『カリグラフィ』で手書きの魅力を再確認してみませんか？
カリグラフィは、手紙の封筒の宛名や、メッセージカード・バースデーカードなど、心に響く一言を伝えたいときにぴったり。
印刷やパソコンが普及などデジタル化された現代だからこそ、手書きのメッセージがもつ温もりをカリグラフィで再認識してみませんか？
寝るとき何着てる？心地よい睡眠へと誘うパジャマの話キナリノ編集部
『カリグラフィ』とは？
カリグラフィの語源はギリシャ語の「callos（beauty、美しい）」＋「 graphein（to write、書くこと）」。まさしく「美しく書くこと」がカリグラフィなんですね。
最も美しい碑文とも言われる「トラヤヌス帝碑文」（113年）。カリグラフィにおいて最も重要な書体とも言われるローマンキャピタルの元となった碑文です。個々の文字の完成度の高さ、スペーシング（文字間のバランスを考えた配置）の完璧さ、当時23あった文字のうち19が刻まれていることなどから現在使われているローマ字（大文字）の基本とも言われています。
その後、記録媒体が紙へと移り変わると様々な書体が生み出されます。というのも、当時の紙は羊皮紙。とても高価だったため一枚の紙により多くの文字を美しく書き留める必要があったのです。なかでも、聖書のように宗教的な写本ではカリグラフィによってより美しく飾られた文字が重要度を増していきました。その後キリスト教文化の成長と共にヨーロッパ各地に広まると写本の制作も活発となり様々な書体が生み出されることになったのです。
あのスティーブ・ジョブズもカリグラフィに魅せられた一人。
じつはスティーブ・ジョブズが生み出したマック（マッキントッシュ）がたくさんのフォントを持っているのは、彼が大学時代に取った（実際は退学していましたが）カリグラフィの講義のおかげなんだとか。2005年に行われた「Stay Hungry. Stay Foolish.（ハングリーであれ。愚か者であれ。）」という名台詞で知られるスタンフォード大学の卒業式スピーチで彼自身が明らかにしています。
ところが10年後、最初のマッキントッシュを設計していたとき、カリグラフの知識が急によみがえってきたのです。そして、その知識をすべて、マックに注ぎ込みました。美しいフォントを持つ最初のコンピューターの誕生です。もし大学であの講義がなかったら、マックには多様なフォントや字間調整機能も入っていなかったでしょう。
『カリグラフィ』のはじめ方レッスン♪
どんな道具が必要？
カリグラファーによって独自の道具を揃えていらっしゃいますが、まず必要なものは「ペン・インク・紙」の3点。これに傾斜台やトレース台などもあると便利です。
何と言ってもペン（ペン軸ろペン先）が必要です。カリグラフィでは書体によって使うペンが違うというのも特徴。中にはペンを自作してしまう方もいらっしゃるようです。
カリグラフィ初心者にはスピードボール（アメリカ製）がオススメ。金色の部分にインクを溜めて使います。
こちらはPilotから販売されている「パラレルペン」。ペン軸の中にカートリッジが入っています。万年筆のようにキャップを開ければすぐに使える手軽さが魅力。
続いて、インク。水溶性で速乾性があれば好みのものでOKですが、はじめの一本にはドクター・マーチンの名前で知られるこちらがオススメ。
墨独特の落ち着いた色合いや、一旦乾いてしまえば上から重ね書きが出来る点がカリグラフィにぴったり。手軽に入手出来る点も魅力ですね。
ガイドシート（ガイドラインを引いた紙）の上に薄い紙をかぶせてガイドラインを透かしながら書く方法と、ガイドシートをコピーして使う方法があります。
※画像はイメージ
道具を揃えたら早速練習しましょう。
基本のポイントを覚えたら、早速書いてみましょう。書体によって異なりますが、まずは以下の点を意識して書き始めて下さい。
①ペン先は用紙に対して45°の角度をキープすること。
②ダウンストロークは力を入れて、反対にアップストロークは力を抜いて描くこと。
③ダウンストロークは自分がどれくらいの力でい書いているのか意識してコントロールしましょう。
④アップストロークは一定の力で細く描きましょう。
素敵なカリグラフィ作品をご紹介します。
カリグラフィをアートとして楽しみませんか？
「Have courage and be kind.」
勇気と優しさを持って。
こちらは映画「シンデレラ」のセリフだそう。
こんな女性になりたいな…という言葉を描いて、目に留めていくのも良いですね。
文字の周りを植物などイラストで装飾するのもカリグラフィの王道。色彩と言葉が明るくて、なんだかハッピーな気持ちに…♪額に入れてインテリアアートとして楽しむのもステキですね。
キラキラの絵具を使って新年を迎える喜びを表現。
文字とイラストが一体となって一枚のアートになりました。
アゲート風プレートにモダンカリグラフィーを施しています。
名前や記念日入れたものを飾るれば、素敵なインテリアのポイントになってくれそうです。
こちらは黒地に白の絵の具（不透明水彩絵の具）でオードリーヘップバーンの言葉を。
「The most important thing is to enjoy your life – to be happy – it’s all that matters.」
書くことでも心がすーっとしそうな言葉です。
素敵に書けたら、飾りましょう。
メッセージカードアレンジ
手描き文字の柔らかさがお祝いのメッセージにぴったり。ちょこんと付いたリボンも可愛いですね。誕生日、出産祝い、結婚のお祝いなど、人生の節目のイベントには、気持ちを込めたカリグラフィーのカードを贈ってみませんか？
淡いブルーの封筒に、花の水彩とカリグラフィー。
受け取っただけで幸せがもらえそうな、そんなお手紙です。
「ありがとう」
そんなシンプルな言葉も、カリグラフィーだとより伝わりそう。
綺麗に、丁寧に描いた言葉には力がありますね。
まるでアンティークショップで見つけたような美しいカード。
壁に貼ったり手帳に挿んで、眺めていたくなります。
おわりに
いかがでしたか？今回の記事を参考に、大切な人へカリグラフィで手書きのメッセージカードを贈ってみてはいかがでしょうか？
“アルファベットの書道”と評されることもあるアートな文字『カリグラフィ』をご存知ですか？カリグラフィは、文字をアーティスティックにデザインしてメッセージを伝えることができる素敵な手法です。