美しい刺繍の世界
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殺風景な布に美しい糸を使って描かれる刺繍の世界。その図案や糸の使い方には、その刺繍文化が根づいて育った地域によって違いがあります。よく日本で手芸として知られている刺繍は、フランス刺繍が主流です。つややかな6本の糸を使い、ラインで描くアウトラインステッチや面を埋めていくクロスステッチの技法は、初心者にもわかりやすく、趣味にしている人も多くいます。
最近、日本でもより幅広く刺繍の世界が広がるようになりました。
今年流行のフォークロアによく見かけるデザインも刺繍が使われているものが多く存在します。
世界に散らばる刺繍の美しい世界をご紹介します。
最近、日本でもより幅広く刺繍の世界が広がるようになりました。
今年流行のフォークロアによく見かけるデザインも刺繍が使われているものが多く存在します。
世界に散らばる刺繍の美しい世界をご紹介します。
世界の刺繍
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糸以外を使う刺繍も。ビーズやスパンコール、リボンを使う刺繍は異素材の存在感が面白い。
刺繍は古くから存在しており、記録では中国では3000年以上前の刺繍についての記述が残っています。その地、その地に暮らす民族は様々な形で刺繍を受け継いでゆき、また時にはシルクロードを通り、広がって発展していきました。
どこか同じような技法を残しつつ、その土地ごとに別の顔を見せる刺繍の世界は、とても美しく、長い歴史を感じます。
現代においては民族衣装のみならず、フォークロアファッションに代表されるようなハンガリー刺繍など、今も現代に息づいています。
どこか同じような技法を残しつつ、その土地ごとに別の顔を見せる刺繍の世界は、とても美しく、長い歴史を感じます。
現代においては民族衣装のみならず、フォークロアファッションに代表されるようなハンガリー刺繍など、今も現代に息づいています。
スウェーデン刺繍
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シンプルなモザイク模様のようなデザインは、糸の色選びやラインの描き方でデザインは自由自在。パッと明るい色とりどりの刺繍がとても可愛らしいんです。
スウェーデン刺繍の基本の刺し方
ハンガリー刺繍
カロチャ刺繍とも呼ばれるハンガリーの伝統的な刺繍。ハンガリーは東と西の文化が入り交ざる地域です。その中でもカロチャ近郊に19世紀ごろから民芸品としての価値が出始めました。今でこそこんな色鮮やかな刺繍ですが、最初は糸を染める技術も未熟で、白が中心だったとのこと。真っ白な糸で図案がぷっくり浮かび上がる姿は想像するだけで素敵です。
フォークロアファッションに代表されるカロチャ刺繍は、伝統的なシーンでは、礼拝やお祭など特別な日の装いに使われていました。カラフルであでやかなものは若いお嬢さんたちが、落ち着いたトーンは大人の女性というように、変化もしていきます。長くいろんな時代に愛されているのがわかります。
ハンガリー刺繍の基本的な刺し方
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ハンガリー刺繍糸を使います。太い糸で玉のスタイルで売っているものが主流。
参考:サテンステッチ
フランス刺繍
刺繍といえばフランス刺繍と言われるほど、浸透したフランス刺繍。初心者向きのキットもあり、手軽に始めることができる刺繍です。ヨーロッパ各地に広まり、刺繍文化を広めてきました。日常であり、アートであり、様々な場面で活用されています。
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クロスステッチもフランス刺繍。ドット絵のようにクロスしたポイントが連続することで模様を描きます。ドットの特性でパターンを描くこともできるし、好きな絵を再現することも可能。
フランス刺繍の基本的な刺し方
刺繍糸は6本がひとつの束になっています。○本取りと言われ、指定の糸の数を取って刺繍するこちで線の太さが変えられます。伝統柄だけでなく、好きなイラストを刺繍するのもいいですね。
フランス刺しゅうでは様々なステッチがあります。メインで使うことが多い、基本的な10種類のステッチをご紹介します。材料はフランス刺繍針、刺繍フレーム、はさみ、糸があればOK。今では大きな百均でも取り扱いがあります。
日本刺繍
着物に代表される日本刺繍はふっくらとした柄で四季折々の姿を映し出すものが多くあります。いかにも和的なものだけでなく、ジャポニズム的なデザイン性が高い、和のシーン以外でも活用されるデザインも。
元々仏教と一緒に伝わってきた刺繍が日本刺繍の始まりと言われています。雛人形を思い出せば豪奢な刺繍の着物が浮かびます。日本の伝統の刺繍はそこまで全体のものでなくてもワンポイントのものや額装で楽しむ小さな小物を使うこともできます。
元々仏教と一緒に伝わってきた刺繍が日本刺繍の始まりと言われています。雛人形を思い出せば豪奢な刺繍の着物が浮かびます。日本の伝統の刺繍はそこまで全体のものでなくてもワンポイントのものや額装で楽しむ小さな小物を使うこともできます。
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細かく華やかな美しい伝統模様。季節や情景を写しとるのが得意なのは日本人ならでは。
日本刺繍の刺し方
日本刺繍は刺繍台を使い、専用の針と糸を使う刺繍です。少し敷居は高いかもしれませんが、フランス刺繍と違い、糸のよりなどを深く考えることになります。平糸と撚り糸。更に金と銀の糸も使います。初心者にはサテンステッチに似たぬいきりがおすすめです。
中国刺繍
3000年の歴史を誇る中国の刺繍。中国の刺繍はシルクロードを通じ、ユーラシアからヨーロッパにかけて影響を与え合って発展しています。一般的に中国刺繍というと漢族の刺繍を指す場合が多いのですが、中国では他に少数民族達が伝えている伝統柄もあります。それぞれに特徴があり、その個性を広大な土地の片隅で伝え続けています。
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あざやかな色合いが美しい中国刺繍。一言で中国刺繍と言っても、主なものから、少数民族がひっそりと伝えた伝統的な刺繍もあります。中国刺繍は緻密なものも多いので、日常使いから飾って楽しめるものまで種類もいろいろ。
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チャイナドレスでもよく見かける美しい刺繍。中国において刺繍の歴史は非常に古く、地位を示す役割も。
うっとりとする刺繍の世界を日常に
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世界の刺繍はいかがでしたか。生まれ育った場所に根付く伝統工芸は世界中に共通していながら、世界にふたつとない個性になっています。そして同じように花を眺め、鳥が歌っても、まったく別の刺繍として布に刺されて描かれます。
伝統工芸としての刺繍から現代のファッションへ、そして絵画のような個性の表現の世界へと確実に刺繍はその世界を広げています。始まりは簡単な道具からできる刺繍。ワンポイントからでも楽しめます。
美しさを慈しみながら、日常の何かにプラスワン、刺繍を描いてみませんか。
あなただけのデザインが、その瞬間から生まれます。
伝統工芸としての刺繍から現代のファッションへ、そして絵画のような個性の表現の世界へと確実に刺繍はその世界を広げています。始まりは簡単な道具からできる刺繍。ワンポイントからでも楽しめます。
美しさを慈しみながら、日常の何かにプラスワン、刺繍を描いてみませんか。
あなただけのデザインが、その瞬間から生まれます。
世界中のいろいろな国々で見られる刺繍。それぞれに特徴があり、カラフルなもの、ふくらみのあるもの、幾何学模様みたいなものなど、その国の文化が散りばめられた刺繍は、歴史があり、物語があり、とてもきれいで魅力的です。