金沢街道とは
金沢街道が通る地域は雪ノ下・二階堂・浄妙寺と呼ばれ、鎌倉時代から続く寺社が多く残ります。また現在は閑静な住宅地となっているほか、お洒落なレストランや雑貨屋が営まれています。
金沢街道沿線まで行くには、健脚な人は鶴岡八幡宮から歩いて20分程度で着きます。また鎌倉駅~金沢八景駅間の路線バスが運行していますので、移動にはこちらを使うと便利です。
鎌倉の歴史を伝える寺々
浄明寺
本堂脇には喜泉庵という茶室があり、これに付属する枯山水庭園が浄明寺で一番の見どころです。お抹茶を頂く事もできます。静かなお茶室からのんびりとお庭を眺めれば、癒される事間違い無しでしょう。
報国寺
報国寺は1334年創建の臨済宗寺院です。室町時代を通じて足利一門と縁の深いお寺でした。現在では「竹の庭」がとても有名ですが、境内の大銀杏や山門付近の枯山水風庭園、苔むした山道の石段、五輪塔群といった見どころもあります。
竹の庭に入るには別料金(200円)を払う必要があります。
中には約2000本の孟宗竹が生える、うっそうとした竹の林です。青竹の爽やかな匂い、さらさらと葉がすれる音がとても気持ちの良い空間です。
お抹茶券(500円)を購入すると、最奥にある「休耕庵」でお茶と干菓子を頂けます。
座ってお抹茶を味わいながら、ゆっくりと竹林を眺められる贅沢な時間を過ごせます。
杉本寺
杉本寺は鎌倉で一番古いお寺で宗派は天台宗、創建は平安時代以前まで遡ります。御本尊は十一面観音で平安時代に造られてました。本堂最奥に大切にお祀りされていますが、本堂に上がってお姿を垣間見る事ができます。観音様の前での静謐で厳かな雰囲気は心の中から無駄なものを落としてくれるような、そんな力を持っているように感じます。
高台にあるので境内からの眺めは最高です。
背後の山は室町時代に斯波氏の杉本城があった関係からか、杉本寺境内には斯波氏を供養するための五輪塔群が今でも残っています。
今は通行禁止となった苔むした石段や、茅葺屋根の素朴な佇まいなど、古い歴史を感じさせながらもどこかホッとできるお寺です。
鎌倉三十三箇所霊場の1番札所でもある事にちなんで杉本寺からお寺巡りを始める、なんて事も良いかもしれません。
明王院
明王院は鎌倉時代創建の真言宗のお寺で、4代将軍藤原頼経の発願により建てられました。明王院の建つ場所は鎌倉幕府のある鶴岡八幡宮周辺からみて鬼門の方角に当たるそうで、鬼除けの為に五大明王をお祀りしています。当時はとても規模の大きなお寺だったそうです。
有名なお寺のような華やかさはありませんが、茅葺屋根の本堂にきちんと造られたお庭がとても清々しく、ついじっくりと過ごしたくなります。
春には門前がこのように華やぐほか、八重桜や萩といった花々も楽しめます。
街中の喧騒を忘れて一息つけるお寺です。
【カフェ/レストラン/雑貨屋】散策の小休止には落ち着けるお店♪
石窯ガーデンテラス
先に紹介した浄明寺の、何と境内で営業するレストランです。築90年の洋館を改築した店舗とイングリッシュガーデン、そして石窯焼きのパンが人気のお店です。
カフェメニューのほか、ランチコースとピザ等のアラカルトメニューがあります。鎌倉野菜やこちらのガーデンで育ったハーブがふんだんに使われたお料理は文句無しの美味しさです。
店内席だけでなくテラス席もたくさん用意されていて、四季折々の美しさをみせるガーデンを眺めながらゆっくり過ごす事ができます。
浄明寺の石庭だけでも素晴らしいのに、こちらではイングリッシュガーデンが楽しめるとは、何とも贅沢な空間です。
カフェレストランGEN
カフェレストランでGENは、金沢街道から報国寺へ入る道沿いにあります。どちらかというと和風な住宅街に突如現れる洋風でお洒落な建物です。しかし周囲とマッチしているデザインで浮いたりはしていません。
テラス席もあり、ペット同伴で立ち寄れるのが嬉しいお店です。
看板メニューはトマトソースの効いたシーフードパスタ。地元の新鮮な魚介類を使っていて、地元の常連さんにも人気のメニューだとか。他にはドリア、リゾットといった軽食と充実のカフェメニューが用意されています。
浄明寺バス停からも近く移動に便利、金沢街道散策中のランチにピッタリです。
鎌倉梅のや
先述のGENのすぐ近くには、これまたうって変わった和風な店構えの梅のやがあります。門をくぐると見えてくるのは、入り口の外から並ぶ可愛い雑貨たち。こちらは甘味処ですが、和食器・和雑貨を豊富に揃える雑貨屋でもあるのです。
店内に所狭しと広がる雑貨達はどれも素敵で、時間が経つのを忘れてしまいそう。和食器好きの方にはお勧めしたくもあり、危険(買い込んでしまう)だから気をつけて!と言いたくもなる、そんなお店です。
靴を脱いで上がるお座敷では、看板のあんみつのほかお汁粉、お団子、おでんにビールまで頂けるという、幅広い年代に対応できるお店です。
ちなみにお団子は人気メニュー。食べたいかたは午前中にどうぞ。
楓花
報国寺の門前にある、一見飲食店と思えないお店が楓花です。
自宅を改装した店内は広々とした畳敷きで、飾り気ない感じがかえって落ち着けます。
メニューは喫茶と軽食のほか、お昼には四季弁当という日替り和風定食があります。野菜中心の優しい味のものばかりで、ご飯に旬の混ぜご飯が出る事も。
喫茶の看板メニューはロールケーキです。日替りで数種類用意されています。個人的にはわらび餅もおすすめです。
器と雑貨の店RAKU
浄明寺バス停から鎌倉方面に歩き、八百屋のある門を曲がると見えてくるのがこちらのお店。
ウッドデッキへと続く階段は緑に囲まれていてとても素敵。こちらのお店も入り口周りからたくさんの品々が展示されており、そうした景色を眺めつつデッキにある椅子やソファで一休みできます。
店内はそんなに広くありませんが品数は本当に豊富。流行りの品から作家さんの一点ものまで、オーナーが全国から集めた雑貨、主にテーブルウェアが揃っています。季節ごとに商品の入れ替えを行うので、いつ訪れても欲しいものが見つかってしまうという、大変困った素敵なお店です。
一風変わったおすすめポイントもあります
朝比奈切通し
鎌倉時代に開かれた金沢街道は現在でも朝比奈ハイキングコースとして十二所周辺〜朝比奈インター付近まで歩く事ができます。また、当時の景観が残る貴重なものと史跡に指定されています。十二所神社バス停から川沿いに住宅街を歩き、写真の三郎滝からがハイキングコースの出発点。豊かな自然が残るなかを歩く、あまり起伏のない緩やかな2km程の道のりは、街歩きの気分転換にピッタリです。
鎌倉は三方を山に囲まれた地形のため、人々がスムーズに行き交うには街道の整備が不可欠でした。そこで行われたのが切り通しという、山肌を切り開いてしまうという土木工事です。江戸時代には鎌倉七口という切り通しが伝えられていますが、実際どれほどの数があったのかはわかっていません。その中でもこの朝比奈切通しは13世紀半ばには使用されていた記録が残る貴重なものです。
岩盤質の山肌を開いているので、大切通しをはじめ切り立った崖の間を何度も通り、本当に鎌倉時代にタイムスリップしたような気分になります。
旧華頂宮邸
報国寺への道をさらに奥へ進むと見えてくるハーフティンバー調の洋館が旧華頂宮邸です。昭和初期に当時の宮家である華頂宮家の鎌倉別邸として建てられ、その後人手に渡ったのち、現在では鎌倉市が所有・管理する文化財となっています。
外観だけでなく内装も当時の面影が保たれており、映画やドラマのロケ地としても人気があります。
普段は庭園と外観のみ見学できますが、春と秋の2日ずつ特別公開日が設定されていて、館の内部(1階部分のみの場合もあり)を見学できます。半螺旋式の木造階段、大きな大理石製のマントルピース、アンティーク家具やシャンデリアと上流階級の気分を満喫できます。
お庭はフランス式庭園で、美しく整えられた芝生や枝垂れ桜、バラ、紫陽花、紅葉が楽しめます。
お土産には鎌倉の銘菓を
鎌倉ニュージャーマン
散策も終わってさあ鎌倉駅へ戻ろう!とバスに乗りたくなりますが、ちょっとガマンして歩いてみましょう。岐れ路交差点の手前まで来ると、写真の黄色い建物が見えてきます。こちらが鎌倉ニュージャーマン雪ノ下本店、あの銘菓「鎌倉カスター」のお店です。
鎌倉カスターは鳩サブレと並ぶ鎌倉土産の定番。こちらの店舗にはイートインスペースがあり、鎌倉カスターのほか各種ケーキが味わえます。
鎌倉カスターの優しい甘さは、金沢街道散策の疲れを癒すにはピッタリ。勿論お土産にもどうぞ。
浄明寺は臨済宗のお寺で1188年に創建され、鎌倉五山の第五位と高い寺格を持ちます。鎌倉時代には広大な敷地を誇っており、周辺の字名が「浄明寺」と呼ばれるのはその名残です。
山門をくぐると、本堂までまっすぐのびる石畳、整えられた木々、青々とした芝生がとても印象に残ります。