クラシック音楽をじっくり聴いてみよう♪
特に一流の演奏者や指揮者のクラシック音楽をじっくり聴き入ってみてください。その旋律の美しさや演奏力の高さ、浮かんでくる風景に、きっと心打たれることでしょう。
今回は多くの作曲家の中でも、時代を超えて人気の高いラフマニノフ、ドビッシー、ショパン、チャイコフスキーの音楽の世界へ、ともに旅に出かけましょう。
苦悩を乗り越え生み出された、ロシアの作曲家ラフマニノフの音楽
ラフマニノフについて
1873年に生まれたロシアのピアニスト、作曲家であるセルゲイ・ヴァシリエヴィチ・ラフマニノフ。心の琴線に触れる叙情的で印象的なメロディ、壮大でロマンチックな名曲を多く生み出しました。またラフマニノフの音楽は高度な演奏技術を必要とする難曲が多いのが特徴です。
ラフマニノフの代表作「ピアノ協奏曲第2番」
屈指の名曲「ピアノ協奏曲第2番」は、苦難を乗り越えたラフマニノフの人生や想いそのものが溶け込んでいるような最高傑作であり出世作です。
「交響曲第一番」の初演が大失敗に終わり評論家から酷評され精神を患っていたラフマニノフ。そんな失意のどん底で出会った催眠療法の名医ニコライ・ダール博士の「あなたは素晴らしい音楽を作る」というポジティブな暗示のおかげで徐々に自信を取り戻し、見事にこの曲を書き上げました。
こちらもオススメ♪ラフマニノフ「交響曲第2番 第3楽章」
先ほどの曲は「ピアノ協奏曲第2番」ですが、こちらは「交響曲第2番」の第三楽章。聞いただけですぐに口ずさむことができるような印象的で心を打つメロディが特徴的。エリック・カルメンの「恋にノータッチ」の曲のモチーフにも使われています。
幻想的な世界に誘う、フランスの作曲家ドビュッシーの音楽
ドビュッシーについて
19世紀後半〜20世紀初頭にかけ、最も影響力の強かったフランスの作曲家クロード・アシル・ドビュッシー。革新的な音階と半音階の用い方でこれまでにない音楽を生み出し、現代音楽の扉を開きました。とても美しく繊細で色彩感覚溢れた作品を多く残しています。
ドビュッシーの代表作「月の光」
澄んだ月の光が空からそそがれているような、夢の世界に誘う静かな夜想曲。当時ドビュッシーが想いを寄せていた人に贈ったと言われる、ファンタジックで愛にあふれた代表作です。眠る前に聴くと心がふんわり落ち着きます。
こちらもオススメ♪ドビュッシー「アラベスク」
短い生涯をピアノの作曲に捧げた、ポーランドの作曲家ショパン
ショパンについて
ポーランドの前期ロマン派音楽を代表する作曲家でありピアニストのフレデリック・フランソワ・ショパン。1810年に生まれ、39年という短い生涯をほぼピアノの作曲に捧げた音楽家です。人の心を優しく打ち、思わずホロリとさせられるような素敵なピアノ作品を多く生み出し「ピアノの詩人」とも呼ばれています。
ショパンの代表作「ノクターン第2番」
ショパンの夜想曲の中でもっとも有名な「ノクターン第2番」。涙を誘うような美しく柔らかなピアノの旋律は、懐かしい故郷ポーランドを想い書きあげられたそうです。穏やかなメロディの中にも切なさが滲んでくるような郷愁あふれる作品で、多くの映画やドラマでも使用されています。
こちらもオススメ♪ショパンの「革命」
こちらは穏やかなメロディのノクターン第2番とは真逆の作品。超絶技巧を必要とするショパンの「革命」は、ピアノの魔術師と言われるリストが命名しました。
当時、演奏旅行でポーランドを離れていたショパン。しかしロシア帝国から独立しようとしていたポーランドの革命が失敗に終わり、故郷のワルシャワは陥落。さらに、革命家であった親友が命を落としたという悲報を受けます。そんな失意の連続の中で生み出された名曲です。
遅咲きのロシアの作曲家、チャイコフスキーの音楽
チャイコフスキーについて
「白鳥の湖」「くるみ割り人形」「眠れる森の美女」など、多くのバレエ音楽も残した19世紀のロシアの作曲家、ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー。伝統ロシア古典主義音楽を完成させた音楽家です。
チャイコフスキーの代表作「ピアノ協奏曲第1番」
誰もが一度は耳にしたことがある、ピアノとオーケストラによる雄大なメロディーが印象的な「ピアノ協奏曲第1番」。チャイコフスキーが35歳の時に初めて作曲した作品です。ロシアの広大な大地を旅しているような感覚に浸れる名曲に酔いしれてみませんか?
こちらもオススメ♪チャイコフスキーの「花のワルツ(くるみ割り人形より)」
有名なバレエ音楽「くるみ割り人形」の第3幕で、花の妖精たちが踊るシーンで流れるワルツ。華やかで優雅な気分に浸れる一曲です。一瞬でおとぎ話に出てくるような夢の世界へ誘ってくれるでしょう。
会場にも足を運んでみよう
レコードやCD、動画サイトで気に入った曲や演奏者、指揮者を見つけることができたら、ぜひ会場で生演奏を聴いて五感を総動員して音の全てを感じてみてください。本当に素晴らしい演奏を聴いたときは、人生観がガラッと変わることだってあり得ますよ!
自宅で聞いている音と、実際に会場で聞く音は全く違います。会場ではその鼓動や緊張感、その空間に満ち溢れている「気」そのものをダイレクトに受けとることができるので、一生忘れられない体験になると思います。
いかがでしたか?
クラシック音楽を聴いていると不思議と気分が落ち着きませんか。ゆったりと旋律に酔いしれたいときも、リラックスしたいときにも、きっと音楽はあなたの心に寄り添ってくれるでしょう。
現代の音楽はプログラミングされた電子音楽にあふれています。時には、一人一人の演奏者が丁寧に心を込めて奏でているクラシック音楽にじっくりと耳を傾けてみませんか?