年末年始に向けてますます冷え込む日本の冬。寒い冬には温泉にでも浸かりながら、ゆっくり旅行をしてみるのもいいかもしれませんね。日本には旅館やホテルがたくさんありますが、中には歴史が古く趣のある旅館や世界的著名人も訪れるホテルなど、魅力的な老舗宿もたくさんあります。ここでは、一度は訪れてみたい素敵な老舗宿をご紹介したいと思います。2017年12月06日作成
都会にある洗練されたおしゃれなホテルも素敵ですが、老舗の旅館もそれに負けないくらい魅力的です。なぜなら長い年月を経た建物は趣がありますし、色々な時代と共に生きたという歴史を感じることができるから。この冬はそんな宿を訪れて、一年の疲れを癒してみませんか?
奈良県奈良市高畑町にある奈良ホテル(ならほてる)は、東大寺や奈良公園など自然や史跡に囲まれたホテルです。関西地方では迎賓館としても親しまれ、これまでに皇族や多くの著名人が訪れています。
奈良ホテルの歴史は、今から約110年前の明治39年まで遡ります。奈良ホテルは、鉄道などを管轄していた「鉄道院」という官庁により建てられました。文明開化により西洋文化が浸透していた当時、新しく建てる建物に関しては、由緒ある古建築と合うデザインにすることが求められていたそうです。この方針に従い、奈良ホテルには和風建築物と洋風建築物の両方を備えたデザインが採用されたといわれています。
奈良ホテルは、日本の激動の時代と共に歩んできたといえるでしょう。戦前の華やかな時代から、戦後は、東京オリンピックなどによる経済効果のおかげで、国内の観光客はもちろん、外国人観光客も多く奈良ホテルに訪れるようになったそうです。現在では、チャペルや屋上テラスガーデンなど時代に合わせた魅力的な施設も建てられています。
奈良ホテルの魅力は、和と洋の美しい要素を感じられるところ。たとえばダイニングルーム・三笠やティーラウンジは西洋式の内装が施されていますが、ホテルの外観や庭は和風なのです。明治時代の古き良き日本の雰囲気を味わうには、奈良ホテルはおすすめの宿です。
長寿館(ちょうじゅかん)は、群馬県利根郡みなかみ町にある創業140年以上を誇る老舗旅館。木造の建物が、その古い歴史を物語っています。
長寿館の中に入ると、神棚などが飾られた趣のある玄関が出迎えてくれます。この玄関は吹き抜けになっていて、解放感があります。また、この玄関の先にある囲炉裏では、ゆっくりくつろいだり、他の観光客と触れ合ったりすることができます。
長寿館の名物は温泉です。「法師の湯」と「玉城の湯」、「長寿の湯」の3つの湯があり、それぞれ違った温泉を楽しむことができます。中でも「法師の湯」は、平安時代に活躍した僧侶・弘法大師(こうぼうだいし)が発見したことでも有名な温泉。浴槽の下から天然の温泉が湧き出ているので、温泉に含まれる成分を余すことなく体に取り入れることができるそうです。各湯の外には美しい庭が広がり、温泉の温かさと自然を両方堪能できます。
また長寿館の客室棟・本館と別館は、国の登録有形文化財に指定されています。本館は、詩人や画家などの著名人が多く訪れた歴史のある建物。一方、別館は、客室沿いには法師川が流れていて、自然を堪能できるようになっています。どちらも風情のある和室なので、時間を忘れてゆっくり過ごせます。
慶雲館(けいうんかん)は、山梨県南巨摩郡早川町にある旅館です。慶雲館の歴史は、なんと約1300年前の慶雲2年の飛鳥時代にまで遡ります。世界で最も古い宿として、ギネス世界記録に認定されているほど歴史のある宿です。
慶雲館で入れる西山温泉は、中臣鎌足(藤原鎌足)の息子・藤原真人により発見されたといわれる名湯。発見した年が「慶雲」という元号であったため、宿には慶雲館という名が付けられたそうですよ。
慶雲館には6つの湯があります。これらの湯には、美肌効果があるといわれる低張性アルカリ性高温泉が使われています。お風呂のお湯だけでなく、大浴場のシャワーや宿泊部屋のお風呂のお湯までもこの温泉なのだとか。西山温泉に浸かれば、お肌がすべすべするだけでなく、日ごろの疲れもすっきりリフレッシュできそうですね。
湯之助の宿 長楽園(ゆのすけのやど ちょうらくえん)は、島根県松江市にある旅館です。創業は、今から約145前の明治元年。玉造温泉(たまつくりおんせん)に浸かれる老舗宿として知られています。
玉造温泉は、出雲大社の祭神・大国主命のパートナーである少彦名命により、奈良時代の初めに発見されたそうです。この温泉については、出雲の神話などが記載されている「出雲風土記(いずものくにふどき)」にも記されており、「玉造温泉に浸かれば容姿が美しくなり、再度入ると病気が治る」といわれていたのだとか。当時の人々は、そんな玉造温泉を「神湯」と呼んでいたそうですよ。
長楽園で入れる湯は、全部で6種類。大露天風呂から女性専用風呂、貸切の露天風呂まで、1つ1つ異なる温泉を堪能できます。出雲風土記に「効果を感じない人はいない」とも記されている玉造温泉に浸かりに、長楽園に宿泊しに行ってみてはいかがでしょうか?
富士屋ホテル(ふじやほてる)は、観光地としても人気の箱根にあります。今から約140年前の明治11年に、日本初のリゾートホテルとして建設されました。社寺造りの建築様式が、周辺の自然と調和して美しい外観を誇っています。
富士屋ホテルの魅力は、レトロな西洋文化を感じられるところ。かつて富士屋ホテルは、外国人が宿泊するためのホテルとして運営されていました。このため、宿泊部屋の内装も西洋式になっており、華やかな雰囲気を味わうことができるのです。現に、富士屋ホテルには、これまで教育家・ヘレンケラーや喜劇王・チャップリン、ミュージシャン・ジョンレノンなどの海外著名人が多く訪れています。
また、富士屋ホテルの庭園は、四季折々の景色を楽しむことができるとあって人気です。広大な敷地を持つ庭園は、20分ほどかけて散策できるように作られているそうです。今の季節は雪が積もることもあるそう。雪が覆いかぶさった庭園も、趣があって素敵ですよ。海外のような雰囲気の中で、優雅でクラシカルな気分を味わいたいときは、富士屋ホテルを訪れるといいかもしれません。
湯回廊 菊屋(ゆかいろう きくや)は、静岡県伊豆市の温泉地・修善寺温泉にある老舗宿です。創業から370年ほど経ちますが、リノベーションを通して今でも美しい景観を保っています。
菊屋は、あの夏目漱石が宿泊したことでも有名。今から約100年前、休養のために修善寺を訪れた際に宿泊したのが菊屋だったそうです。そんな漱石が宿泊した部屋は和風モダンを感じさせ、ゆっくりとくつろぎながら中庭の美しい景色を見ることができる最高の空間です。
菊屋で入れる湯は、大浴場や露天風呂、夢想風呂など色々な種類があります。これらの湯で、質に定評のある修善寺温泉を心行くまで堪能できます。湯のすぐ近くに流れる桂川の音を聴きながら、時間を忘れるほどリラックスするのが菊屋の湯の醍醐味といえるでしょう。
帝国ホテル(ていこくほてる)は、東京都千代田区にある老舗ホテルです。知らない人はいないほど、有名なのではないでしょうか。創業は、今から約120年前の明治23年。創業から現在まで、高級ホテルとして地位を確立しています。日本や海外からのVIPも多く宿泊しており、その中にはハリウッド女優のマリリン・モンローも宿泊していました。
帝国ホテルは、明るく開放感のあるモダンなデザインが施されているのが魅力。そのデザインからは、ラグジュアリーな雰囲気も漂います。宿泊部屋も品のある美しい内装になっていて、帝国ホテルのおもてなしの心を感じることができます。
帝国ホテル内のレストランでは、緑が広がる皇居や摩天楼を眺めながら食事を楽しむことができます。自然と都会が融合した景色は必見です。そんな景色と共に、朝食からディナーまで、最高級の食事を帝国ホテルで堪能してみてはいかがでしょうか?
いかがでしたか?古い歴史があり風情を感じられる素敵な老舗宿。今回ご紹介した宿以外にも、日本には多くの老舗宿があります。冬の旅行の思い出をさらに素敵なものにしてくる歴史のある宿、ぜひ次の旅の宿候補に検討してみてくださいね。
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都会にある洗練されたおしゃれなホテルも素敵ですが、老舗の旅館もそれに負けないくらい魅力的です。なぜなら長い年月を経た建物は趣がありますし、色々な時代と共に生きたという歴史を感じることができるから。この冬はそんな宿を訪れて、一年の疲れを癒してみませんか?