四季折々で美しい姿を見せてくれる清滝川沿いに広がる渓谷の美しさは格別です。心地よいせせらぎに耳を傾けながら、鮮やかに彩った落葉樹を眺め、清滝川周辺を散策してみてはいかがでしょうか。

夏はホタルが乱舞し、雄大な自然が残されている高雄周辺は、「京の奥座敷」とも呼ばれており、清滝川には夏から秋にかけて川床が敷かれます。錦そのもののような高雄の紅葉を眺めながら、清滝川に敷かれた川床で京料理をいただくのもおすすめです。

824年に創建された神護寺は、国宝の薬師如来像を御本尊とする真言宗の寺院です。清滝川に架かる高雄橋から山門までは、約400段もの険しい石段が続いています。

高雄橋から険しい石段を約10分登り続けると、神護寺山門前の大階段が見えてきます。大階段の両側は、深紅に染まった美しいモミジが並木となっており、素晴らしい景色が険しい石段を登り続けてきた疲れを忘れさせてくれます。

神護寺境内の庭園にはモミジなどの落葉樹だけでなく常緑樹も混在しています。神護寺は、古い山寺の風情を醸し出しながらも、大きな公園のような雰囲気も併せ持ち、参拝者の心を癒す不思議な魅力を放っています。

険しい石段が続く神護寺参道には、何軒かの茶房があります。鮮やかに彩った樹々を眺めながら、雄大な大自然に囲まれた茶房でのんびりと過ごす贅沢なひとときを味わってみませんか。

紅葉の名所として知られる西明寺庭園内の美しさは傑出しています。本堂を支える太い柱は、額縁のように見え、本堂内からは幾枚もの錦絵が並んでいるかのように庭園を望むことができます。

神護寺、西山寺とならび「三尾（さんび）の名刹」の一つに数えられる高山寺は、8世紀後半に創建された真言宗の寺院です。

深い山奥に佇む高山寺境内は深山幽谷とした雰囲気が漂っており、山寺特有の魅力を放っています。

小さな水盆が、鏡のように紅葉した樹々を映し出す様は、まるで秋そのものが水盆に舞い降りたかのようです。

国宝に指定されている石水院から眺める眺望は絶景そのものです。鮮やかに彩った高雄山と、高山寺境内の華やかさが織りなし、まるで錦絵のような素晴らしさです。

高山寺は、歴史の教科書でもおなじみの国宝「鳥獣人物戯画」を所蔵しています。紅葉見物と併せて、文化財見物を楽しんでみてはいかがでしょうか。