でも、多くの経験を通して若い頃にはなかった知識や考えを持ち、自分の感情と上手に折り合う術が分かる等、歳をとるのもそう悪いことではありませんよね。
その一方で、肌のたるみや白髪の増加など、歳をとることで見えてくる自分の老い。歳をとることは悪くないと頭では分かっていながらアンチエイジングに懸命になる…どこか矛盾しているようにも感じますね。
歳をとるということ
歳をとるとは時間を重ねていくということです。人間としての幅が広がるのと反比例するかのように、肌や髪において若さが失われていくのは自然なこと。
でも、私たちは未経験のものや見たことのないものに対して恐怖を抱きます。自分の老いた顔や姿は想像することが難しいですよね。
歳をとることは受け入れながらも老いに抗ってしまうのは、老いた時の自分の姿がわからなくて怖い、という恐怖心と戦うためなのかもしれません。
美しさとはなにか
それでは、「美しい」とはどんなことを言うのでしょう。見た目の良さや若さのことでしょうか?確かに、若さには内面から湧き出るような輝きがありますよね。その輝きには「可愛い、綺麗」という表現がよく似合います。
歳をとるほどに嬉しいことも悲しいことも含めて、多くの経験をします。それら全てを受け止めてきた経験が、雰囲気や佇まい、意志の強さや目の輝きとなって現れるでしょう。
「美しさ」というとき、それは、多くを乗り越えて今ここにいる、という自信が作り出す、「気品」を指すのではないでしょうか。
きひん 【気品】
気高い趣。どことなく凜(りん)として上品な感じ。
そこにはもちろん、シワやシミなど生きてきた証が含まれるのは当然のこと。もしも、歳をとっているのにつるりとしてシワやシミのない肌だったとしたら…私たちはそれに美しさよりも、空恐ろしさを感じませんか?それはなにか、ニセモノのような、ツクリモノのような雰囲気さえ漂う気がします。
あってほしくない、できれば消したいと思うシワやシミも、見方を変えれば多くの経験と時間を重ねてきた証です。そして、「気品」は、それらなくしては作ることのできない真の美しさだと思いませんか?
美しく歳をとるために今からできること
今を懸命に、そして楽しむこと
まずは今を懸命に生き、さらに楽しむことです。仕事や家庭や子育てなど、やることはたくさんあります。時には嫌になって放り出したいと思うこともありますよね。
でも、完璧を求めずに今できることを懸命にやってみましょう。多くの喜びや幸せはもちろん、悩んだり立ち止まることも、生きていればこそです。その時々にしか味わえない貴重な時間を大切にしたいですね。
新しく学ぶこと
どんどん変化していく世の中。常に新しいことを学びながら良いものは取り入れる。そんな気持ちの柔軟さを持っていたいですね。多くのことにアンテナを張っておきましょう。
歳相応の思い込みを捨てること
歳をとったらこうあるべきという思い込みや固定観念はありませんか?歳相応の振る舞いや言葉使いはあってしかるべきですが、どこかに出かけることや挑戦することに歳相応はありません。
いくつになっても新しいことを知ろうとする好奇心や行動力は失いたくありません。その思いを叶えるために継続的な運動をし、食生活を整えておきたいですね。
ありのままの自分を慈しみ、この先も美しくありたいと思い続けること
歳をとっても綺麗でありたいという気持ちは忘れたくありません。若く見せるためではなく、歳を重ねた自分を慈しむようにスキンケアをし、メイクをしたいものです。
自分に合うシンプルなケア方法や、質の良い化粧品をポイント的に使うなど、歳とともに手のかけ方を変えていきましょう。もちろん、笑顔とピンと伸びた背筋も忘れずに意識したいですね。
おわりに
"歳をとる" というと、若さを失い健康や生き方への不安要素ばかりをイメージさせますね。ですが、誰しも突然歳をとるわけではありません。平凡にも思える毎日の積み重ねによって歳をとるのです。
美しく歳をとるために、今日からどんな一日を積み重ねていきたいか考えてみませんか?そして、自分に起こる変化を楽しみながら受け入れ、慈しみながら重ねてみませんか?
私たちは毎年必ず一つ歳をとります。子どもの頃には楽しみだった誕生日も、今では「また一つ歳をとったな」と思う、ありがたくないイベントと考えるひとも多いかもしれません。