます。

アームカバーを使う最大のメリットは、つけるだけで紫外線対策や温度調節、ケガの防止などができること。お出かけ先で紫外線が気になるとき、オフィスのエアコンが効きすぎているときなど、腕にサッと通すだけで気軽に使えます。カーディガンなどのアウターに比べてコンパクトのため持ち運びにも便利ですし、腕をカバーするだけなので厚着にならないところも嬉しいポイントです。

紫外線対策や温度調整以外にも、吸汗速乾機能のあるもの、着圧機能でスポーツ後の疲労回復を軽減してくれるもの、撥水加工が施され汚れに強いものなど、さまざまな機能を持つアイテムもあります。それぞれのアイテムの機能を把握し、上手に使い分けたいですね。

ここからは、自分に合ったアームカバーの選び方をご紹介します。

アームカバーを選ぶ際に気にするべきは主に２点。自分がなぜアームカバーを必要としているのか、どのようなシーンで使いたいと思っているかを把握することが大事です。

手首を覆うだけのものから手首から肘までのもの、そして二の腕までと、さまざまな長さのアームカバーがあります。

「大は小を兼ねる」と思って長いものを選びがちですが、決してそれが正しいとは言えません。確かにロングタイプは汎用性が高いものの、サイズが合わないとずり落ちてきて使いづらいこともあります。大切なのは、合わせたい服の袖から指先までをカバーでき、長すぎないものを選ぶこと。アイテム選びで失敗しないためにも、自分の腕の長さを測り、表記されている長さがちょうど良いかをチェックしましょう。

どのような服装にも合わせやすいアームカバーを探しているのなら、単色使いでシンプルなアイテムをまずは買ってみるといいでしょう。

写真の商品は親指用のホールがあり、手の甲から二の腕までを覆えるロング丈。上部は細いゴム糸を入れて編み込まれているため、ずり落ちてくることがありません。吸放湿・接触冷感・UVカット効果のある糸を使って編まれているから、しっかり紫外線をカットしてくれるのに蒸れずに快適です。

色は使いやすいグレー、チャコールグレー、キナリの3色展開。中でもグレーはどのようなコーデにもしっくり馴染みます。

アームカバーをしているときでも蒸れや汗を気にせず快適にすごしたいのなら、クマ笹と和紙を組み合わせた素材「ささ和紙」でできたアイテムがおすすめです。和紙は吸水性があって汗を素早く吸収して蒸れにくく、断熱性もあるため強い日差しから肌を守ってくれます。さらに紫外線遮蔽率も高く、色によって93.4〜98.1%もあるのがすごい！　さらに素材本来の特性のため、効果が何度洗っても落ちることがありません。

ざっくりした素材感が見た目にも涼しげ。フリルのような縁取りも可愛らしいアクセントになります。

オーガニックの天竺コットンを使用した肌触りの良いアームカバーです。手の甲から二の腕上部までをしっかりカバーするロングタイプで、紫外線からしっかり肌を守ってくれます。二の腕上部にはゴムが入っているので腕に優しくフットし、ずり落ちてしまうこともありません。

写真のブラックとグレーの配色の他、ライトグレーとオレンジ、オフホワイトとグリーンがあります。

肌があたる内側はシルク、外側は綿麻にして織り込んだアームカバーです。吸汗速乾性に優れているため、汗をかいてもサラサラ快適。

季節を問わず使える素材のため、紫外線から肌を守りたいときはもちろん、アームウォーマーとして秋冬にも大活躍。シンプルな筒状のため、レッグウォーマーとしても活躍してくれます。

これまでのアームカバーにはあまりないヴィヴィッドな色使いで、コーディネートのアクセントにぴったり。

見た目が華やかなのはもちろん、機能面やつけ心地も考えられているところもポイントに。細番手の上質綿を表糸に使っているため肌触りが良いうえ、裏糸にはUVカットと接触冷感作用のある機能性素材が使用されていて、薄手ながら紫外線対策が万全にできちゃいます。さらに、肩口まで届く長めの作りで腕全体をカバーできるのも嬉しい。

指先の日焼けまで許さないグローブタイプですが、シャリシャリッとした質感のリネン100%のため、蒸れず、真夏でも爽やかです。

長さは55cmあり、二の腕上部まで届く長さ。袖がある服と合わせるときは、肘下でくしゅくしゅとたるませても可愛いです。落ち着いた色合いでナチュラル系のアイテムとの相性も抜群。

アームカバーで見た目が重くなるのを避けたいのなら、シースルー素材のアイテムがおすすめです。「アイスシルク」と呼ばれるポリエステル素材を使っているため、蒸れずサラッとした肌触り。
透け感ある素材ですがUPF50+の紫外線カットが施され、肌を紫外線から守ってくれます。

裾から覗かせればブラウスを重ね着したような見た目になり、アームカバーに見えないところもポイントです。

おしゃれブランドらしい素材感とディテールのアームカバーは、通気性と肌触りにこだわりコットンとリネンの天然素材で作られています。ナチュラルなスタイリングもしやすい淡い色合いながら、遮蔽率は81%以上、さらに抗菌防臭加工もされている優れもの。写真のナチュラルの他、グレーとブラックもあります。

七分袖や長袖を着ているときに手首や手の甲あたりのUVケアや冷房対策をしたいときに便利なのが、ハーフ丈のアームカバー。シルクを使っているため肌触りがよく、シルクが持つ保湿効果でエアコンの風による肌の乾燥まで防いでくれます。

手先部分はフィット感を持たせていますが、腕部分は軽い肌触りになるよう薄く編まれているため、付けていてラクなのに手先の作業がしやすくなっているのが嬉しい。

絶対に肌を焼きたくない人には、二の腕から指先まで覆うミトンタイプを取り入れてみて。紫外線から肌を守りつつ、接触冷感素材を使用しているので、肌に触れるとひんやり感じて涼しく着用できます。

紫外線が当たりにくい腕の内側はレース仕様になっており、涼しげでおしゃれに身につけられるのもポイントです。

吸水性が高いことで知られる珪藻土からヒントを得て開発されたグンゼオリジナルの新素材「アセドロン」を使って作られたアームカバーです。「アセドロン」は、吸湿性が高くなめらかな肌触りのレーヨンと、ドライ感の強いポリエステルをミックスして作られた素材のため、汗をかいてもアームカバーの外に湿気を放出し、すぐに乾くので肌がずっとサラサラなまま。

肌に触れるとひんやりする綿麻混の素材を使って作られたアームカバーは、ブラックならUVカット率99.2%という高機能。リブ編でカットソーのように見えるから、リブ編みカットソーを重ね着しているようにも見えるのもおしゃれです。
また肌側はシルク仕様で、やさしい肌あたりなのも嬉しいポイントに。

「アームカバーがどうも苦手……」という人は、羽織れるタイプのアームカバーを検討してみるといいかもしれません。アームカバーよりも少しだけ嵩張りますが、カーディガンよりはコンパクトですし、暑苦しさもありません。さらに、アームカバーとしてだけでなく、首に巻いてストールとして使ったり、膝かけとしても活用できます。

写真のアイテムは、オーガニックコットンを使用し、JIS規格をクリアしたウルシ科の植物を使って染めた「五倍子染め」の生地からできており、真っ黒とは異なる深みのあるグレーの色合いを楽しめます。

夜のウォーキングを習慣にしている人におすすめしたいのが、イギリスのアウトドアブランドの「カリマー」アームカバー。ロゴが反射プリントになっており、夜間での視認性も抜群。吸水速乾性に優れたストレッチ素材を使用しているうえ、悪臭の元となるバクテリアを抑える抗菌防臭加工も施されています。

独自開発の機能素材に定評がある「THE NORTH FACE」のアームカーバーです。こちらの商品には、「DRY DOTテクノロジー」と呼ばれる汗を素早く表面に吸い上げて、ドライ感をキープする素材が採用されていて、ランニングで汗をかいても快適な状態をキープ。抗菌防臭効果も施され、気になるニオイも防ぐことができます。

S、M、Lの3サイズあり、自分の腕の太さにジャストフィットするものが見つかるのも魅力です。

腕のラインにフットするように作られたアームカバーをすることで、血液やリンパの流れを改善し、余計な振動を抑えて筋肉をサポートしてくれるため、疲労軽減や筋肉痛の予防に役立ちます。

さらに、UPF50としっかり紫外線をカットしてくれるうえ、吸汗速乾性にも優れていて汗をかいてもベタつき知らずです。

剣道着メーカーとして名が知られる創業1914年の野川染織工業が展開するブランド「喜之助紺屋」に「ビームス ジャパン」が別注した藍染のアームカバーです。昔ながらのアームカバーですが、それがかえっておしゃれ。

高い技術で細い糸を緻密に織り込んだ地厚な生地を藍がめに漬け、美しい藍色に仕上げられています。ゆったりしたサイズ感だから長袖の上にも重ねられ、冬のガーデニング作業にも重宝します。

ライフスタイルブランド「ケユカ」から、虫除け効果のある成分を搭載したアームカバーが登場。虫除け効果といっても香りやあるわけでなく、見た目も普通のアームカバーと同じ。でも、洗濯しても効果が続くという優れものです。

五本指タイプなので土いじりをしても手が横れることなく、UV遮蔽率も95%以上！　手のひらには滑り止めがついていて、ものが掴みやすくなっているなど、細部にまで考え抜かれています。