春に桜、秋に紅葉と、豊かな色彩と神社仏閣のコントラストを目や写真に収めようと、その時期になると多くの観光客で賑わいます。
しかし、せっかく神社やお寺を巡って御朱印を授かりながら、自然を愛でようと思っていても、人で溢れ、ゆっくり堪能できないことも、しばしば。
じっくりと神社仏閣の歴史に触れて参拝し、御朱印を授かり、のんびりと自然を愛でる。
そんな京都観光の旅ができたら素敵ですよね。
実はまだあまり知られていないのですが、初夏の京都ならそれが叶うんです。
この“初夏”のタイミングには、生命力溢れる青々とした「青もみじ」が見事なまでに美しく、寒すぎず、暑すぎない、穏やかな気温になるのが魅力です。鮮やかな青もみじを眺めながら散策すると、身も心もリフレッシュされます。
青もみじの見ごろの初夏に、寺社に参拝し御朱印を授かりながら、一泊二日の旅に出ませんか。
きっと、まだまだ知らない京都の魅力に出会えるはず。あなただけの京都旅行をご提案します。
1日目
12:30 まずはもみじの名所、東福寺に
もみじの名所である東福寺から寺社巡りをスタート。東福寺は、臨済宗東福寺派の大本山で、摂政九條 道家(くじょう みちいえ)が造営しました。京都最大の伽藍面(がらんづら)と言われる禅寺で、京都五山のひとつです。まず臥雲橋(がうんきょう)を渡ろうとすると、両脇に芽吹いたばかりの青もみじが視界いっぱいに広がります。海のように広がる緑の向こうには、京都のもみじの名所・通天橋が見えます。雑誌やテレビでよく見る赤く染まった景色とは違って、新緑に囲まれると清涼感に心が洗われるようです。
ハイシーズンには身動きが取れないほどの観光客で溢れる通天橋も、この時期には観光客がまばらで、ゆったりと歴史的な建造物と美しい景色を堪能することができます。
ちょっと脱線―坐禅体験
東福寺では毎週日曜日の午前6時30分から7時30分までの一時間、坐禅の体験をすることができます。日本で最古最大の禅堂に一歩足を踏み入れると、座布団がずらりと並ぶ光景は圧巻です。室町時代から修行僧はこの一畳の上で生活をし、夏の暑さや冬の寒さにも、自然と体がなじんでいくように鍛錬するのだそう。
体が安定する足の組み方や、呼吸や視線の位置を教えてもらえるので、初心者でも大丈夫。背筋を伸ばし、お釈迦様のように目を半分開け、1から10まで数えて吐き、また同じく10数えて吸う。ゆっくりとした呼吸法を行いながら、お坊さんの歩く足元辺りに視線を向けます。
さまざまな説明に耳を傾けながら、最初は慣れない姿勢や呼吸も次第に楽になってきます。そうすると遠くから、鳥のさえずりや、子どもたちが遊ぶ声、風が枝葉を揺らす音などが聞こえて、心が穏やかにシンと静まっていくのがわかります。
坐禅を組むのは、わざわざお寺でなくともできるのだとか。一度コツを掴めば自宅でもできるので、京都旅行中に早起きして日曜坐禅に参加して、基礎を教わるのもいいですね。
国宝の三門
現存最古最大の楼上内部に極彩画が描かれ、諸仏が並ぶ国宝である三門。普段は内部の公開はされていませんが、特別拝観できる日も設けられているそう。外から眺めるだけでも、迫力のある造りが伝わってくるので、ぜひ眺めておきたいところです。
御朱印を授かりました
参拝の証として御朱印を授かります。実は今回授かった御朱印は特別なもので、通常のものとは違っています。JR東海の対象旅行商品で、旅行される方限定で拝受することができるのだそう。この時期に楽しめる青もみじの印が嬉しいですね。
15:30 森林浴も楽しめる下鴨神社へ
糺(ただす)の森
下鴨神社の中にある糾の森は、青もみじを始めとする新緑が空を覆い、隙間から陽が差し込む光景は、まるで映画や絵画の中に紛れ込んだかのようです。思わず深呼吸したくなる清々しい空気の中で森林浴が楽しめるのは、この時期ならではです。
女性に人気の河合神社
下鴨神社にある糺の森の中に鎮座する河合神社は、随筆「方丈記」の著者、鴨長明にゆかりがある神社。女性の守護神といわれる玉依姫命(たまよりひめのみこと)が祀られ、安産や縁結び、美容の願いを叶えてくれるとして人気のある神社です。
下鴨神社の中にあるカリンの庭には、秋になるとたくさんのカリンが黄金色の実を結びます。カリンに含まれる成分には、ビタミンCやタンニン、食物繊維などが豊富で、それが美容に効くと言われています。河合神社では、収穫したカリンと清らかな御神水のドリンク「美人水」を飲むことができます。
美麗の祈願絵馬として授与されている「鏡絵馬」。手鏡の形がしてあり、可愛らしい顔が印刷されています。そこへ自分の化粧品や色鉛筆でメイクし、願いを託すユニークな絵馬です。外見だけではなく内面も磨いて、大人の女性として美しくなる。神様に託すだけでなく、自分の目標として改めて形にすることで、意識するきっかけにもなりそうです。
御朱印を授かりました
下鴨神社、河合神社ともに参拝をした後に御朱印を授かりました。
※こちらの御朱印は特定の旅行商品用の御朱印となります。
日没後に、青もみじのライトアップ観賞
下鴨神社から叡山電車で北上すると、京都の奥座敷として有名な貴船に着きます。貴船は、京都盆地特有の蒸し暑さから逃れられる避暑地として人気です。
初夏の時期には、叡山電車が市原~二ノ瀬間にある通称「もみじのトンネル」でライトアップを行っています。貴船口から乗車して出町柳まで。その間に、もみじのライトアップを観賞します。
夏でも街中と10度近く気温差のある貴船。ひんやりと少し肌寒く感じますが、その空気が返って清々しく、ライトで浮かび上がる青もみじの美しい光景を幻想的に演出してくれます。
21:00 旅の醍醐味♪京風のお料理
旅行の醍醐味のひとつは、その土地の美味しい料理ですよね。芸舞妓さんが行き交う花街にある京都の「ごはんや 蜃気楼」は、しっとりとお料理とお酒を堪能できます。
木目の美しい、大きなカウンターで。和食が中心ですが、カルパッチョやサラダなどの女性に人気のメニューも。日本酒や焼酎とともに、美味しいお料理に箸が進みます。
- 住所
- 京都市東山区宮川筋6丁目361
- 営業時間
- [月]
11:30 - 14:30(L.O. 14:00)
17:30 - 23:00(L.O. 22:30)
[火]
11:30 - 14:30(L.O. 14:00)
17:30 - 23:00(L.O. 22:30)
[水]
11:30 - 14:30(L.O. 14:00)
17:30 - 23:00(L.O. 22:30)
[木]
定休日
[金]
11:30 - 14:30(L.O. 14:00)
17:30 - 23:00(L.O. 22:30)
[土]
11:30 - 14:30(L.O. 14:00)
17:30 - 23:00(L.O. 22:30)
[日]
11:30 - 14:30(L.O. 14:00)
17:30 - 23:00(L.O. 22:30)
■ 定休日
不定休
- 定休日
- 木曜日
- 平均予算
- ¥4,000~¥4,999 /¥1,000~¥1,999
2日目
10:30 京都の奥座敷にある貴船神社
青もみじが鬱蒼と茂る貴船川沿いの細い道を上っていくと、朱塗りの鳥居が現れるのが、水の神様を祀る貴船神社です。かつて女流歌人・和泉式部が貴船神社を参拝し、疎遠だった夫との仲が戻ったことから、平安時代から縁結びにご利益があると信じられてきました。
初夏には、約3000本のもみじが貴船一帯を新緑で包み、表参道の春日灯篭の朱に映え、とても美しい景色が望めます。
地名は貴船(きぶね)と読みますが、貴船神社は「きふねじんじゃ」と呼びます。それは水の供給を司る神が祀られているため、その水が濁らないように呼び方に濁音をつけていないから。水に恵まれたからこその美しい自然を目の当たりにすると、所以もうなずけます。
水占みくじ
社殿のそばに湧き出る御神水に浸けると文字が浮かびあがる水占みくじは、参拝者に人気です。持ち帰らずに境内にお返しするのが習わしのため、なんとQRコードも浮かぶようになっています。画像として保存しておけば、いつでもスマホで見返せるのが嬉しいですね。
御朱印を授かりました
宮司さんが手書きされた特別御朱印。「気生根」とあるのは「気の生まれる根源」が転じているのだそう。
※こちらの御朱印は特定の旅行商品用の御朱印となります。
13:00 せせらぎを聴きながら川床でランチ
納涼で有名な貴船に来たからには、名物の川床でのランチがおすすめです。鴨川の川床と違って、貴船は手を伸ばせば水面に届くほど近くに座敷を渡しています。川のせせらぎを聴きながら、青もみじの天井の中でいただくランチは格別です。
貴船神社の氏子はたった22軒しかなく、その内18軒が飲食店を経営しています。川床を提供しているお店は全て貴船神社の氏子なのだそう。少ないながら22軒で貴船神社のお祭りごとを支えていると聞くと、その姿勢に感謝したい気持ちになってきます。
今回ランチをいただいたのは、「料理旅館 貴船 ふじや」です。本格京会席は厳選された旬の食材で、川魚がふんだんに使われています。川魚と聞くと、ちょっと臭みがあるのでは、と思われるかもしれませんが、そんな心配もありません。品のある味にきっと舌鼓を打つはずです。
お土産はもちろん厳選したものを
ちょっと足を伸ばして自分や家族のご褒美
京都・三条にある「本家月餅家直正(ほんけつきもちやなおまさ)」は、文化元年1804年創業の老舗の和菓子屋です。
お店の名前でもある焼き菓子「月餅」ももちろんですが、初夏の時期にぜひ食べたいのが、まあるいお饅頭のような「わらび餅」。本わらび粉で作った生地に、お店で炒りなおしたきな粉の香ばしさが魅力です。賞味期限は当日なので、持ち帰ったその日に食べて、旅の疲れを癒したいですね。奥の粟餅も、たっぷりのきな粉に塗され、口の中でほろろと溶けるような、素朴なのに味わい深いお菓子です。
- 住所
- 京都市中京区木屋町通三条上ル上大阪町530
- 営業時間
- [月]
10:00 - 18:30
[火]
10:00 - 18:30
[水]
10:00 - 18:30
[木]
定休日
[金]
10:00 - 18:30
[土]
10:00 - 18:30
[日]
10:00 - 18:30
■ 定休日
第3水曜
- 定休日
- 木曜日
- 平均予算
- ~¥999 /~¥999
京都駅や三越伊勢丹百貨店で買える♪
(左上:宝泉のまめ豆茶、右上:麩嘉(ふうか)の麩嘉饅頭、左下:IRODORIの琥珀糖、右下:
正法院力彌のちりめん山椒)
旅行で訪れた神社仏閣の近くでも、ちょこちょこお土産は買えますが、荷物が重くなるのがネックですよね。こちらは、京都の味を買い足したい時にも、新幹線の発車前の時間にも利用できるおすすめのお土産たちです。JR京都駅には宝泉とIRODORI、京都伊勢丹には麩嘉と正法院力彌があり、お土産を購入できます。
香ばしいまめ豆茶に、ほのかな笹の香りにプルンとした食感の麩嘉饅頭、パステルカラーが可愛くて様々なフレーバーが楽しめる琥珀糖、ぴりっと山椒が効いたしっとりとしたちりめん山椒。どれも贈った方へ喜ばれるものばかりです。
授かった御朱印は思い出の品に
お土産とは少し違いますが、参拝した証の御朱印は素敵な旅の思い出になりますね。御朱印帳を眺めながら、訪れた寺社や観光スポットに思いを巡らせたり。JR東海の対象旅行商品で京都旅行に行くと、オリジナルの御朱印帳袋がお土産にいただけ、対象期間中に特別な御朱印を拝受することができます。
まだ知らない京都の新しい魅力を満喫しよう
桜や紅葉と違って、まだまだ知られていないため観光客が少なく、じっくりと京都を満喫することができます。
生命力溢れる青もみじを眺めると、「明日からまた頑張ろう!」と不思議とリフレッシュされるはずですよ。
これから話題となりそうな初夏の青もみじ観賞で、新しい京都の魅力を体験してみてください。
チケットとオリジナルの旅のしおりを広げ、新幹線で一路京都へ。これから始まる旅に胸をときめかせながらコーヒーで一服。