極端な天候や災害が増え、いよいよ地球環境のことについて考える機会が増えてきました。
ナチュラルな洗剤を選んだり、食品ロスを減らすように心がけたり、買い物のときはエコバッグを持っていく、など日常で出来ることにコツコツ取り組んでいる人も多いですよね。
でも、実際に自分の生活と地球環境が繋がっている実感が持てない…なんて思っている人もいるのではないでしょうか。

そんなときは、「自然と共に生きる」ことに本気で取り組んだ夫婦の映画を観たら、ヒントがもらえるかもしれませんよ。

2020年3月14日に全国で順次公開された映画『ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方』は伝統農法で農地を作った夫婦の8年間を描いたドキュメンタリー。
映像制作の仕事をする夫、ジョン・チェスター自身が監督を務めています。

愛犬の鳴き声による騒音トラブルをきっかけに、移住を決意したチェスター夫婦。
元々伝統農法に興味のあった料理家の妻の理想を叶えるべく、荒れ果てた農地を耕すことに。
何もない土地で家畜を飼い、果樹園や畑を作ります。そこで出来上がったのは管理された農地ではなく、地球のミニチュアのような「命のサイクル」でした。

大量発生する害虫、家畜を襲う野生動物、激しい山火事などの困難を乗り越える姿に胸を打たれます。
ドラマチックな自然が存分に味わえる映画の魅力を、ほんの少しだけご紹介します。

200エーカー（東京ドーム約17個分）の荒れた農地を耕し、野菜や木を植えて整備。
アニマル・プラネットなどの番組制作経験から生態系の相互作用に興味を持ったジョンと、体に良い食べ物を作る伝統農法に関心があるモリー、夫婦2人とスタッフたちによって美しい農地が作られました。

無農薬の野菜や果物は、虫や動物に食べられてしまうことも。しかし、チェスター夫婦は短絡的に「駆除」することを選びません。
害虫の天敵を放ち、その動物が排泄し土に還ることで果樹の重要な栄養になったりと、自然の秩序が生まれることで問題が解決されていきます。

たくさんの動物と暮らすということは、常に生と死がそばにあるということ。誕生の喜びや赤ちゃんのかわいさと共に、愛情をかけて育てた動物との悲しい別れがあります。生々しくも美しい映像に、心が揺さぶられます。

まるで童話のような、動物たちのかわいらしい関係も見どころ。豚のエマと鶏のグリーシーは、いつもいっしょにいる“生涯のパートナー”だそうです。

この映画が他の自然ドキュメンタリーと違うのは、農場で暮らし、仕事をしながら撮影しているということ。日常的に観察し、さまざまな問題に向き合っているからこそ撮影できたいくつもの“奇跡の瞬間”があります。

どんな奇跡が観られるのか…それはぜひ劇場で体験してみてください。
彼らの生活を真似することは難しいですが、自然環境の問題や、植物と動物を育てて採れたものを食べることなど、「地球」と「生きる」ことについて考えるきっかけになります。お子さんと一緒に観て、感想を話し合うのも素敵ですね。

※応募締切り2020年10月29日（木）