BGMがもたらす効果ってなんだろう?
私たちはBGMをかけることで、なんとなく集中力が上がったり、仕事がはかどることを期待してしまいますよね。実際の所、机に向かう際に流すBGMは私たちにどんな効果をもたらしてくれるのでしょうか。
実は、人間という生き物は、全くの“無音状態”の中で学習し続けることは難しいと言われています。何かを学習する時には、全くの無音状態よりも、落ち着いた雰囲気の喫茶店程度の雑音があった方が学習がしやすい、ということですね。
ではBGMはかけるべき?
けれど、BGMとして音楽をかける場合は注意が必要です。脳は、一つのことにしか集中できないという特性があり、個人差はあるものの、音楽を聴くことと仕事や勉強をすることの並行処理がとても苦手です。
それは、「音楽がかかっている」と意識することでかえって集中力が削がれてしまうからです。単純作業であれば作業効率が良い場合もありますが、「企画を考える」「メールを打つ」など、集中して考えなくてはいけない場面には、残念ながら音楽は向いていません。
自分の好きな音楽はなおさら…
自分の好きな曲を聴けば仕事や勉強がはかどる、そんな気もしますよね。けれど、サビを一緒に歌ったり、「ここがいいんだよね」などと意識しているようなら…結果的に手元の仕事や勉強への集中力が削がれてしまっているということです。
歌詞を聴きこまないで済む洋楽は仕事や勉強向き、とも言われていますよね。けれど、デスクワークに励む際、洋楽か邦楽か、歌詞のあるなしやテンポの差などは、作業効率にあまり関係ないようです。
より有意義な時間を過ごすための「BGMの使い方と選び方」
集中したい時にはむしろ無い方が良いとされるBGMですが、ちゃんとメリットもあるんです。それは、「自分がどれだけ集中していたかを確かめるバロメーターになり得る」ということです。
本当に集中していれば、脳は並行処理が苦手であることから、音楽が全く頭に入ってこないはずです。「気づけばもうこの曲か…」というように、何曲分聞いていなかったかを知ることで、自身の集中の度合いがわかりますよね。
また、「これを聴いたら次の仕事に取り掛かろう」というように景気付けしたり、ちょっと集中が途切れた時でも、机に向かった状態のままでいられるという作業持続効果も期待できます。
こんなBGMがおすすめ♪
BGMには、著しく集中力をアップさせたり、単純作業以外の効率を上げる効果はないよう。けれど無音状態は集中する場面に向いていない…となれば、一体どんな音をBGMとしてかけておくのが良いのでしょうか。
それは、あらゆる周波数成分を同等に含む“雑音”、つまり「ホワイトノイズ」が良いとされています。他にも、雨の音、川のせせらぎ、葉の擦れる音、鳥の声、虫の声なども推奨されています。
「森の雨」「水たまり」「トタン」「石畳」「テント」「傘」など、色々なシチュエーションでしとしとと降る雨音が、心を落ち着けるための最適な環境を作ってくれます。
絶え間なく流れる川の音。雨の音とはまた違った魅力があります。川音と一緒に、小鳥たちの可愛らしいさえずりも聞こえてきて、新緑の渓流沿いを散歩している気分になれること間違いなし。気分がリフレッシュでき、心癒される1枚です♪
仕事や勉強の効率アップに、BGMを上手に生かそう
作業効率には影響なく、集中したい時にはむしろ必要ないとされるBGM。好きな曲を聴きながらのデスクワークは、もしかしたら集中を欠く要因になっているかもしれないと思うと、きちんとセレクトしたくなりますね。
まずは、BGMを「デスクワークのお供」から、「自分の集中具合をはかるバロメーター」と意識を変えるだけでも、今までとは違った捉え方ができるのではないでしょうか。
集中したい時にはホワイトノイズや自然界の音を、休憩したい時には自分の好きな曲をBGMにするなど、こまめに使い分けることで、日々気持ち良くデスクワークをこなせたらいいですね。
仕事や勉強などのデスクワークに励む際、音楽をかけていますか?「この曲をかけよう」と特に決めているわけではないけれど、何かしら流すことが習慣になっている、という方も多いかもしれませんね。