寒い冬だから、詩を嗜む休日も素敵でしょ?
最近ちょっとお疲れ気味のあなたへ~ルピ・クーアの『ミルクとはちみつ』
私の心は何よりも姉妹たちに感応する
女たちを助ける女たちに感応する
まるで花々が春に感応するように
インスタグラムに掲載していた詩が、ミレニアル世代の女性を中心に共感を得て、100万部以上のベストセラーに。10年代の女性を代表する詩人です。そして、彼女の詩の多くは、女性の痛みや悲しみ、柔らかく力強くありたいと願う気持ちに、そっと寄り添ってくれます。
この詩におすすめのドリンク『カモミールティー』
この詩からイメージしたドリンクは『カモミールティー』。カモミールの花言葉は「逆境で生まれる力」「あなたを癒す」です。
女性にとって、この社会は、まだまだ厳しい局面を持ち合わせています。仕事や人間関係に疲れたり、我慢しなければいけないとき『カモミールティー』と女性にエールを贈ってくれる言葉でリラックスしてみましょう。
真剣な恋愛をしているあなたへ~ウィリアム・C・ウィリアムズの『パタソン』
ぼくたちは座って、静かに、
長い沈黙の時間をはさんで、話す
そしてぼくは流れが気になっている
流れは言葉を持たず
きみの眼に似た静かな空のしたを流れており、
そして空も言葉を持たない
ジム・ジャームッシュ監督の映画『パターソン』にインスピレーションを与えた詩集。抽象的な表現が多いのですが、静かに淡々と紡がれる言葉に心癒されます。20世紀のアメリカを代表する詩人です。
この詩におすすめのドリンク『ショコラショー』
この詩からイメージしたドリンクは『ショコラショー』。フランス語で『熱いチョコレート』の意味です。
恋をしているときは誰の心にも幸せと不安が交差します。パートナーの何気ない言動に傷ついてしまったとき、静かな愛の言葉が紡がれた詩とビター&スウィートな『ショコラショー』で、優雅なひとときを過ごしましょう。
退屈な毎日に少しのユーモアが欲しいあなたへ~黒田維理の『サムシング・クール』
それはスパニッシュタップをふむ
粋なダンサーのように黒いシャツをきている
というのはボクさ!
といって電話をきった
2本の雨傘でありました
雨は電話のブザーのように降る
半世紀以上前の作品ですが、まったく古さを感じさせません。目でも心でも楽しませてくれるアイディアが詰まったレイアウトやタイポグラフィーが素敵な詩集。彼は、北園克衛氏の『vou』でご活躍されていたモダニズム詩人です。
この詩におすすめのドリンク『カフェラテ』
この詩からイメージしたドリンクは『カフェラテ』。エスプレッソにたっぷりのミルクを加えたコーヒーです。
仕事や家事などの単調な毎日が続いて退屈に感じてしまったり、ちょっぴり物事を深く考え過ぎて現状に満足出来ないときは、面白いと思える何かを探して、とにかく笑いましょう。ユーモアのある言葉とミルクのたっぷり入った『カフェラテ』で、感覚や感性をリフレッシュしてください。
人生について考えを巡らせているあなたへ~谷川俊太郎の『生きる』
生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ
そして
かくされた悪を注意深くこばむこと
世界中にファンを持つ日本を代表する職業詩人。現在までに80冊を超える詩集を発表しています。その中でも『生きる』は、どんな日常を過ごしていても、生きているということは、それだけでじゅうぶん価値のあることだと教えてくれる詩です。
この詩におすすめのドリンク『ホットワイン』
この詩からイメージしたドリンクは『ホットワイン』。デトックス効果の高い白ワインに、レモンやオレンジをたっぷり加えた香りの良いワインです。
わたしの人生はこのままでいいのかな?これからどんなふうに生きて行きたい?と、誰にでも人生について自問自答する時期はあると思います。そんなときは、温かなワインと背中を押してくれる詩で、頭も身体もデトックスしてみましょう。
新しい出会いや変化を望んでいるあなたへ~最果タヒの『冬は日が落ちるのが早い』
何もかもが変わろうとしている、
お腹が空きすぎると体の中に空気がめぐって、
空模様といつも以上にリンクする、
今は夜で、流星群がパキパキと流れて、春らしい感覚、
何もかもが変わるようなそんな感覚に満たされている。
1986年生まれの詩人、小説家。リアルな言葉と自由な発想、そして少しシニカルな視点で紡がれた詩や文章が、若い世代の女性を中心に人気を集めています。この詩は、自己と夜空の対比を表現した独特なウィットに富んだ詩です。
この詩におすすめのドリンク『チャイティーラテ』
この詩からイメージしたドリンクは『チャイティーラテ』。アッサムティーにミルク、シナモンやカルダン、グローブにジンジャーなどのスパイスが利いたインド発祥のドリンクです。
真冬の澄んだ夜空だからこそ、弱い輝きの星や流星をみつけることができます。新しい出会いや環境の変化を望んでいるとき、誰の上にも同じようにチャンスが降っていることを忘れないでください。新しい何かを予感させるウィットに富んだ詩とスパイスの利いた『チャイティーラテ』で、お腹も心もあたたかさで満たしましょう。
ノスタルジックな気分に浸りたいあなたへ~エミリー・ディキンスンの『夜明け』
いつになったら夜明けが来るかわからなくて
わたしが開けている すべての扉
夜明けには 鳥のように翼があったり
岸辺のように波があるかしら
19世紀のアメリカを生きた天才詩人。生前は評価されませんでしたが、今では多くの芸術家に影響を与えています。この『夜明け』は、少女のような瑞々しい感性で希望を詠った詩です。
この詩におすすめのドリンク『マローブルー』
この詩からイメージしたドリンクは『マローブルー』。ブルー、パープル、ピンクと色を変えることから「夜明けのハーブティー」と呼ばれています。
何かに迷いが生じたり、どうしたらよいのか判断に困ったときは、現状を見つめ直す良い機会です。過去の出来事を思い出して、自分の内なる声を聞いてみましょう。内省的で少女のように純真な詩と『マローブルー』特有のフローラルの香りが安らぎを与えてくれます。
多忙な日々にストレスを感じているあなたへ~暁方ミセイの『冬の太陽』
一瞬が凍りついて
その氷の塊のなかに見えるのは
しかしやっぱり
子供の頃の赤いコート、
冬枯れの木立、
思い出、
そのようなものばかりだった
新世代の女性詩人。独特の「死生観」と宇宙や自然に対する「曖昧なもの」を豊かな感性で表現しているところが秀逸です。また宮沢賢治の影響を強く受けているとのこと。『冬の太陽』は、真冬の凛とした外気と太陽の光に照らされた心象風景を思って、胸のすくような気持ちになります。
この詩におすすめのドリンク『ルイボスティー』
この詩からイメージしたドリンクは『ルイボスティー』。おもに女性の心身の悩みやトラブルを和らげてくれる万能なお茶です。
真冬はどうしても寒さからくる心身の不調が起こりがちです。休日の何もしない時間に、抒情的で美しい表現の詩と様々な効能のある『ルイボスティー』で、日頃の疲れやストレスを同時にリセットしましょう。
おわりに
お好きな詩はありましたか? これからの寒い季節、もし外出することが億劫に感じたら、あたたかなお部屋でホットドリンクをお供に、ゆっくり詩を堪能してみてくださいね!
今回は、キナリノ女子のみなさんに、ぜひ読んでもらいたい7篇の詩とその詩からイメージしたホットドリンクをご紹介しています。ぜひご堪能あれ!