「森林浴」とは、樹木に接することで、人間の心身への癒しを求める行為のこと。欧米などでは「森林セラピー」「自然療法」として森林浴が、医療行為として実用化されている国、保険が適用されている国もあります。

森林浴は、私たち人間に様々な健康的な効果を与えてくれる期待がされています。例えば身体の疲れやイライラの原因となっている「ストレスホルモンの減少」「副交感神経の活発化」などのほか、「血圧・脈拍数低下」「免疫力UP」など、森林浴をすることによって様々な効果が期待されており、科学的に実証されつつあります。

森林浴といえば、「リラックス」「癒し」「マイナスイオン」などを想い描く方も多いのではないでしょうか。これらは、一般的に“森林浴効果”と言われています。森林浴効果の秘密とは、森林の樹木が発散する「フィトンチッド」という物質によるものです。フィトンチッドは、抗菌、防虫、消臭など様々な効果が期待されており、フィトンチッドを吸い込むことで、私たちの心身をリラックスさせてくれます。

明治天皇と昭憲皇太后を主祭神として祀る明治神宮の境内には「鎮守の杜」と呼ばれる広大な深い森があります。

明治神宮の「鎮守の杜」は、「東京都23区内にこんなに豊かな自然が残っている」と錯覚しそうな雰囲気を醸し出しています。しかし、「鎮守の杜」は、1920年の明治神宮創建時に植樹された人工的な森なのです。

人工的に作られた森とは言え、明治神宮境内にある鎮守の守は、大都会である東京都の一等地に立地しており、気軽にアクセスすることができる森林浴スポットとして、抜群の人気を誇ります。

高尾山は、東京都八王子市にそびえる標高599メートルの山です。高尾山は、東京の都心から近いこともあり、年間を通じて大勢の観光客や登山客が訪れる森林浴スポットとなっています。

高尾山にはケーブルカーも開通しているため、簡単に山頂までアクセスすることができます。森林浴はしたいけれど、登山は苦手という方は、ケーブルカーを利用して高尾山の山頂へアクセスし、帰り道は森林浴を楽しみながら歩いてみるという方法もおすすめですよ。

高尾山の山頂からは、素晴らしい眺望が待っています。ここからは、広大な平野となっている東京都の市街地を一望することができます。

また、高尾山の山頂からは、日本一の標高を誇る富士山を眺めることもできます。森林浴ができるうえに、素晴らしい眺望が待っている高尾山へは、東京都心から日帰りでアクセスすることができるため、高尾山は「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」の三ツ星にも輝いています。

関東地方を悠然と流れる多摩川の支流の一つである「秋川」には、あきる野市から檜原村までの全長約20キロメートルほどの「秋川渓谷」があります。秋川渓谷は、新宿から約1時間程度でアクセスすることができる森林浴スポットとして人気があります。

秋川渓谷では四季折々で美しい風景を楽しむことができます。春は桜、夏は深緑、秋は紅葉など、秋川渓谷は東京都内とは思えないほど豊かな自然が広がっています。

心地よい清流のせせらぎに耳を澄ませながら、美しい緑の樹々を眺めながら、よく整備された秋川渓谷の遊歩道を歩く心地よさは格別です。

東京都青梅市に位置する御岳山は、標高929メートルの山です。ここは古くから山岳信仰の場として知られており、山頂には武蔵御嶽神社が建立されています。

御岳山の森は日中でも薄暗く、深山幽谷とした雰囲気です。鬱蒼とした緑の葉に覆われた御岳山のハイキングコースを歩いていると、ここが東京都内であることが信じられなくなるほどです。